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魔獣辞典の最後の数頁に渡り名を連ねる魔獣たち。 危険度S。 伝説として名前だけなら誰…
「……フゥ……」 愛季から零れた掠れた吐息。それを掻き消す様に木々が騒めいた。五感を研…
機甲よりも高い木々に覆われた黒い森林の間を走行するシオン機。 シオンの故郷を出発して…
「ここって……」 櫻共和国の都市……ではない。 愛季らが辿り着いた場所は見たこともな…
「よし! 出来た。ふふ、我ながらいい出来なんじゃないかな~。ねね? どう思う?」 友人…
この作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。 『愛季、こんな所で…
――そこは篠生という山岳地帯。 赤い巨大な岩がいくつもあり、とてもではないが生物が生きていくには適さない場所であった。人間も動物も寄り付かない。 その為か、この場所で寿命を静かに迎えたと思わしき魔獣の亡骸が発見されることもあるらしい。 別名『獣の墓場』と呼ばれているのだとか。 そんな獣の墓場にて、シオンは落胆するかのように呟いた。 「相打ちか」 ”相打ち”と言った言葉の通り。 コックピットを刺し合う二対の機甲がシオンの目の前にあった。 周囲にはバラバラ
櫻共和国領南東。建造物も何もない大地にて。 「……この辺りですよね? 愛季の信号が消失…
「……っち。どこ行きやがった」 帝国兵士、ライリー・スクワイトは苛立ち混じりに指示を出…
「――凪紗! 凪、ッ!?」 オペレーターへと交信を試みながら、谷口愛季は咄嗟に横へと自…
後方支援基地に辿り着いたシオン・グラスフォード。 補給のために立ち寄ったはずが、思わ…
シオン・グラスフォードが向かっている先――菖蒲と帝国のちょうど中間あたり、そこが指定さ…
『帝国による三ヵ国同時侵攻』 北東のソマリワ公国と、それに属するいくつかの小国を打倒し…
この作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。 格納庫に佇む人型の機体。 そのコックピットにて、谷口愛季は静かに目を開いた。 一呼吸置き横に並ぶ味方機へと告げる。 「いい? ブリーフィングの時も言ったけど、私たちの任務は捕虜となった人たちの救助だからね」 「うん」 「は~い!」 「出来るだけ戦闘は避けようね」 「分かっとるって」 「愛季の言う通りにするよ!」 「ふふ、じゃあ行こうか」 そう言って本部へと通信を飛ばす。 「こちら