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ムーミンママ
2024年5月31日 13:46
赤い傘 見るたびに 君の横顔思い出す泣いてるような 笑ってるようなほんのささいな過ちに 投げつけた君への仕打ち知らないままでいたなら 傷つくこともなかったのに若すぎたんだ 今なら許せた嘘だった 雨の日は一本の赤い傘離れたくない愛だったままごとみたいな愛だったふたりで暮らしたあの部屋は西日の入る部屋 子猫のようにまるまって 温めてあった寒い夜 つまらないことで喧嘩してま
2024年5月24日 07:11
吾輩は金魚である名前はまだ無い ともいえない最近 この家の(伊東家)のママ(由紀)が名付けてくれたその名前は……トメ! である ハァ~なんでトメ!正直 ぷっかり浮いてしまいたい例えば ジョセフィーヌとかマリアンヌとか 付けられんのか!何 そのしらけた目 ハイ 身の程知らずでした吾輩は 夏祭りの夜店の金魚であるこの伊藤家の坊ちゃん(はるま)にすくい上げられこの家にやってきたまあるい朝
2024年5月17日 21:49
白い靴 と書かれた看板を掲げている店が開店した 入ってみると 看板に書かれている通りの 白い靴だけあつかう靴屋だった「店主 色味の靴は置いてないのかい」主「ございません こちらの靴は履く方の人生を写し出し 如何様にも染まる 靴でございます」男「私は長年この町で漁師を生業にしてきた男だが 果たしてどんな色に染まるのだろうね」「店主 面白そうだから一足お願いしょう」男は 試しに白のランニン
2024年5月12日 09:46
風薫るキラキラなこの季節 恋をしてみませんか by キァンディーズ都内に通勤する電車の中で りかこはぼんやり見慣れた景色を追っていたもうすぐ30歳に手が届く なんとかせねば しかしなんとかせねばとは なんぞや と一向に答えの出ない自問自答を繰り返すだけだった恋が向こうから歩いてきて 「ヤァ 恋です初めまして」なんて 声かけてくれたら「恋ですか……この私に? じやぁその恋って奴に乗っかって
2024年5月6日 23:10
こどもの日伝説 これはこの村に三百年も受け次がれたある伝説から由来する村の言伝えはこう書かれていた皐月晴の穏やかなある日 村では田植えの準備に追われていた 子ども達は親の邪魔にならぬよう 下の子どもの面倒を見たり 赤子は背におわれ親のいない家を守っていた ところがある日 山を下り里にたどり着いた 旅芸人の一座が 鉦や太鼓を打ち鳴らし村の家々を練り歩き歌い始めた「今日はよい日じゃ 集まりなさ