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真夜中のアウトプット2023/2/13(リアーナ)

仕事でシステムの不具合が頻発し、保守の担当者の尻を叩いているうちに時間が過ぎていった。向こうも限られた人員で回している以上、深夜にも作業が発生していて本当に申し訳ないのだが、私も山のようにクレームを受けているのだ。一緒に地獄を見てくれ。

さて、今日のトピックと言えば、何はともあれスーパーボウルハーフタイムショウのリアーナである。ビッグネームではあるけど、めちゃくちゃ話題性ありってわけでもないよね? という感じの人選になりがちだった近年のショウの中でも、事前の期待値(あるいは不安)をかなり高めたアクトだったのではないだろうか。

・最後のライブパフォーマンスは2018年グラミー

・まとまった音楽活動は2016年のアルバム”ANTI”以降ほぼなし

・昨年末、映画『ブラックパンサー:ワカンダ・フォーエバー』のサウンドトラックで久しぶりにカムバックを果たしたばかり

以上のような状況下、蓋を開ければ小細工なしのステージングとヒット曲をぎゅうぎゅうに詰め込んだセットリストで聴衆を圧倒、私のTLでも絶賛の嵐だった。そんな中、人々を何より驚かせたと思われるのはその大きなお腹だろう(私も驚いた)。妊娠中の大々的なパフォーマンスとしてはやはりビヨンセが先駆者として思い浮かぶが、スーパーボウルの大舞台に立ったのは流石にリリが初めてのようである。命綱つきとはいえ、普通に高所で歌っててヒヤヒヤした。

あれ? この間子供産んでなかったっけ?

そんな私の記憶は間違っておらず、エイサップ・ロッキーとの間の第一子は去年の5月に産まれていた。すごい。9ヶ月じゃ育休も終わらんぞ(人によるけど)。しかもリアーナは今年35歳。日本では高齢出産と呼ばれる最初の年齢である。

2010年代前半に大学生をやっていた人間としては“We Found Love”や”Diamonds”の懐メロっぷりにやられたし、久しぶりに”Work”を聴いて”ANTI”も聴き返したくなった。”Umbrella”は言わずもがな。どこを切っても完璧なヒットメドレーになっていたが、個人的に一番感動したのは”All of The Lights”だった。

トランプへの接近以降「笑えなさ」を格段に増した失言の数々と、誰もがドン引きした”White Lives Matter”シャツ事件、それらに伴うアディダスを始めとするコラボレーター達の容赦ないキャンセル。yeもといカニエ・ウェストが築き上げた名声は急速に色褪せつつあるものの、2010年の”My Beautiful Dark Twisted Fantasy”は彼の音楽活動のひとつの到達点として人々の間に記憶されているはずだ。”All of The Lights”はアルバムのハイライトと呼ぶに相応しい名曲である。

社会的自殺とも呼べるような行動を繰り返したカニエ本人とともに歴史に埋もれようとしていた彼の楽曲に、リアーナが再び息を吹き込んでくれたように、私には感じられた。これほどカニエに対する風当たりが強まっている中、彼のつくった楽曲を演奏すること自体にリスクがあるという見方もあるだろう。それだけに、この選曲は心を揺さぶられるものがあった。

リアーナは今回のパフォーマンスを通して、煉獄の中にいる天才児へと手を差し伸べたのだろうか。だとすれば、カニエはそれをちゃんと掴み取ることはできるのだろうか。

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