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フランスから逆輸入⁉おうち茶道を堪能しました

ホームステイで2020年の冬に
我が家に来て以来、
すっかり仲良くなった同世代の
フランス在住のFさん。

日本が大好きで11月中旬から
東京をメインに3週間程、
日本に滞在しています。

去年に引き続き、
今年も実家にも顔を出して
くれました。

Fさんの再来に実家の父母、
妹と双子(女の子)、私達夫婦が揃い、
計8人でのにぎやかな週末に。

Fさんは、パリで茶道(裏千家)を学ばれ、お免状を習得されています。

Fさんが家族にお点前をしてくれて、
(まったくの初心者ですが)
茶道の心得に触れる経験ができました。

祖母は免状を持っていて、
母は茶道に少々の教養はありますが、
祖母と母以外は 全くの初心者。

実家にある茶道具と
Fさんが持参してくれた
茶道具と合わせて使うこと
となりました。

本日、茶室になりました

和室もお茶席仕立てに準備
してありました。
もてなす側の亭主(Fさん)と、
もてなしを受ける側の客人(私達) 
になります。

座布団も役割で並べられていました。

◎正客(しょうきゃく)
お客様の代表として、亭主(席主)の方とお話しをする方。

◎次客(じきゃく)
正客の隣に次いで座るお客様のこと。
そのあとは、三客・四客・・
と座った順に座るようです。

◎末客(まっきゃく)
最後に席入りするお客様。
「お詰(つめ)」ともいう。


色紙に書かれている「和敬清寂」

なんとFさん、掛け軸まで持参してくれました。

和敬清寂は
「主人と賓客がお互いの心を和らげて謹み敬い、茶室の備品や茶会の雰囲気を清浄にすること」という意で,
千利休の唱えたお茶の精神の言葉です。

和=平和と調和
敬=互いに敬いあう
清=清らかな気持ち
寂=何事にも動じない気持ち

心が洗われるような
気持になりました。

茶道具の使い方、教わりました

妹と双子たちが最初に
茶席に入りました。
亭主Fさんは双子達に
茶道具の遣い方を
細かく教えてくれました。

いよいよ茶会が
はじまりました。

亭主は、茶道具を出すために、
襖を開け閉めし、
茶室に出入りします。

190センチ程の長身のFさん、
襖の上部(鴨居)に何度も
頭をぶつけそうになり、
母から「頭低くね!」
と掛け声がかかってました(笑)。

何とも茶目っ気のあるご亭主です。


茶釜がない!湯沸かしポットで大丈夫

亭主Fさん、
茶を点てる準備を
してくださいました

山道盆の中には、
◎茶碗、◎茶さじ、
◎茶筅(湯を加えた抹茶を
茶碗の中で混ぜるための道具)、
◎棗(なつめ・抹茶を入れるために
使う茶器)
◎小茶巾(茶を飲んだ後の茶碗を
清めるために用いられる小さな布)
が入っていました。

そして、湯沸かしポット。
写真には写っていないですが、
建水(茶碗をゆすいだ湯や水を
捨てるための器)も必要ですね。

シャツシャツ!良い音!

茶筅で抹茶を点てる時の
「シャッシャッ」という音が
とても気持ちよかったです。

干菓子と金平糖、なんとも愛らしい!

お抹茶を待つ間、
干菓子をいただきました。

可愛らしいフォルムに魅了
されているようでした。
懐紙に乗せて、口に含みます。
美味しいと頬をほころばせます。

教わった通り、食べ終わった後は、
懐紙を小さくおりました。

※写真右の陶器の入れ物は、振出という名前で、「金平糖や砂糖豆・霰・甘納豆など小粒の菓子を入れる小形の菓子器」だそうです。茶箱の点前は振出があるそうです。

振出がなんともかわいらしくて、
すっかり気に入りました💛


一生懸命、正座しています(笑)

お点前、頂戴致します。

お辞儀をして、
お茶碗を右手で持って左の手の
ひらに乗せて、感謝する。

時計回りに2回。正面を避ける。
3回程で飲みきり、反対に回して、
お茶碗を拝見、
下に置いて全体の姿を
見る などなど。

1つ1つ教わりながら、
双子たちも楽しんでいました。

美しい小物たち

Fさんが持ってきてくれた茶道具、
それはそれは素晴らしい小物でした!

〇帛紗(ふくさ・お点前中、茶道具を清めるときに使う布)
写真は女性用で赤とオレンジ

〇古帛紗(茶の席で茶を入れた茶器を
眺める時や、点てられたお茶を運ぶ時、客としてお茶をいただくときなどに、
器を乗せたり茶器の下に敷いたりする
小さな布)

〇数寄屋袋(小物一式まとめて収納
できる袋)

〇懐紙 お菓子をのせる時に使い、
使い終わった懐紙は折りたたんで
持ち帰ります

〇懐紙入れ 茶席において必要
最低限の茶道小物をひとまとめに
入れて携帯する為のケース。
袱紗ばさみ(ふくさばさみ)とも言う

〇菓子切り お菓子をいただく時に
使う楊枝

〇扇子 ご挨拶の時など、閉じたまま
自分の前に置いて他者との結界を作り、敬意を示します。

見よう見まねで一通りの流れを
体験させてもらいました。

言葉は少なくとも丁寧な所作を
すること「相手を敬う」という
心を通わす時間を作れることに
感動を覚えました。

どうしても日々、あれもこれもと
焦ることばかりですが、
平穏になる意識、
日常のすべてに感謝する気持ちを
忘れずに過ごしていたいなと
思いました。

素晴らしい気づきを共有してくれた
Fさん、ありがとうございました。
家族一同、お礼を申し上げます。

※まったくの初心者なりに調べたり、
確認したりして、書いた記事です。

ひとつの内容や意見だということを
どうぞ、ご承知ください。

詳しくはお調べになられますよう、
どうぞよろしくお願いいたします。

〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
最後に・・お茶を習っていない
分際で申し上げるのは、
申し訳ないと思いつつも、

私はこの精神に心突き
動かされました。

それは、

茶の湯を大成させた茶人であり
最も有名な、「千利休」

戦乱の戦国時代に、
名だたる武士といえども、
茶室には刀や小刀を一切
持ち込むことが出来ず、
躙口という出入口では
低頭して入らなければいけない、
どんな偉い身分の人でもみな
「人間平等」となり、
お茶をいただく・・当時、
武士にとって命と同じくらい
大切な刀を携帯し、茶室に入る
ことが出来ないよう物理的に
茶室を設えたこと。
茶室において誰もが平等になり、
心を通わす・・

常在戦場の世で、革命的だと
本当に驚くばかりです。


また、千玄室さんの書物からも
学ばせていただきました。

千玄室さんは、裏千家の大宗匠・
前家元であり、

「一盌からピースフルネスを」
の理念を提唱し、世界六十か国を
300回以上歴訪し、茶道文化と
世界平和の実現に向けた活動を
されていらっしゃいます。

お茶碗は暖かくて、丸い
「小さな🌐地球」

緑のお茶は失われていく自然 
地球を大事にすることによって
我々は生かされている。

「いかがですか」
「お先に」と勧めあって、
「相手を敬い、想いあう」。

この精神が一椀のお茶に込められ、
こころが落ち着く。

こころが落ち着いたところには、
平穏があるのだから。
平穏には争いごとはないのだから。
辛いニュースも多い世の中です。
平穏を願わずには
いられませんね。




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