開業前、やっぱり修行はしたほうがいいの?
「飲食やったこともないサラリーマンが脱サラして上手くいくほど甘い世界じゃねぇんだよ」という言葉を実際には言われたこともないのに、「そうだよな、やっぱ俺(私)なんかが出来るもんじゃないんだ。そう言われるのも(いや、だから別に言われてない)もっともだ」と、ある意味被害妄想にも似た不安にさいなまれるのが脱サラ組の方々かと思われます。
現在、飲食店勤務(脱サラです)の身である私の考えを述べます。
「未経験者がいきなりやっても上手くいかない」という点について、私は半分肯定、半分否定といいますか、ケースバイケースとしか言いようがなく、でも、「あらかじめ経験しておくにこしたことはない」のは確かとだけ言っておきましょう。それより何より、「未経験だから・・・」という理由でやめるような読者はそもそもこのブログを読む意味がないわけで、とにかくここの読者は「それでもやるんだよ!絶対。」という人であることを前提に、ポジティブ路線の意見をこれから述べていきます。
まずよく言われる「誰でも最初は新人だった」という話。この道何十年というベテランも最初は未経験だった。
「でもその人は誰かのもとで修行したんでは?」そうかもしれないし、そうじゃないかもしれないのです。極論になりますが、修行しなかった人はいろいろなヘマをしたり、恐ろしく効率の悪いことをやっていることになるかもしれません。
しかしそれも営業していく中で徐々に改善していき、次第にお店は軌道に乗り、やがては何十年も続いていくお店になるかもしれません。例えば化粧品メーカーに勤務の男性はそこに就職する前に化粧の経験を積んだでしょうか?私の前職学習塾では、私の場合10年以上塾講師として実際に現場で授業をしてきた経験はありましたが、そうではなく全く未経験でありながら私よりもずっと優秀(教室運営という部分で)だった社員を何人も知っています。ですから必要以上に未経験にビビることはないのです。ヘマをしても効率悪くてももち返せばいいのです。
ただし、どうにも致命傷となりやすいヘマや、開業する前から半ば勝敗は決まってくるような重要なポイントはいくつかあります。それこそはここで述べていきます(これまでではメニューを絞る話や大きいハコ及び小さすぎるハコは避けるということなどで、これからする予定の話としては【立地】の話などです)のでぜひ読みつづけてください。
さて、「あらかじめ経験しておくにこしたことはない」と先に述べましたが、これから少し身も蓋もない話をします。
世の中の飲食店の90%以上は10年ももたずに店をたたみます。これはもう事実としてまず受け入れてください。そして便宜上ここでは10年続いたお店を「成功店」、続かなかなったお店を「失敗店」、とバッサリ、ザックリ呼ぶことにします。
そもそもあなたが修行についたお店が成功店であるとは限らないのです。というより確率的には圧倒的に失敗店のほうが多いのです。そこでその失敗店の運営方針等を自身のお店に当てはめたところでやはりそれは失敗への道を突き進んでいることになります。
ではどうすれば良いのか?
まず10年以上続いているお店をモデル店としましょう。さらにそのお店が自身の目指すお店のコンセプトに近いのであれば理想的ではありますが、そのお店が「ワンオペ」のお店であるならば、根本的な話になりますが「一人で成立しているお店」なのでそこはもうスタッフや見習いは雇わないはずです。しかしそこのお店の作り(内装うんぬんというよりも作業動線やテーブル配置や各種設備)そして、店主の動きを観察するのは有益なことです。
そしてここで視点を変えてもう一つ全く違う話をします。
そのモデルケースはなんと、飲食店ですらありません。成功店が少ない以上、参考にすべきは店ではなく、
例えば出そうとしているメニューの主軸がコーヒーであれば、超優良豆の仕入れルートを見本市などに参加して確かめることや、接客に関しては(そういう形式を取り入れるかどうかは別にして)、やはり頂点と呼ばれる世界(ホテルマン、キャビンアテンダント等)の所作を参考にすることで損になることはありません。
そしてもうひとつ、プロの清掃業者の技や手際を見る機会を作る。
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