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小説と詩、漫画、感想文 西洋占星術と魔法と寿司が好き

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日記

アバター2観てからわりと脳内はアバター2への問いかけで終始してます。 続編を待つしか無いこの身が憎い。 続編や続々編で大きな話の転換があるにしても、この3時間20分の、ひとつの映画として、あの答えで提出してくるって、ねぇアンタ。キャメロン。 キャメロン…。 以下つらつら思考のこぼれ落ち。 ひとが家族を持つこと。 家族を守ること。 家族を守るために出来ること、すること。 何のために家族守るのか。 愛しているから、大切だから。 愛していたら、何をしてもいいのだろうか。綺麗

    • アバター2

      新年一発目の映画。 人間は愚かじゃの〜〜!ってパワーちゃんの声で再生される映画でした。観ている間脳内Twitterでずっと不満をつぶやいていた。 おいおいキャメロン、どうして?どうしてこうしたの?ってキャメロン監督の肩揺すってた。 前作は壮大なテーマがあったけれどなかなかにローカルなテーマの今作 そのローカルの尊さをどう描くのかと思えばかなり、かなり中途半端にいろんなこと描いてる 胸にしまって眠ろうと思ったけど眠れないのでnoteに放ちます。 家父長制押し出すならせめて

      • 鬱の時に鬱映画よく観てた

        『リリィ・シュシュのすべて』を観たいなとずっと思っているんだけれど、どうにも勇気が出ず観れないままでいる。打ちのめされたくない。悲しくなりたくない。奪われていく様、取り返しのつかないものを見たくない。そんな思いに勝てないでいる。 鬱病だった時期にこの映画のことを知っていたら、観ただろうなと夢想する。鬱病だった時期はセンシティブな、鬱映画と呼ばれる映画を観たくなってわざわざ観ていた。悲しくなりたかったんだと思う。慣れ知った感情は落ち着く。別に、追い込まれて一層死にたくなりもしな

        • イドインヴェイデッドが終わってしまった。 鳴瓢死ななかったことほんとありがとうなんだけど富久田……。 あー、富久田……。 富久田が一番好きでした。最初はほんと変態的だったけど回を追うごとにまともっていうかロマンチズムのある優しい人になってつれー。酒井戸との砂漠のイド面白かったなー

        • アバター2

        • 鬱の時に鬱映画よく観てた

        • イドインヴェイデッドが終わってしまった。 鳴瓢死ななかったことほんとありがとうなんだけど富久田……。 あー、富久田……。 富久田が一番好きでした。最初はほんと変態的だったけど回を追うごとにまともっていうかロマンチズムのある優しい人になってつれー。酒井戸との砂漠のイド面白かったなー

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        • 小説
          7本
        • 感想文
          5本

        記事

          連作短編 メタフィジカ・ワンダー

          『マグマのマ・魔導の魔』  その灰色の石を覗くと、中で炎が煌めいているのが見えた。炎と言うよりマグマにも似る。薄明るく煌めいて眠るように闇になり、また目覚めるように閃き出す。   私がその炎が閉じ込められた石を買ったのは、ある天気のいい昼下がりのことだった。  表は気持ちのいい陽気だというのに、その店は黴臭く湿っていた。照明が点いていても薄暗い。陰気な店には陰気な物しか無いものだが、その店は陰気ながらに妙な魅力が発散していた。  端的に言うと、魔法・魔術の臭いが濃厚に発せ

          連作短編 メタフィジカ・ワンダー

          イド12話の感想っていうか嗚咽

          ネタバレ。 毎週、イドインヴェイデッドを楽しみに一週間過ごしてました。 えっ 鳴瓢死ぬの……? お腹撃たれてイドの中って…… あれだけ現世が地獄の鳴瓢だもの、そりゃあ……あの展開の後で生き残っても、というのもあるけど…。 百貴室長が抵抗するならかえるちゃん殺すのもやむかたなしと銃持ってったけども。 鳴瓢は、ずっとかえるちゃんを助けたかったんだよね。ずっとね。 それって……。 ああ。 来週の私に、やっぱ死ななかったー!って言わせてくれ。 いやもう死なせてやりたい感じも

          イド12話の感想っていうか嗚咽

          ファンタジー考つらつら

           ねほりんぱほりんの震災で家族が行方不明の人回を観た。  思い出したのは『この世界の片隅に』だった。戦死したお兄ちゃんが姿を変え生きているかもというファンタジー。あの時の不思議な体験は夢じゃなかったかもというファンタジー。あの箇所。  ファンタジーがこの世界に必要な理由が表されているようで大好きな映画です。  単に現実逃避じゃない、目の前の現実から目を背ける為の装置じゃなく、もっと言うと心慰める為の方便でも激励でもなく『見方を変えよう』『捉え方を変えてみよう』という提案で、ユ

          ファンタジー考つらつら

          パディントン2感想

          パディントン2を観ました。(ネタバレあります) やっぱり面白かったー! 噂には聞いていたけど1以上! 子供から大人まで楽しめる仕上がりですごく綺麗にまとまっていて完璧でした、美しい! 善人であれ。というメッセージがなんの嫌味もなく。 でもでもイングリッシュジョーク的な嫌味はそこかしこに。そこの塩梅がよいのでしょうね〜〜 イギリスは『大人』の国ですね。日本はどうしても無知なロリ的なものが賛美されますが。 人に親切であれというのは英国人にとっての理想・ポリシーなんだろうな……

          パディントン2感想

          occult

          よく知らない顔がタイプの男から指輪を貰ったらえらいことになった指輪物語(1)  客も疎らなカフェのソファー席で、いかにも指輪の入っていそうな小箱を開けると、やはり指輪が入っていた。  おそらくダイヤと薄いブルーの石がシルバーのリングに品よく並んでいて、素直に良いデザインだなと思った。 「これは一体?」  私は、その小箱を突き出してきた対面の男を見上げる。  忌川碧は真剣なようにも興味の無さそうにも見える、何を考えているのかいまいち解らない三白眼で私を見ている。  この男から

          起きている螺旋、或いは眠る螺旋

          起きている螺旋、或いは眠る螺旋  宇宙の中に、渦巻く螺旋があるでしょう。そこの真ん中からももちろん、生まれおちるものはあるのだけれど、寧ろポイントは螺旋が螺旋なるときに起こる摩擦で、そのエネルギーから生命は発生する。回転が始まり、その回転は周囲に介在するものを手当たり次第に巻き込んで大きくなり、徐々に力を増していく。そうして廻っている間に、ぶつかり合ってこすれて、ぽろぽろと生命を発生させる。っていうと、まるで垢みたいだけど。  移動中の螺旋は私の頭上にあった。窓から夜空を

          起きている螺旋、或いは眠る螺旋

          追いつかない女

           英美里は足が速い。  特に陸上競技をやっていたわけでもない。そういった選手と較べれば当然負けるのだが、その無気力な見た目よりもずっと速い。とても追いつけない。気づけば距離を離されている。  シーツの中に身体が沈んでは浮き上がる。息をついては吸う。終わりが近いようで遠い。このままでいたいような、早く解放されたいような。もういい、と思いながらももう、ずっとこの緩やかな退屈さの中にいたい、ような。今私を抱いているのは、私を愛している男だし。ずっといい。ずっとマシ。優しい。快楽

          追いつかない女

          驚異と怪異展観てきたのでゲームの話

          驚異と怪異、観てきました。FFで一番テンション上がっちゃうんだよねどうしてもね……。私の中でFFはVIIIで止まってます。リヴァイアサン好きだった…召喚獣みんな好きだった。そうそうガーディアンフォースガーディアンフォース(調べた)。胸熱。 FFはろくろくクリアしてないですがⅥの世界観が一番好きです。キャラクターもね〜ティナもセリスも可愛いんだよね〜〜かなり刷り込まれたね〜〜。セッツァーとロックとエドガーも大好きだね〜〜。 そういえばRPGはストーリーばっかり気になっち

          驚異と怪異展観てきたのでゲームの話

          連作短編 メタフィジカ・ワンダー

           『マグマのマ・魔導の魔』  その灰色の石を覗くと、中で炎が煌めいているのが見えた。炎と言うよりマグマにも似る。薄明るく煌めいて眠るように闇になり、また目覚めるように閃き出す。   私がその炎が閉じ込められた石を買ったのは、ある天気のいい昼下がりのことだった。  表は気持ちのいい陽気だというのに、その店は黴臭く湿っていた。照明が点いていても薄暗い。陰気な店には陰気な物しか無いものだが、その店は陰気ながらに妙な魅力が発散していた。魔法・魔術の臭いが濃厚に発せられていた。なんと

          連作短編 メタフィジカ・ワンダー

          ある日記 1

           いつものことながら空は紫色だった。そしてどこか甘い匂いがする。空から匂いを感じるなんておかしいと我ながら思うけれど、空からは匂いがする。土の匂いがするように、空の匂いがする。胡椒のようにスパイシーに香る日もあればナッツのように香ばしい日もある。そう言うとコーヒーにうるさい人みたいだねと笑われたが、今日はザラメのような甘い匂いだ。綿菓子でも作れそうだ。  子供のころからこうだった訳じゃない。ある日凄く変な夢を見てからこうなった。もしかして未だ夢から醒めていないのではと疑う毎日

          ある日記 1

          今村夏子を読んだ夏

          ネタバレありです 今村夏子作品を三作読んだ。そこまでドラマティックなことが起こらないのがよかった。三作品とも、平坦な日常にささやかな事件に、一般的、と言うには空気感の違う主人公。ちょっと異様な家族や状況に囲まれて平然としている得体の知れない主人公。やりたくないことを避けるためのあさっての努力。心ここに在らず。そんな主人公たち。 私は世間擦れしていけないピュアさを持病のように抱えた人は好きだけれど、狂気の境みたいな話も好きだけれど(小川洋子など) 今村夏子…今村夏子の、話

          今村夏子を読んだ夏

          昼間の(元)吸血鬼

           [前回の続きですがどこから読んでも大体楽しめるものを目指しています]  レースカーテンから零れた朝の光がシーツの上に降り注ぐ。こういうのを綺麗だな、と素直に思えるだけでも、有限の生命に転化出来たことが嬉しい。朝がすっかり楽しくなった。こうやって光に手を透かし、陽の光を纏い身体が温められていくのを感じること、それがこんなにも心まで温められることとは、不老長寿だった頃には知り得なかったこと。私たちは人間の創った物語のように、太陽光に当てられたら瞬時に灰になる、ということはない

          昼間の(元)吸血鬼