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精神病の正体と精神科医の犯罪 10  〈最先端研究が暴く不都合な真実〉

第一章 精神病の正体 その10 

精神病はニつだけ

 「ダウンレギュレーション」と「シナプスの刈込」、ストレスによって引き起こされるこの二つの現象によって「すべて」の精神病を合理的に説明することができます。
 もちろん「定義」の仕方によって解釈は異なるでしょうが、「ダウンレギュレーションによって引き起こされる真正のうつ病とその症候群」と「シナプスの刈込によって引き起こされる統合失調症とその症候群」の二つしか精神病は存在しないと私は考えています。
 何がその二つを分けるのかについては後ほど掘り下げていきます。

うつ病とその症候群

 ストレスホルモンの過剰分泌が長期間継続することで起きるダウンレギュレーションによってもたらされる症状です。過剰分泌されるストレスホルモンはいくつもありダウンレギュレーションも複雑に作用します。
うつ
「うつ」という定義は難しいのですが気持ちが落ち込んで前向きな考え方ができない状態でしょう。第一義的に興奮性のカテコールアミンやノルアドレナリンが不足する影響が考えられます。
不安・不眠
 ベータエンドルフィンやGABAが不足すると神経が過敏になります。焦燥感が増し不安を抑えられなくなり不眠にもつながります。
 GABAは統合失調症を引き起こすと言ったではないか!と思われるでしょうがどちらにも繋りがあります。
免疫不全など
 コルチゾールが不足すると免疫がうまく働くなったり、倦怠感や食欲不振などが起きることがあります。

ダウンレギュレーションは短期間で回復
 残念ながら真性のうつ病と初期の統合失調症に見分けがつかない症状が多いことは事実であり、8割の誤診が起きる事も仕方ありません。
 ダウンレギュレーションによる症状の最大の特徴は「原因を取り除けば数週間から数ヶ月でほとんど回復する」ということです。
 総じて症状の軽い誰にでも起きる短期的な「気分障害」であり、本来薬を飲まなければならないような病気ではありません。ダウンレギュレーションが起きたということは必ずアップレギュレーションが起きるということの証明でもあるのです。
 私は重症のうつ病は存在しないと思っています。自殺もうつ病の症状ではありませんので誤解のないように。それはおかしい?一般の方の認識とはもちろん違っていますね。

統合失調症とその症候群

 統合失調症の典型的な症状については前回説明していますので「別の病気」とされているものを説明していきましょう。
 統合失調症の症状は前頭葉、神経ネットワークの初期化、正常意識の希薄化、妄想・別人格による支配によって生じます。

双極性障害
 この症状は精神の安定をもたらすGABAが不足することによって起きるとする説があります。一見もっともな理屈ですがGABA不足では不安や焦燥感は増しますが躁状態になる理由はなく、ましてやうつと躁が繰り返すなどあり得ないのです。
 これは興奮性、鎮静性情報伝達物質両方の受信回路が初期化されることで起きる「過敏症」で、その時の情報伝達物質の分泌状況によって大きく左右されやすいというだけです。
過呼吸パニック発作も興奮性情報伝達物質の過敏症で呼吸などの自立神経、内分泌が過剰に反応してしまうことで起きます。

新型うつ病
 仕事や学校には意欲か湧かないが遊びなどには積極的になれる症状をある精神科医が名付けた症状です。
 幼児に勉強や仕事をさせようとしても無理ですよね。でも遊びには夢中になります。お分かりでしょう、これは初期の統合失調症の症状であってけしてうつ病ではありません。

適応障害
 かなり幅は広いのですが抑うつ、不安などに加えて無謀な運転や過度の飲酒や暴食、真夜中に誰かに電話してしまうなど、理性的に考えればやらないことややってはいけないことをしてしまう「どうかしている」状態を指します。
 これまでと異なる状況にうまく適応出来ないことで起きるストレス症状、という意味合いだと思われます。
 もちろん理性が失われ別人格に支配されることで起きる典型的な初期の統合失調症の症状です。

解離性障害
 解離性障害は多重人格をはじめ、解離性健忘、解離性遁走など自分ではない誰かが思いもよらない行動をしてしまう症状です。正常な意識が希薄になることで起きる紛れもない統合失調症です。

強迫性障害
 潔癖症など度が過ぎたこだわりによって生活や人間関係に支障が起きることを指します。統合失調症によって理性や許容性が失われ、社会性を犠牲にしても自分が作り出したこだわりやわがままを抑えられなくなる症状です。

ゴミ屋敷
 この問題が「心の問題」であることが最近ようやく認識されるようになりました。臭く汚い部屋で暮らすことを普通は望みません。それが平気で近所迷惑になっても片付けようとしないのは理性を失った統合失調症だからです。何らかのストレスを機にそうなったという話が多く聞かれます。

PTSD
 大きなストレスによって作られた「トラウマ」によって似たような体験を想起すると急激なストレス状態に陥る症状、と言われて来ました。  
 トラウマが肥大化するというのならシナプスの刈込と矛盾するではないか!と言われるかもしれませんがこれは間違いです。
 ストレスが大きければ抗不安作用によって情動記憶は消されるはずで大きくなることはありません。
 これはパニック障害と同じくストレス過敏症によるもので統合失調症の症状です。発作が起きる度シナプスの刈込は促進されストレス耐性は弱くなり症状は悪化していきます。記憶と結びつきやすいのは何度も想起する事で蘇りやすくなるためです。
 その明らかな証拠は後ほど紹介します。

キレる・プッツンする・境界性人格障害
 これは別人格が現れる軽い解離性障害と考えられます。ストレス時の一過性のものがキレるやプッツンする状態。境界性人格障害はストレスがなくても発症することがあります。解離性障害と違って記憶は残る場合がほとんどですが正常な人格がコントロールできない状態です

摂食障害
 摂食障害には拒食症と過食症があります。
 拒食症は「痩せている方が美しい」という妄想に支配されてしまうことによる統合失調症の症状です。死んでしまっては意味がない、痩せこけて少しも美しくないと普通の人には思えるのですが死の意味も生きる意味も理解できない状態で痩せたいという妄想に支配されてしまうのです。
 それでは過食症はというとこちらは妄想とは少し異ります。CRH2型受容体系統の作用に「食欲亢進」があります。これが実は「ストレス太り」の原因です。
 「精神的な空白を食欲で満たしている」と考えられてきましたがそうではありません。集団発生する砂漠トビバッタは集団であるだけでなく食欲が旺盛となって作物を根こそぎ食い荒らします。つまり、ストレスは食欲と直結するのです。これは「生命の危機に備えてカロリーを摂取せよ」というような生存本能である可能性が高く、ガラニンという情報伝達物質が過剰分泌されることによって起きます。本能を抑える理性が働かなることも要因ですので統合失調症の症状です。

自殺
 自殺はうつ病の症状と考える方は多いと思いますが全くの見当違いです。
 欧米に比べ日本の人口あたりの自殺者数は飛び抜けて高くなっています。しかし、WHOのデータによるとうつ病の発症率は欧米の5〜6%に比べて日本は3%程度で逆にかなり少ないのです。うつ病と自殺は比例しないことがわかりますね。
 何もかも嫌になって死んだ方がマシだと考えたとしましょう。ビルから飛び降りましょうか?でも屋上から下を見下ろしたら怖くて足がすくみますよね。首を吊りましょうか?でも苦しそうですよね。楽に死ねるように睡眠薬でも大量に飲みましょうか?二度と目を覚さない恐怖に勝てますか?そうです、死ぬには死の恐怖を乗り越える「勇気」が必要なのです。生きる勇気のない人にそんな勇気が果たしてあるのでしょうか?
 いいえ、必要なのは怖いと感じる「理性」を捨てることなのです。「正気を失って」というのは自殺でよく聞かれる言葉です。つまり、自殺はキレる、プッツンすると同じ解離性障害の別人格が行なってしまう行為で紛れもない統合失調症です。岡田尊司氏も著書の中でうつ病より統合失調症の方が自殺の危険性が高いと書いています。

クレプトマニア
 お金に困っているわけでもないのに万引したい気持ちを抑えられない症状で、最近「病気」という認識が広がっています。万引きがいけないことだとわかっている自分もいるのですがそれを止められないのです。
 これは理性が失われ万引したいもう一人の幼児人格を抑えられずに起きる一種の境界性人格障害です。大人なら悪いとわかっていることを止められるはず、と思うのは普通の人間の考え方で幼児の前頭葉には無理なのです。
 幼児期に万引きや盗癖があった方がストレスなどをきっかけに再発してしまうことが多い傾向にあります。

幼児性愛
 この症状も精神病だと指摘する専門家が増えて来ましたが、まだまだ異常性格という捉え方が多いでしょう。
 大人の女性に相手にしてもらえないから抵抗できない子供を狙う、と解釈されて来ましたが実際は全く異なります。彼等(彼女等という場合ももちろんあります)の前頭葉は「幼児」、つまり典型的な統合失調症なのです。幼児が幼児に興味を抱くのは「当たり前のこと」に過ぎません。彼等には鏡に映った自分を姿を認識することが出来ず前頭葉が興味を抱く対象に手を出してしまうのです。見た目「大人」のする行為を普通の人間は許すことができません。彼等は大人の体と知識を持った哀れな幼児なのです。

代理ミュンヒハウゼン症候群
 自分の子供などを薬などを使って病気にし悲劇の母親を演じることで同情を集め自己満足を得る精神病ですが、これも「妄想」に囚われ別人格に支配される統合失調症の症状です。

マインドコントロール
 それまで普通に物事を考え生活していた人が、ある日突然科学も常識も遥かに逸脱した荒唐無稽な教えを信じるようになります。子供の食費や教育費まで全財産を献金し、教えに従わない子供を虐待する、犯罪行為に手を染める、というようなことが起きます。
 「そんな人ではなかった」家族や友人は口を揃えます。そうです、別人格がつくられているのです。
 これは洗脳、マインドコントロールと呼ばれます。そんなことがあることをまだ信じられない方も多くいらっしゃるでしょうがオウム真理教や統一協会報道で明らかになったように実際に存在します。
 これは統合失調症のメカニズムを利用した古代から伝わる人の心を操る手法なのです。
 初めは悩みや不幸な状況などを聞いて同情することで心を開かせ、その人の潜在的な恐怖心や悲しみを引き出します。そして隔離監禁や集団心理などで恐怖心を煽って精神を極限状態に追い込みむことで統合失調症を人工的に引き起こします。初期化された精神に「私たちを信じれば救われる」という教えを植え込むのです。
 それを否定するものは悪魔だ信じさせてしまうので家族や友人がどんなに説得しても抜け出すことができなくなります。家族や友人が自分にとってどのような存在だったのか完全に忘れてしまっているのですから仕方ありません。学校で習った理科や社会の授業はもちろん記憶にはありますがそれと全く反する教えを精神が受け入れてしまうのです。
 新興宗教の教祖は精神科医より遥かに精神の仕組みを理解して利用しているのです。ちなみに教祖もほとんどが統合失調症によって生まれます。

ジョーカー 反社会性人格障害
 ストレスが恐ろしい犯罪者を作り出すこと自体は多くの人達の知るところでしょう。では、そのメカニズムはご存知でしょうか?
 映画ジョーカーでは常軌を逸した反社会的な犯罪者が生まれる過程を描いています。
 育児放棄、挫折、疎外、いじめ、裏切り、失恋など絶望にさらされることで「心の闇」が増幅されていくとされて来ました。
 しかし、根本的には負の学習が問題なのではなく理性・良心・社会性が失われ幼児化した精神が負の妄想に支配されることで作り出される「別人格」によるもので、統合失調症が原因なのです。
 通り魔や放火、無差別殺人、単独テロなど、さまざまな「不可解な」事件は全て「心の闇」などではなく統合失調症という「病気」が原因です。

精神の謎はまだまだあります。

                精神病の正体と精神科医の犯罪11に続く
       *この文章は「悪魔の処方箋」を加筆、再構成したものです
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吉村敏男
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