【書評】 境界知能の僕が見つけた人生を楽しむコツ
「2つの価値観」で人生が劇的に変わる!境界知能の当事者が語る"自分らしく生きる"ための処方箋
本書は、境界知能という「見えない困難」を抱える人々に向けた、まさに希望の光となる一冊です。
著者のなんばさんは、自身が境界知能(IQ70〜84)であることを公表し、その経験を基に具体的な生きやすさのヒントを提供しています。
特筆すべきは、境界知能が決して珍しい存在ではないという事実です。
人口の14%、つまり7人に1人が該当するとされており、日本全国では約1700万人もの方々が境界知能の特性を持っているとされています。
しかし、多くの方々は自身が境界知能であることに気づかないまま、
漠然とした生きづらさを抱えて日々を過ごしているのが現状です。
本書の核心となるのは、「自分の価値観を2つに絞る」というシンプルながら革新的なアプローチです。
なぜ2つなのか。それは人生における安定性とフレキシビリティのバランスを取るためです。
1つでは変化に対して脆弱すぎ、3つ以上では判断基準が曖昧になってしまう。
この「2つ」という数字には、著者の深い洞察が込められています。
著者は自身の経験から、「自由」と「創造性」という2つの価値観を見出しました。
これにより、時間や場所に縛られない働き方を選択し、独自の方法で結果を出すことに喜びを見出せるようになったといいます。
この具体例は、読者が自身の価値観を見つめ直す際の良いモデルケースとなっています。
本書では、価値観と目標の違いについても明確な説明がなされています。
価値観には終わりがなく、人生を通じて追求し続けられるものであるのに対し、目標には達成という終着点があります。
この違いを理解することで、より持続可能な人生の指針を見出すことができます。
また、本書は単なる自己啓発書ではありません。
境界知能という特性を持つ人々の視点から、社会や人間関係における課題を丁寧に掘り下げ、具体的な解決策を提示しています。
著者のYouTubeチャンネルでの活動経験も織り交ぜられており、理論と実践の両面からアプローチされている点も特徴的です。
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本書を読んだ感想として
本書の最大の魅力は、その「正直さ」にあると感じました。
著者は自身の境界知能という特性を隠すことなく開示し、そこから得られた気づきや学びを惜しみなく共有しています。
この姿勢が、読者に大きな勇気と希望を与えるのではないでしょうか。
特に印象的だったのは、20代女性の事例です。
「仕事ができない」という否定的な自己認識から、「挑戦することが好き」という強みの再発見へと視点が変わった過程は、価値観を見直すことの重要性を如実に示しています。
また、本書は単に「こうすればいい」という解決策を提示するのではなく、読者自身が自分の価値観を見つけ出すためのプロセスを示している点が素晴らしいと感じました。
これは、真の意味での「自己理解」につながる道筋だと考えています。
本書を特におススメしたい人
・自分の生き方に漠然とした違和感や不安を感じている方
・周囲との関係に悩みを抱えている方
・境界知能の当事者やそのご家族、支援者の方々
・人材育成や教育に携わる方々
・自分らしい生き方を模索している全ての方
本書とあわせて読みたいおススメの書籍
・発達障害の僕が輝ける場所をみつけられた理由』栗原 類 著
・もしかして発達障害?「うまくいかない」がラクになる 司馬理英子 他1名 著
・性格が合わないんじゃなくて話がかみ合っていないから 稲場 真由美 著
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本書のまとめ
本書は、境界知能という特性を持つ人々に向けた実践的なガイドブックであると同時に、全ての人に向けた「自分らしく生きるための指南書」としても読むことができます。
著者が提唱する「2つの価値観」という考え方は、人生の複雑さをシンプルに整理し、行動の指針を示してくれる良いコンパスとなります。
自己理解を深め、より充実した人生を送るためのヒントが詰まった一冊です。
本書から学べることは、境界知能の有無に関わらず、現代を生きる全ての人にとって価値ある気づきを与えてくれるでしょう。
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