ネガティブ人間、バーに通う【エピソード2 憧れの女性】
今更イメチェンなんてできるはずがない。
そう決めつけていた。
「京香さん」に会うまでは。
どうも。私は、アラサー既婚OL、精神系の病気持ち、趣味は転職活動とチャット、特技は特になしのネガティブ人間だ。
エピソード1で紹介した「京香さん」との食事について続きを書きたいと思う。
食事当日ー
私はとても緊張していた。京香さんのようなキラキラ女性が私を食事に誘ってくれるなんて!
当時の私はおしゃれもメイクも関心のないタイプだった。
洋服は、とにかく着れればいい、メイクは適当を極めていた。
そんな女子がキラキラ女性に誘われるとは思わなかった。
でも京香さんは、そんな地味女子の私に気さくに話しかけてくれた。
「化粧品はどこのブランドを使っているの?」
ーいやいや、化粧品のブランドなんてこだわってませんよ、プチプラです。
「この料理おいしいわね」
ー料理は緊張して味が分かりません。
なんて恥ずかしくて言えずに、記憶にないくらい緊張しながら食事をしたことは覚えている。
私は
「ああ・・・こういう人でもフランクに話しかけてくれるんだ。こういう人になりたいな。」
と思ったものだった。
それから私は「なりたい自分」探しをした。
それまで興味のなかった、美容やおしゃれに力を入れ始めたのだ。
いわゆる「自分磨き」だった。
自分磨きは「イメージチェンジ」、「イメチェン」にもなった。
まずは長い髪をバッサリ切った。かっこいいショートカットにしたのだ。
メイクはYouTubeで勉強。
イヤリングなどのアクセサリーにも挑戦。
それまで地味な洋服も、レースが入ったおしゃれな洋服を買った。
自分磨きをしたら、見える世界が変わった。
それまでおびえていた街中を堂々と歩けた。
その当時のマイブーム曲は椎名林檎の「長く短い祭り」。
これを聞きながら、夜の街中を歩くと、「私はいい女だ」と思えた。
仕事も頑張れる気がした。
そして、憧れの京香さんに少しでも近づけた気がした。
今でも初めて見た京香さんの素敵な姿を忘れられない。
皆さんはカクテルに花言葉の様に、「カクテル言葉」があるのをご存知だろうか。
その名の通り、カクテルの名に込められたメッセージ等だ。
今回のエピソードをカクテルに例えると、
「ピンクレディ」
ピンクレディは1912年にロンドンで大ヒットした舞台「ピンク・レディ」を記念して作られたカクテルだ。
美しいピンク色のカクテルで、カクテル言葉は
「いつまでも美しく」。
この言葉が似合うのはこの世に京香さんしかいない、と私は思う。