光村 6年国語「メディアと人間社会」「大切な人と深くつながるために」
新しく収録された2つの説明文。
1つは、池上彰さんが書かれた「メディアと人間社会」。
もう1つは、鴻上尚史さんが書かれた「大切な人と深くつながるために」。
説明的文章の読み方は、はじめ・なか・おわりの3つに分け、頭括型・尾括型・総括型のどれに当てはまるか見抜くところから始めます。
「メディアと人間社会」では、尾括型といえるでしょう。
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どんなメディアが登場しても重要なのは、私たち人間がどんな欲求をもっているか、そして、その結果メディアにどんなことを求めているのかを意識し、メディアと付き合っていくことなのではないでしょうか。
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池上さんの主張は、上の文に集約されています。
◯自分がどんな欲求をもっているかはっきりさせる。
◯メディアにどのようなことを求めているのかをはっきりさせる。
◯メディアの発信する情報と上手に付き合っていく。
「大切な人と深くつながるために」は、頭括型といえるかもしれません。
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第2段落に
…(中略)でも、「コミュニケーションが得意」とは、相手ともめてしまったとき、それでも、なんとかやっていける能力があるということです。
とあります。
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そのために、大切な人とのコミュニケーションをする機会を増やしていこうというのが主張です。
確かに、人と会話する時間を増やしていき、「コミュニケーションの練習をしている」と思うことが上達していくので、主張だと思いますが、
「コミュニケーションが得意」の定義を上記のようにしているのが珍しく、筆者らしさが出ています。
整理すると、
◯「コミュニケーションが得意」とは、相手ともめてしまったとき、それでも、なんとかやっていける能力があるということ。
◯人と会話する時間を増やしていき、「コミュニケーションの練習をしている」と思い、上達させていくこと。
◯大切な人と深くつながっていってほしい。
が鴻上尚史さんの主張だと捉えます。
複数の文章を読んで1つの結論を出すことは、思考ツールの積集合のような感覚。
おそらく、積集合のような考えの抽出はできると考えます。
学習の手引きには、「自分の経験や知識と重ね合わせながら自分のが考えをもつ」とあるので、自分の経験や知識が出せるかが問われます。多くの子はそのまま授業すれば出ないのではないでしょうか。
●メディアと上手に付き合って、人とは深くつながるためにコミュニケーションをたくさん取る
こんな抽象的な考えで終わってしまう子はたくさんいると予想できます。
たとえば、「どんな情報媒体にしてもNHKや全国紙新聞の情報を信じるだけにするのはずるいか」と切り込んでみたら、「ずるい」「ずるくない」と反応が出るのではないでしょうか。
たとえば、「人と深くつながるために、SNSの利用は会話を増やすことになるか」と切り込んでみるのは難しいでしょうか。SNS自体は、6年生になれば半数の子が利用している現状があります。ディベートの話題にはなり得るかなと考えます。
個人で考えを導き出すのは難しいかもしれません。ディベートのように事前に仲間と準備し、磨き合う機会の確保が重要な気がしました。
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