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精神病の正体と精神科医の犯罪19  〈最先端研究が暴く不都合な真実〉

第2章 精神科医の犯罪 精神科の薬④


抗精神病薬

統合失調症や躁状態の治療に使われる。ドーパミン阻害効果を持つ神経弛緩薬で定型と非定型に分けられる。興奮や攻撃性を抑える対症療法の薬で、病気を治療する効果は無い。長期的には回復率を低下させる可能性があることがWHOの調査で明らかになっている。
商品名 エビリファイ、ジプレキサ、セロクエル、リスパダールなど
主な精神的副作用
興奮、眠気、不眠、不安、めまい、ふらつき、抑うつ状態、易刺激性、自殺企図、幻覚、妄想、脱抑制、躁状態、感覚鈍麻、記憶障害、知覚過敏、意識喪失、もうろう、焦燥、アカシジア、振戦、遅発性ジスキネジア、ジストニア、パーキンソン病症状、ブラジキネジア 

(添付文書などを基に編集、精神科に批判的な資料は参考にしていない)

 主に統合失調症の治療に使われる薬です。睡眠薬や抗不安薬が前頭葉のみに作用するのに対し、脳の情報伝達の要であるドーパミンを抑制し大脳の活動全般を抑える弱い麻酔薬のようなものです。すでに間違いであることが明らかになっているドーパミン仮説に基づく薬です。
 統合失調症の興奮状態や躁状態は一時的ですが確かに収まります。幻聴など限られた症状に関しては連続使用によって社会復帰が可能になった事例も多いと精神科医は言っています。
 しかし、ドーパミン仮説は間違いであり実際にドーパミン過剰は起きていません。興奮や躁状態は、鎮静安定に必要なシナプス回路が削除されてしまった結果起きる症状で、言ってみれば車のブレーキが失われた状態ということです。抗精神病薬はガソリンを止める役割を果たしますので車は止まりますが、ガソリンがなければ走ることもできなくなります。とても見当違いの治療をしているということです。

薬を使っても回復率が変わらない
 抗精神病薬には病気の治療効果は全くありません。岡田尊司氏は抗精神病薬を早期から使うことで悪化を食い止める効果があり、発症後には回復を早めると言っていますが、WHOは逆の報告を出しています。
 薬が無かった頃の回復率と、薬による治療がこれほど普及している現在の回復率が数ポイントしか違わないことを岡田氏自身が認めています。わずか数ポイントでは誤差の範囲でしかありませんね。さらに100年以上前にスイスのブロイラーという医師が担当した病院で、薬を使わずに現在の1.5倍の60%という回復率を記録していることを考えれば現在の治療法が正しいとは思えないのです。

貧乏人は回復する?
 薬を使わない方が回復率が高いことを示す事例を岡田氏が紹介しています。WHOの調査によれば先進国より途上国の方が回復率が高いというのです。しかも富裕層よりも貧困層の方が高いのです。「ストレスが少ない」「社会のシステムによるもの」という見方をしていますが、「薬を買えない」人の方が回復していると考える方が自然です。

 発展途上国のほうが短期精神病が多く幻覚妄想状態になっても慢性化するケースの割合が少ないことを述べた。これと軌を一にするように統合失調症と診断されるケースでも、途上国のほうが回復率の高いことを多くの報告が示している。
(中略)
 途上国では、多くの人が貧しい状況に置かれている。先に述べたように貧困は先進国では精神病の有病率を押し上げている。ところが、まだ国全体が貧しいスリランカやモーリシャスといった国々において、統合失調症の長期的な予後が先進国よりはるかによいのである。これはいったい何を意味するのであろうか。
 貧困という不利な条件を跳ね返すほどの有利な条件が途上国の社会には存在していることになる。

岡田尊司「統合失調症」

回復を阻害する
 統合失調症は前頭葉が幼児化する病気です。幼児が感情的に成長するためには、家族や社会とのつながりの中で「感じる」ことが必要です。日々重ねられる喜怒哀楽の中で感じる「情動記憶」が一つ一つ前頭葉に蓄えられ、シナプスを構成していきます。
 抗精神病薬は神経弛緩薬です。感じる力を「鈍く」することで効果を発揮します。しかし、感じなければ感情は成長することはありません。抗精神病薬を飲み続ければいつまでたっても回復できないことになります。これが薬を使わない方が回復率が高くなる理由です。わかってみれば「当たり前」のことでしかありませんね。
 興奮したり暴れたりするのを恐れるばかりに薬を使ってしまいますが、そのことが回復を妨げてしまうことを冷静に考える必要があります。赤ん坊や幼児が駄々をこねたり泣いたりするのは、それが成長のために「必要なこと」だからです。

抗不安作用も起きる
 抗精神病薬にもGABA作用があります。ストレスホルモンコルチゾールにドーパミンを抑制する働きがあり、この薬はそれを利用したものですからストレス状態を作り出すということです。精神科の薬の中では弱い部類に入りますが統合失調症を発症している方が服用するのですから強く働きます。患者家族のブログには抗精神病薬服用後にドーパミン過剰のような興奮症状が現れることが記されていますし、錯乱が起き悪化した事例も多く存在します。薬の機序から考えればおかしな話です。回復を阻害するどころか悪化させているのですから話になりません。
 回復を妨げるのは確かなのですが薬を使いながら回復している事例もあります。他の薬と比べれば抗不安作用は弱く、薬の種類、服用法などによっては回復の方向には進み「寛解」に至ることもあるのですが、薬を使わなければもっと早く「回復」することが可能だと私は考えています。
 暴力などで家族が面倒を見切れない状態では、今のところ精神科に入院させる以外手立てはありません。その場合は100%抗精神病薬が処方され拘束監禁状態にさせられてしまいます。誰かに危害を加える可能性もあるのですから仕方ないとも言えますが、退院後に第三者を巻き込む事件を起こしてしまう事例が多いのは「悪化」しているからに他なりません。
 岡田氏は「早期の抗精神病薬投与で発症を防げる」と発言しています。しかし、軽い統合失調症と診断された患者が、抗精神病薬の投与で悪化していく事例が数多く見られ「統合失調症というのは誤診ではないか」という声も聞かれます。
 確かに理論的にはセンサーを鈍らせればストレスを感じることが出来なくなりますから「発症を防ぐ」ことはできるかもしれません。けれども感じて成長することがなければ精神病がよくなることはありません。間違っているのは診断ではなく「治療法」なのです。
 統合失調症を治す「薬」は存在しません。抗精神病薬の投与は「おとなしくさせる」以上の効果はないのです。
 治そうという気などさらさらなく、ただおとなしくさせたい場合はとても有効です。もちろん死ぬまで飲ませ続けなければなりませんが。 

神経異常の副作用はなぜ起きるのか?
 抗精神病薬によってアカシジア、ジスキネジアなど神経異常の副作用が頻繁に起きます。これは「当たり前」にすぎません。
 ドーパミン遮断薬である抗精神病薬はドーパミンの受容体をブロックすることで効果を発揮します。ドーパミンが実際に過剰分泌されているのなら問題はないのですが、前述のようにドーパミン過剰は起きていません。それなのにドーパミンを遮断してしまえば情報伝達不足が生じ、パーキンソン病に似たこのような神経異常を引き起こすのです。

 長期服用すればダウンレギュレーションが生じ、慢性的な症状となります。この副作用が起きるとドーパミン分泌促進薬を使ったりするのですが悪循環でしかありません。
 必要のない薬を投与して悪化させ、副作用を引き起こして別な薬を投与する・・・まともな人間のすることではありませんね。

精神科の正体と精神科医の犯罪20に続く
*この文章は「悪魔の処方箋」を加筆、再構成したものです
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吉村敏男
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