もっとも畏怖の念を起こさせるワイン 〜 Bryant Estate (ブライアント エステート) 〜
世界レベルの品質のワインであり、確かにボルドーのどの一級シャトーとも同じくらい完全で、複雑になる可能性を秘めている。
[引用: ロバート・パーカーが選ぶ 世界の極上ワイン (ロバート・M・パーカーJr.著)]
1980年代に、弁護士のDonald Bryant ドナルド ブライアントと妻Barbaraは、ヘネシー湖を見下ろす標高の高いPritchard Hill プリチャード ヒルの斜面を購入しました。
100% カベルネ ソーヴィニヨンで、生産量を極端に減らした栽培。畑は、途中空白期間がありながらも長年にわたり、かの有名なDavid Abreu デヴィッド エイブリューが管理してきました。
ワインメーカーにはパーカーがワインの女神と呼んだHelene Turley ヘレン ターリーを迎え、 1992年をファーストヴィンテージとしました。
そして、翌年には97点、1994年98点、1995年および1996点は99点、そして1997年ヴィンテージで100点を獲得します。
1997年ヴィンテージに対して、ロバート パーカーは、次のようなコメントを残しています。
これまでに私がテイスティングした中でも、最も畏怖の念を起こさせる若い赤ワインのひとつである。….. 将来においてブライアントのプリチャード・ヒルのカベルネ・ソーヴィニョンが、カベルネ・ソーヴィニョンの偉大さを再定義するワインのひとつになる可能性が十分にあると言っても過言ではない。
[引用: ロバート・パーカーが選ぶ 世界の極上ワイン (ロバート・M・パーカーJr.著)]
ニューヨークで開かれた乳癌研究のための慈善オークションでは、ブライアントの通信販売リストに名前を載せる権利が、12,000ドルで落札されたそうです (エリン・マッコイ ワインの帝王 ロバート・パーカーより)。
このブライアント ファミリー、ラベルがとにかくいい。穏やかな色合いに、細字のきれいイタリックの文字でシンプルです。
しかし残念なことに、2002年にヘレン ターリーを解雇し裁判にまで発展しました。
ヘレン ターリーに代わり、Philippe Melka フィリップ メルカを迎えましたが、一筋縄ではいかなかったようです。
2007年、フィリップ メルカに代わり、ColginのワインメーカーだったMark Aubert マーク オーベールを据えました。その後も数々の変化があったようです。
また、Michel Rolland ミシェル ロランも途中から現在に至るまで、チームに加わっています。
また、2007年にDonaldはBarbaraと離婚し、2009年にBettinaと結婚しました。
このように紆余曲折ありましたが、2016年ヴィンテージで、見事100点取得に返り咲きます。しかも、25周年記念で美しいブラックの特別なラベルとなっています。
実はプリチャード ヒルは、政府認証のブドウ栽培地域 (AVA) ではありません。
ヘネシー湖を見下ろす標高の高い場所は、眺めも大変良く気持ちがいいので、早く海外旅行が容易にできるようになることを祈るばかりです。
HPはこちらです。
(Photo by Eva Fan on Unsplash)