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「上司vs部下あるある」の処方箋#01

上司の頭が柔らか過ぎ?部下の頭が固過ぎ?

二人のこんなやりとりがあったら、どちらによりシンパシーを感じますか?

上司「なあ、今朝見せてくれた見積だけどさ、納期を遅らせればコストも下げられる、っていう見積も作ってくれよ。」
部下「え?今からですか?デザイン部の裏取りの時間がありませんよ。」
上司「メールでも、携帯でも追いかけて確認できるだろう?最悪確認できなくてもいいからさ。」
部下「そんな…そんな見積出せませんよ。さっきは、これでいいって言ってたじゃないですか。」
上司「あれはあれでいいんだ。交渉の選択肢として持っておきたいんだ。」
部下「でも…。 (マジか…この人、いっつもこれだ。だから朝一番で見せたのに)」
上司「頼む。オレ、この後出なきゃいけないから、出来たらメールで送っといて。(そんな手間でもないはずなのに、何ですんなり行かないかな…)」

どっちが悪い?何が悪い?

キャリパープロファイル21の指標

この二人のパーソナリティで、違いが顕著なのは「徹底性」と「柔軟性」。ビジネスにおいてはどちらも必要不可欠な大事な要素ですが、度が過ぎたり、組み合わせが悪かったりすると、このような小さな摩擦を生んでしまいます。

今回の例で言えば、上司の方は柔軟性が高く、見積交渉の行方を予めシミュレーションしておいて万全を期することができるようなセンスを持っているようです。しかし、せっかくのそのセンスが、身内のことになると、とんと働かない人は意外に多いもの。部下にもムッとされています。

一方、部下の方は徹底性や慎重性が高い人物であることが予想されます。それゆえに「朝令暮改」型の上司にストレスを感じていますが、この上司なら、後から違うことを言って来るかもしれない、と予測しておくこともできなくはなさそうです。

長所・短所は人が決めるのではなく、仕事が決める

誰かにとっては短所と思えることでも、ある仕事にとっては必要不可欠な能力であったりすることもあります。この話の続きはどうなったでしょう?デザイン部の裏取りをせずに持って行った見積が、首尾よくクライアントの意向に合い、無事受注…で終われば、上司の柔軟性は「長所」と評されますが、部下が心配していた通り、デザイン部ともめてしまえば、それは「短所」だと評されるでしょう。

大事なことは「相手の短所が受け入れられないと感じるのはなぜか」と冷静に考えること、そして率直にそのことについて相手と話し合うことです。組織の中で、そんな会話ができるなら苦労はない、と感じるかもしれませんが、もしキャリパープロファイルの結果が共有できていれば、お互いのパーソナリティを可視化できるので、それで会話のきっかけを作ることができます。

もって生まれたパーソナリティをそう簡単に変えることはできませんが、お互いが「気付き」を得て、日々それを気にかけながらコミュニケーションをするだけでも、ストレスは劇的に改善されます。私たちキャリパーは無理に「変える」よりも、まず「理解する」ことから始めるようにお薦めしています。