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我が家のレシピ(?):自家製オリーブオイルで作る自家製石鹸

南伊・カラブリア州の義理の家族は、州の北の方に広大な土地を持っていてオリーブの畑も所有しています。(南伊あるあるです)

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手前はフィーキ ディ インディアと呼ばれる、実を食べる葉サボテン。えぇ。南伊ではサボテンの実を食べるんですよ…(好きな人は好きと言った味です。正直微妙。)

そして、奥にずらーっと並ぶオリーブが見えるかな? カラブリア州の土着品種と言われる、カロレア種を主に育てています。

農家さんに管理をお願いしていて、秋になると大量すぎる量のオリーブオイルが届くので、寄付したり差し上げたりもしますが…どうしても余る。
という訳で、石鹸に加工してしまいます。

オリーブオイルから作る石鹸は、布巾やタオルなど綿・麻織物の洗濯やキッチンのシンクなどステンレス部分のお掃除にぴったり。
布の類は本当に綺麗になります。マイクロファイバー製の布の汚れ落としとか最高オブ最高。
泡立つ成分が入らないので、最初は「これ…綺麗になっているの?」と心配になるぐらい泡立ちませんが、洗い上りはすっきり!!シンクはピカピカ!!でございます。

ところで…

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加工の際に劇物(苛性ソーダ/Soda caustica)を利用するので作業中は注意が必要です。メガネ、マスク、使い捨て手袋必須。最初はこの段階で「えぇぇぇ。怖ぁ」と思いますが…慣れれば簡単。でも必ず文末の注意も読んでね♡

それでは、我が家のレシピをご紹介します。ところでコレ、レシピのカテゴリーでいいのかな…?
ちなみにオイルを加熱しない A freddo という作り方で、2か月休ませる必要があるものです。

材料
全量=100%
・オリーブオイル 70.72%
・苛性ソーダ(Soda caustica) 9.48%
・水 19.02%
・香油 (お好みで数滴)

必要な道具
ハンドミキサー
耐熱性に優れた容器(水を入れます)
石鹸の元を入れる容器(プラ・シリコンでOK)
木のヘラ(柄がとても長い物推奨)
保護用具(メガネ・マスク・使い捨て手袋)←大切です!

はい、パン屋さんのベーカーズパーセントみたいな数字でレシピ出してきたよこの人!?なカンジでスイマセンw

油の比重は大体0.9と言われていますが、オリーブオイルも色々で若干の差が出ます。我が家のオイルは大体1000ml(1瓶分)で910gなので、これを元に換算すると、

オリーブオイル 910g前後(約1000ml分)
苛性ソーダ 121.9g前後
水 244.7g前後

となります。レシピのくせに「前後」とあるのはオリーブオイルの重さが一定ではない為。±1gぐらいは誤差の範囲なのであまり神経質にならなくても大丈夫です。

作り方は以下のとおり。

1)計量する!

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苛性ソーダは水に触れると高熱を出しながらガスも発生させするお茶目さんなので、作業する場の水気などをふき取り、心配な場合は作業場所を新聞紙や布で覆ってオイルや苛性ソーダが付着しないようにします。
で、メガネなどを着用したら、早速苛性ソーダなどを計量します。

理科の実験みたいでちょっとドキドキしません? 私はいつもこの作業が一番好き♡

次の作業から、可能であれば野外で、室内の場合は換気扇の真下や換気を十分に行える場所で作業します。あんまり吸いたくないガスが出るからねー!

2)水に苛性ソーダを加える

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逆はダメ、絶対。
水に苛性ソーダを大さじ1杯ずつ入れます。苛性ソーダの反応を楽しめるのもココ。水に触れると即座にぶくぶく反応が始まり一気に80℃ぐらいまで熱を持ち、ガスがぼわーっと出ます!かっこいい!(でもガスは吸わないでね!)

ガスを吸わないように注意しながら、大匙1杯の苛性ソーダを入れたら木のヘラでかき回す。ガスが落ち着いたらまた大匙1杯の苛性ソーダを入れる…を繰り返します。苛性ソーダ液が透明になって、ぶくぶくが落ち着いたら苛性ソーダ液の完成です。

3)オリーブオイルに苛性ソーダ液を加える

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苛性ソーダ液を混ぜていた木ヘラを、今度はオリーブオイルの容器に入れておきます。で、ここに出来上がった苛性ソーダ液をざーっとオイルに加えたら、木べらを使って軽く混ぜます。

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ガスが出ることはもう無いけれど、液体はまだまだアルカリ性が強いので、触らないように注意して作業します。
液が跳ねたりすることもあるので、手袋・目の保護もまだしておいた方が安心。

4)気合を入れてガーする!

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ここからは室内で作業OK。
ハンドミキサーを使い、攪拌します。これが…結構時間かかる。

最初はいかにも「オリーブオイルです」なカンジの色合いですが、頑張ると全体的に白っぽいポマード状になってきます。もったりとしたポマード状になるまで頑張って攪拌、攪拌!!

香油などを加える場合は、この作業の最後に加えます。

5)容器に移し替える。

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もったり・トロリとした状況になったら、これが「石鹸の元」。
好みの型(容器)に移します。

シリコン容器の場合はそのまま、プラ容器を使う場合は、容器にオーブンシートを敷いておくと取り出すとき便利。表面も綺麗に仕上げたいときは、ラップなどをしておくと、つるんと美しい出来栄えになります。
このまま、24時間ほど休ませます。

6)切る物は切る!(型出し)

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1日休ませると、見た目はほぼ巨大な石鹸w
これを、適当な形に切り分けます。

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我が家では、切り難いので不ぞろいな所は最初に削ってしまい、削りかすは液体せっけんにしています。ペットが汚しまくるマットなどは液体せっけんで洗うとニオイまで綺麗に取れている気がするんですが…自家製石鹸プラシーボ効果だったらヤだなw そのぐらい綺麗になりますよって事で。

まぁ、面倒臭ければそのまま作業しても良いですよね。

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我が家で使いやすい大きさはこんなカンジ。

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シリコン型で作ると、こんなカンジに出来上がります。
石鹸型も色々あるし、ケーキ型でも代用できます。来客用の洗面所などはこーいった石鹸があると可愛いですよね♡

7)休ませる!

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最後に大切な「休ませる」作業があります。
納戸など、直射日光の当たらない涼しい場所に2か月置いて休ませたら完成です!(休ませている間に石鹸の色が若干変わりますが…異常ではないのでご安心を。)

この自家製石鹸、泡立つ要素が全く入っていないので、びっくりするぐらい泡立ちません。でもちゃんと汚れ、特に油汚れを落とすし、手洗いなどにも使えます。
お好みの香りやドライフラワー・ポプリを入れても可愛い石鹸になりますよ。

ガスと高温など、苛性ソーダの取り扱いにはくれぐれも注意して、自家製石鹸作りを楽しんでください。

※写真やレシピの2次使用・加工等はご遠慮ください。ご利用の際は事前にお問い合わせを。
※イタリア語でA freddoというテクニックです。「Sapone fatto in casa a freddo」で検索すると、色々なレシピが出て来るのでご参考にどうぞ~

苛性ソーダの使用上の注意

強アルカリで取り扱いに注意が必要な苛性ソーダ。いわゆる水酸化ナトリウムです。イタリアでは日曜大工用品を扱うお店で簡単に手に入るのですが…日本では劇物扱い。薬局で身分証などと共に購入できる様ですが、事前に購入方法についてご確認を。

使用に際しては、メガネ、マスク、使い捨て手袋を着用します。
苛性ソーダは強アルカリ性なので、皮膚に触れると気が付かないうちに皮膚が溶けます。コワイ。酸より怖い。ぬるぬるするなーっていうあれ、皮膚が溶けてますから注意してね。

目に入ったら最悪失明します。だからメガネやゴーグルなどで目の保護もお忘れなく。

もし皮膚に触れてしまったら、大量の水を使ってこすらず洗い流します。目に入ってしまったり、少しでも違和感があったら医師に相談してください。

苛性ソーダが水に触れると、爆発的に発熱し、ガスが出ます。
グツグツし出してばーんと温度が上がり、しゅわーっとガスが出ます。
あれはあれで素晴らしい化学反応でして。脇で見ていて感動しますが… ご家庭で作業する場合は、換気扇MAXで付けてその下で作業するぐらい換気をしっかり、ガスを吸わない様に注意してください。(そのためのマスクです)

ガスがずーっと出ているわけではないので、そーんなに怖がることは無いのですが…動画などでお勉強してからでも良いかも、ですね。
住環境が許せば、マスクをしてベランダやお庭で作業もお勧めです。

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Eri.S
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