【あと2日】レバの件とBL小説的表現について考えすぎたので気にしないでください
先日、この記事で、日本語における「と」「なら」「れば」の使い分けについて書いた。
現代日本人はとかく曖昧になりがちとみられる「と」「なら」「れば」。
今日、ふと、「れば」について思い出したことがある。
以下、BL小説の、しかも濡れ場の話をするので、良い子のみんなは読まずにGO TO BEDだぞ☆
私、古の腐女子ゆえ、平成一桁くらいまでの商業BLはけっこう読んでいた。平成二桁くらいから、そう、世紀跨ぎのあたりから、就職したり結婚したり出産したり、自分だけの体ではなくなったので、まったりBL小説の世界に浸ることなくしばらく過ごしていた。
ここ数年で、少し自分に余裕が出てきたので、久しぶりに商業BLに手を出したところ、なんだか違和感があって。
なんだろう。何か、見慣れないものというか、「そういう使い方するんだっけ?」っていう日本語が見えた気がして。
それが、「れば」である。
具体的に書くと、たとえばこういう「れば」。
……んん?
「れば」ってそこに使っちゃう??
気になると追究したくなるのがサガの私、ほかのBL小説もあたってみた。商業ももちろん、投稿サイトもあたりましたとも。
そしたら、やっぱりある。「(受キャラの性感帯を弄)れば、(攻キャラが喜ぶような、なんかエロい感じの結果が得られた)」表現。全てのBL小説を網羅してはいないので、一概にそうとは言い切れないんだけど、特に投稿サイトだと商業作品をお手本にしているからなのか、けっこうな打率で「れば」がヒットした。
ううう……なんだこの違和感。えっおかしくない? なんか違うと思ってるの、私だけなの? 私が違うの??
気になり始めると止まらない。私は何年も、休み休みだけど、常にうっすら考えていた。そのうち、
風が吹けば桶屋が儲かる
に似てない? と気がつくに至る。
その構文で濡れ場が書かれてるように見えるから、私には「なんかおかしい気がする」ように読めたのかもしれない。
「風が吹けば」は、言ってみれば「バタフライエフェクト」である。一見関係ないようなできごとが、いろいろまわりまわって意外な結果を生む、みたいな意味のことわざ、と解釈している。
そして、この構文が濡れ場に適用されると、「嬌声が上がるのは意外な結果だった」っていう意味に解釈できてしまわないか。
以上の解釈でいうと、
なんでかしらんことないやん。こうするとこうなるやろってわかっとってやっとるやん。そういう文脈に「れば」使わんやん。
てことになる。私の中の違和感はそこだったようだ。
考えすぎだよ。自分でもそう思う。でもどうしても気になるんだ。BLは濡れ場が大事な要素の一つだけど、そこで「んん?」ってなったらもう気になって気になって、楽しみが別方向に飛んでっちゃうんだよ、私は。もっとストレートに、シンプルに、受と攻を幸せにしてあげてください。
ちなみに、先日の記事でつきとめた「れば」の用法については、下記のとおり解説されているものを見つけた。
英語で言うIf的用法とか、それこそ桶屋が儲かるようなことわざ用法があるわけです。乳首を弄って嬌声が上がるのは、たぶん、「と」を使うのが本来の用法なんだろうと。
まあでもなんか、「なんかおかしくないか」要因って実はほかにもあって、攻が優位な感じに見えることかもしれないなって思う。受が常に下位っぽいんだよね。こういうことをやってあげればそういう状態になります、みたいな。ペットのお世話のような印象も受けていて。
「れば」を使っているだけなんだけど、私にはどうしても、そんな上下関係が感じられてしまう。決してそういう意図はないんだろうけど……
人間どうしが愛し合うのに対等じゃないのはやだよ。
私がオメガバース苦手なのはそういう考え方も大いにあるんだろうな。
そしてそれぐらい、現代のBLは多様化してるんだな、と思う。いろんな考えの、いろんな人が好きになれるBLが、必ずあるってことだもんね。
わかっています。
考えすぎです。
言葉は生き物なので、時間を経て使い方も変わっていきます。それはわかってる。レバもその1つなのかもしれません。
でも気になったので一回言語化してスッキリしたかった。
解決してないけどやっぱりモヤるなあ、という気づきが得られた分、スッキリしました。
寝る前にストレッチ。
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