MRゲーム開発、夢と現実のギャップに悶絶した一年
はじめに
初めまして。個人でVR/MRゲーム開発しておりますカフェマスと申します。2024年、私はMRゲーム開発に夢を見ていました。いや、正確に言うと、調子に乗ってました。このNoteでは、そんな私がMRゲーム開発で味わった悶絶の一年間を赤裸々に語ります。
イケイケだった2024年初頭
2023年にリリースしたVRゲーム『くれりっくさんはすぐゴブリンにさらわれる』が予想外に売れて、初めてのMRアプリ『Deskucchi』がMetaQuest3の発売と同時にダウンロード数が爆増!これはもう、追い風が吹きまくってると思いました。
2024年には自分のゲームスタジオを立ち上げる!そんな妄想が頭の中を駆け巡っていました。でも、現実はそんなに甘くなかった…。
MRゲーム開発、理想と現実のギャップに打ちのめされる
MRゲーム開発に最初はノリノリでした。MRに大きな可能性を感じており、ブルーオーシャンだと思っていました。スマホで流行ってるカジュアルゲームを「数打ちゃ当たる作戦」でMRに移植すれば、何かはヒットするんじゃないかと思い、次々とプロトタイプを作り始めました。スイカゲーム、ホールIO、ツムツムなどなど意識し…全部で7つも!
でも、すぐに気づいたんです。あれ?なんか違うぞ…と。その理由を挙げるとこんな感じ。
■ 2DスマホゲームをそのままMRにしても全然面白くない!
スイカゲームとかがそうでしたが、ゲーム自体に立体的な面白さがないと逆につまらなくなる。むしろルール的に成り立たなくなるものも多い…。
■ MR化する意味がないゲームが多すぎる。
「現実が見えるから新しい体験!」と思いたいところだけど、プレイしてると「え、これ普通にスマホでいいじゃん?」ってなるのがほとんど。
■ 現実空間がむしろ邪魔になる。
ゲームによっては現実が足を引っ張ることも。例えば、ツムツム系みたいなパズルゲーム。現実の壁や机がいかにゲームの邪魔にならないか、そんな工夫を考えてばかり。
■ 規模を部屋に小さくまとめようとするとゲームの魅力が半減。
ホールIOなんてその典型例。広い空間でこそ面白いのに、MRでやるとスケールを机上などに小さく収めなくちゃいけなくて、結果として面白さが消える。
■ 「サクッと作れる」と思ったら大間違い!
MRにハイパーカジュアルみたいなテンプレートはない。UIから仕組みまで全部作らないとダメ。完成まで半年以上かかると思った方がいい。情熱が必要。
MR開発めちゃくちゃ厳しい!!!!
「MRで数打ちゃ当たる」作戦は完全に間違いだった。プロトタイプは1、2週間で作れても、完成まで開発を続けよう!と思えるものはほとんどなかった。
『オッドルーム』の誕生
そんな中、私は『オッドルーム』というゲームにたどり着きました。話題の「8番出口」とMR技術を融合した、自分の部屋で楽しむ奇妙な間違い探しゲームです。
これこそ、作りたかった現実とバーチャルが完璧に融合したMRゲーム!MRUK(Meta Mixed Reality Utility Kit)を駆使して、技術的にはかなりいいものができたと思います。グラフィックも頑張って、光や影の表現、シェーダーなどかなり凝ってみました。プレイした人から「何が現実で何がバーチャルなのかわからない!」と言われたときは、本当に嬉しかったです!
でも…ゲームとしては、地味だったかもしれません。リアリティはあるけど、面白かったか?と言われると…うーん…。もっとインパクトがあって、笑えるようなゲームにすべきだったかもしれない。『オッドルーム』の反省については、また別のNoteで詳しくまとめているので、よければこちらも読んでみてください。
また、MRゲームはSNSで拡散されにくい(自分の部屋を映す必要があるから)という致命的な弱点があることもわかりました。市場調査もせず、SNS戦略も考えず、技術本位でMRゲームを開発してた私は、本当に愚かでした…。
それでも、MRに可能性を感じている
でも、2024年の試行錯誤は無駄じゃなかったと思っています。技術的な知識はめちゃくちゃ増えたし、MRの可能性はむしろ大きく感じるようになった。SNSで拡散されにくいっていうのは大きな課題だけど、解決策もいくつか見えてきました。MR特有の面白さを最大限に引き出せれば、絶対にヒットするのもが作れる!そう確信しています。
ただ、「MRゲーム数打ちゃ当たる作戦」は完全に間違いだった。自分の情熱の注げるものを、じっくり時間をかけて、ファンを増やしながら、長い目で開発していくしかない。これがMR開発を成功に導く唯一の道だと思っています。
まとめ
2024年は、夢と現実のギャップに打ちのめされた一年だったけど、同時に、本当に大切なことを学んだ一年でもありました。この経験を活かして、2025年はもっと面白いVR/MRコンテンツを作ってみせます!!
もちろん本業のカフェも頑張っていきます!そこで働く店員さんたちと一緒に成長できるようなコンテンツを作りたいし、AIにも興味津々です。
そのために平日は別の仕事でがんばって資金も稼ぐ!2025年は、倒れるまで、自分の信じるVR/MRコンテンツを作り続けていきます!