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共同の創造 Oneness

アナスタシアは私の視線を感じ、私の方を向いた。彼女の頬には少し小麦粉がついており、若干汗ばんだ額には、スカーフからはみ出た髪の房が張り付いていた。アナスタシアは微笑んだ。そして、その声・・・・・・彼女の声は、まさに私を魅了するものだった・・・・・・
「美しい、優しい一日のはじまりをお祝いするわ、ウラジーミル。朝食の用意はほとんど済ませたの。あとほんの少しだから、あなたが顔を洗ってくる間に全部用意できる。顔を洗ってきて。何も壊したりしないから心配しないで、使い方はもうわかったから・・・・・・」
私はすぐにバスルームに行かずにいた。その場で、とりこになったようにアナスタシアをみつめていた。彼女と知り合ってからの五年間ではじめて、本気でこの女性が人並み外れて美しいことを知った。この美しさは、言葉では表すことができない。たとえ頬が小麦粉で汚れていようと、髪を整えておらず単にひとつに束ねただけであろうと、着ているものが質素で流行らないものであろうと、彼女はいずれにしてもとびきり美しいのだ。

アナスタシア ロシアの響きわたる杉シリーズ5「私はたちは何者なのか」ウラジーミル・メグレ


ふたりと言えば?を体現するひとつ。一番自分らしく、本来の姿でいられるステージといったら、ふたりの最高傑作であるOneness。型にハマることなく、一緒に探求してきたプロセス、たどり着いた頂であり、常に進化を遂げる喜びといったら!


彼の変容

普段語られることのない性の話題。ついに、彼が語りだした。性愛学という学問があり、表には出していないが研究している探求者がいた。全く関係のないまじめなトピックスから、性愛学に興味があるか?と繋がったのだ。意表をつかれた彼だが、「実は」といとも簡単に自分の壁を突破し、どんなに喜ばしいことか、つらつらと自身の体験談を話しだした。

Oneness体験談

自分たちがOnenessと呼ぶ、その性のエネルギー交換のような体験は、自分と相手がどっちがどっちかわからなくなる、まさに一体化。マンネリ化という言葉が全く似合わない。毎回が最高傑作だと自信を誇る程、常に進化を遂げるから驚きだ。一日中部屋にこもって、寝食を忘れて熱中したこともある。だが、消耗はせず、逆にエネルギーが満ち溢れてくる。内側から湧き上がる興奮と感動。テクニック論でも、相手を喜ばせようなんてこともなく、ただひたすら自分が、探求することが楽しくて仕方ない。目の奥に、澄みきった純粋性の高い水晶が、喜びに光り輝く。
私は忘れられない。何年も前、彼の野性が開花し、ライオンが吠えた瞬間を。動物的な野生、男性性が爆発するオラオラ感、それでいてうっとりと女性性が身を委ねるしなやかな美。ひとりの人間が、少年にも、少女にも、男にも、女にもなる。もはやどっちがどっちかわからないし、それは問題ではない。
ただひたすら、何の目的もなく、彼が私の全身を撫でる。言葉ではない、何かがそこにあるコミュニケーション。大事なパワーストーンでも磨くかのように。撫でながら、癒され、パワーがみなぎってくる。ふたりでエネルギーを創造しているのだ。

共同の創造

冒頭で挙げたアナスタシアのお気に入りのシーン。ロシアの響きわたる杉シリーズアナスタシアの中で、性について”共同の創造”という表現がなされている。「真の人間は、共同の創造において人間にしかないエネルギーと気持ち、すなわち、愛、未来を見る能力、創造する意識が加わった時にしか生まれ得ない」「男性と女性が、共同の創造が起きる状態に到達したとき、二人の結びつきも天に定められたものになる。」まさに、ともに創り出すすばらしきものであり探求。いや、それ以上に何か新しいものを生み出そうとしているのかもしれない。
こうして私はより、彼と共同の創造をしたいと強く思い至った。新しいふたり、新しい関係性、文化、空間へ。どんな境地に行き着くのかわからない。いずれ、1ヘクタールの自分たちの土地を、自然の恵みが生い茂る美しい園へと創り出すことだろう。その時を、私たちは予祝する。

二つの肉体が物理的に融合することではなく、それよりも計り知れないほど大きなこと、それは二つの意識が一つに融合することなのです。より正確に言うと、二つの、あらゆる気持ちの複合体が融合することです。このときに得られる満足感と体験できる至福は、単なる性的な満足感とは比べようもないほど大きく超越したものなのです。その持続時間は、普通のセックスのようにつかの間ではありません。この不思議な快感が何ヶ月、さらに何年でも持続するのです。それが強固な愛すべき家族を形成します。まさにこのことをアナスタシアは話しているのです。

アナスタシア6「一族の書」ウラジーミル・メグレ

ある日のOneness。パリは朝の11時、街はすっかり目を覚まし日常が流れる。10階建てのアパートメントに自分たちがいて、部屋の窓が開いている。心地のよい風とやわらかな光が入ってくる。祝福の光がふたりを包み込む。もはや自分を感じることはなく、体重は軽く、ふわふわと浮いているかのよう。意識の中で、私たちはどこへでも行ける。

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