【書評】 Love the Problem 問題に恋をしよう ユニコーン起業家の思考法
【起業家必見】連続起業家が語る、成功と失敗から導き出したスタートアップ成功の秘訣
本書は、2社のユニコーン企業を作り出した連続起業家である著者が、これまでの起業における成功と失敗から学んだノウハウを詰め込んだ一冊です。
「いかにユーザーに求められるサービスを作ればいいのか」
これまでの経験と事例をもとに、起業家にとって役立つ内容が書かれています。スタートアップを立ち上げるにあたっての原理原則となることが書かれており、なぜスタートアップがイノベーションを起こせるのかの一端を理解することができます。
本書は、スタートアップの成功に必要な要素を、問題解決とPMF(Product Market Fit)という2つの軸を中心に解説しています。
1. 問題から始める
多くのスタートアップは、似たような始まり方をしている。まずは何かに不満を感じ、それから、他の人たちも同じ不満を感じていることに気づき、その不満を和らげる方法を探していく。
「問題」の存在を教えてくれるのはいつも不満だ。
その後で、それが大きな問題かどうか、つまり解決に値する問題かどうかを見極める。非常に大きな問題を解決したら、たくさんの価値が生まれ、成功できる。
2. 早く失敗する
スタートアップの立ち上げは本質的に失敗の旅だ。起業家はこれまでに誰もしたことのないことをしようとしている。
うまくいく道のりを見つける可能性を高めるには、単純により多くのことに挑戦するのがベストだ。そして、より多くのことに挑戦するには、早く挑戦して、早く失敗するのがベストだ。
そうすれば、次のことに挑戦するのに十分な時間とランウェイを確保できる。
失敗の旅はいつでも、PMFを達成することから始まる。PMFが見つかれば、成功への道を進んでいる。見つからなければ死んでしまう。
旅の各工程で、最も重要になるのは、どれだけ早くリカバーできるかであり、早くリカバーするには、早く失敗しなければならない。
次のアイデアやコンセプト、テーマへの挑戦に向けて、どれだけ早く持ち直すことができるか。この「早く失敗する」手法を取り入れる起業家は単純に成功の機会が増える。
3. PMFを達成するか死ぬか
PMFを達成すれば、バリュープロポジションが見つかり、プロダクトはそれ以上変化しない。
バックエンドでの変更はあるかもしれず、ビジネスモデルが作られ、スケーラビリティの可能性は山ほどの開発を必要とするが、価値創造は変わらない。
PMFの唯一の指標となるのは、ユーザーが留まっているかどうか、つまりリテンションだ。ユーザーが戻ってくれば、PMFは達成されている。
B2Cでは純粋にユーザーの継続に目を向ける。今月初めてプロダクトを使い、3ヶ月以内に戻ってきたユーザーを数える。
B2Bでは、追加で購入してくれた顧客に目を向ける。つまり、年間契約の更新や契約範囲の拡大だ。B2Bでは、新規顧客による初めての購入ではなく、同じ顧客による追加の購入が重要になる。
リテンションを高めるポイントは次の2つだ。
ユーザーのファネル 新規ユーザー ファネルの最上部は、獲得可能な最大の市場規模。ファネルの最下部は継続ユーザーである。ファネルの途中には、ユーザーがプロダクトを受容するまでのいくつかのフェーズがある。ある程度は、1人の新規ユーザーについて、アプリのダウンロードから価値を得るまでに、何が必要かを考えるべきである。
ユーザーのファネルを最大限に活用するには、次の2つを習得する必要がある。
指標 それぞれの障壁についての正確で一貫性のある測定値。改善の取り組みを集中させるべき場所を知り、改善できているかを判断する方法となる。
学習 それが障壁となる理由を理解するため、その障壁を通らなかったユーザーと話をし、シンプルに「なぜ?」と質問する必要がある。
プロダクトの側から障壁に対応するには、次の4つの方法がある。
取り除くか、ユーザー体験のより遅い段階に移動させる。
シンプルにする。
コピーやマイクロコピーを書く。
視覚言語を使う。
何より最も重要なのは、ユーザーの声を聞き、ユーザーを「観察」することだ。
新規ユーザーを観察し、使うのをやめた人に理由を尋ねる。コンバージョンに関する問題を理解し、その見識をその後も使い続ける。
そのため、必要となる唯一の指標はファネルの効率性で、唯一のロードマップはその効率性を高めるものとなる。
それぞれの障壁に1つずつ取り組み、それを取り除くために必要な行動を起こす。ユーザーを観察する時は「間違ったユーザー」はいないと覚えておく。
ユーザー観察の重要性
本書では、ユーザー観察を成功に導く鍵の一つとしています。単にアンケートやインタビューを行うだけでなく、実際にユーザーがどのように製品を使用しているのかを観察することが重要です。ユーザーの行動や表情、言動から、製品に対する本音や潜在的なニーズを洞察することができます。
ユーザーの声に耳を傾ける
ユーザー観察に加え、ユーザーの声に耳を傾けることも重要です。製品に対する不満や要望を積極的に聞き取り、製品改善に活かすことで、ユーザー満足度を高めることができます。
コンバージョン率の改善
ユーザー観察とユーザーの声から得られた情報を基に、コンバージョン率の改善に取り組むことが重要です。ユーザーが製品を購入したり、サービスを利用したりするまでの過程を分析し、離脱ポイントを特定します。そして、そのポイントを改善することで、コンバージョン率を向上させることができます。
唯一の指標:ファネル効率
本書では、製品開発における唯一の指標として、ファネル効率を挙げています。ファネル効率とは、新規ユーザーが製品の各段階をどれだけスムーズに進んでいるかを表す指標です。ファネル効率が高いほど、ユーザーが製品を気に入ってくれており、継続利用する可能性が高いことを意味します。
唯一のロードマップ:ファネル効率向上
ファネル効率を唯一の指標と捉えることで、製品開発のロードマップも明確になります。製品開発のすべての意思決定は、ファネル効率を向上させることを目的として行われます。
「間違ったユーザー」はいない
ユーザー観察を行う際には、「間違ったユーザー」はいないという考え方が重要です。どんなユーザーであっても、製品を離脱する理由には必ず何かがあります。その理由を理解することで、製品全体を改善することができます。
本書を読んだ感想として
この本は、起業家にとって宝のような存在ですね。成功と失敗の両方から得た洞察を通じて、起業の本質を深く理解し、実践的なアドバイスを提供しています。
特に、問題から始めることの重要性が強調されていますね。多くのスタートアップが解決策にフォーカスするために失敗するのは、非常に興味深い指摘です。
問題を見つけ、それが本質的なものかどうかを確認することが、成功の第一歩なのですね。
そして、早く失敗することの重要性も強調されています。失敗から学ぶことは、成功につながる重要なステップです。
そのためには、失敗を恐れずに挑戦し、早期に失敗することが必要なのですね。
さらに、PMF(プロダクトマーケットフィット)の重要性も強調されています。ユーザーの継続性こそが成功の鍵であり、そのためにはリテンションを重視し、ユーザーのファネルを理解し改善していく必要があるという点が示唆されています。
この本は、起業家が成功するための貴重なヒントと戦略を提供しています。
起業の道は険しいものですが、この本の指針に従えば、成功への道筋が明確になることでしょう。
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本書のまとめ
この本は、成功と失敗を経験した起業家によって書かれた、スタートアップ創業者に向けた貴重なアドバイスが詰まった一冊です。
まず、スタートアップを立ち上げる際に重要なのは、問題から始めることです。
起業家は、自らも感じる不満から出発し、それが他の人々にも共通の問題であることに気づきます。そして、その問題を抱える人々の声に耳を傾け、解決策を考えます。
問題に集中することで、よりシンプルで共感を呼ぶストーリーを紡ぎ出し、成功につながる可能性が高まります。
次に重要なのは、失敗を恐れずに早く挑戦することです。スタートアップの道は失敗の連続であり、失敗から学ぶことが成長に繋がります。
早い段階で失敗し、その経験から学ぶことで、次の挑戦に向けた準備を整えることができます。
そして、成功の鍵となるのはPMF(プロダクトマーケットフィット)を達成することです。
ユーザーがプロダクトに留まり続けるかどうかがPMFの指標であり、そのためにはユーザーの声を大切にし、障壁を取り除く努力が必要です。
ユーザーのフィードバックを受けてプロダクトを改善し、ユーザーのニーズに合致するよう努めることが重要です。
このように、問題解決から始め、失敗を恐れずに挑戦し、ユーザーとの関係を大切にすることが、スタートアップの成功に不可欠な要素であることが本書から学ぶことができます。
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