お洒落なカフェが載っている本ばかり読んでウットリしてる人へ
おそらくここの読者の皆さんは既にこの手の、「おしゃれなカフェがたくさん載っている雑誌」というものを持っていたり読んでいたりするかもしれません。私もよく読んだものですし、今でも本屋に行くと必ず手に取って見るようにしています。
今回述べたいことはこの手の、
「お洒落なカフェが載った本や雑誌をたくさん見て感性を磨きましょう」
では「ありません」(笑)。
いや、それはそれで大事なことですが読者のかたならきっともうやっているでしょうし、もしやってなければやりましょう、以上、です。
今回の趣旨のメインはこれまた読者の夢と希望を打ち砕くような話になるかもしれません。以前、世の中のカフェの9割以上は10年以内に店を畳む、という話をしました。きっと読者のみなさんは「それはわかってる。でも自分がやる店は生き残る1割になる」と、それはわかっています。そう思ってないと始まらないことですし。それはいいのですが、先に述べた「お洒落なカフェがたくさん載っている本」にあるお店は生き残る1割には入っているんだろう、と思っていませんか?全然そんなことはありませんからね。
時間と余裕がある人はぜひ何年か前にこの手の雑誌に載っていたお店を実際に今訪ねてみてください。びっくりするくらい多くのお店が既にお店を畳んでいることに驚くことでしょう。これまで私は「内装の重要性」や「原価をたっぷりかける」等のことを述べてはきました。しかし、その前にまず「商売をやって利益を出し長きに渡って営業を継続させる」ということがやはりそのお店の至上命題であるはずなのです。趣味や娯楽ではないのです。
雑誌に載っているおしゃれなカフェの中には完全に趣味や娯楽で儲け度外視のお店も多く、また「有機野菜のみを使用し、添加物ゼロ、水は何処其処の天然水で・・・」というメニューで、「何処其処から持ってきたい流木を使い、この部分は全面大理石で・・・」という内装で、それでいて価格はチェーン店なみにリーズナブルで・・・こういうお店、そりゃ話題にもなるでしょうし評判にもなるでしょうけれど、人件費を削っているのであればガタがきますし、もともとの資産家の御子息がやっているならばここではもう触れません。
自分がそのお店に対しての譲れないこだわり部分があるのはいいのですが、店舗経営の超超基本中の基本の公式を念のため確認します。それはもちろん、「売上-経費=利益」これだけの話です。でもこれを忘れたり、わざわざ複雑にしたりし、あるいはわかってはいるもののついつい経費をかけ過ぎたりして、客観的にはウットリするほど素敵な店となり雑誌にも載ったりしたものの、各種支払いが追いつかず廃業、というケースは実はみなさんが考えているよりも多いのです。
芸術や音楽の世界にしても作家の世界にしてもそうですが、自分が理想とする形と商業ベースの中でのあり方の葛藤等にも似た話になりますが、これらは何もバッサリと割り切る必要もなく、そして案外、理想にかなり近い形のままで商業的にも成功することだって多々あります。ですからお店の理想と現実みたいなことにしてもそのすり合せをなんとか頑張り、いやむしろそのことを楽しんでしまいましょう。
でもその際の指標はあくまでも「売上-経費=利益」から外れていないかに立ち返るようにしましょう。今からひとつのビジネスモデル、いやオンリーワン商品の提供方法を提唱します。
私の知る限りこれをやっているお店はないので、最初にやったら結構話題になると思います。またコーヒーが大好きでかつお金持ちの人であれば個人レベルで本当にやってみればいいと思います。しかしあらかじめ言っておきます。
ここでの私の結論の壮大な前フリ(笑)に過ぎないのでどうか軽く読むに留めてください。それは・・・
「ブレンドする豆の種類と同じ数だけのコーヒーミル(豆を粉砕する道具)を所持し、ひとつの銘柄に対してそれ専用のミルしか使わない。そしてブレンドの配合も注文が入ってから一杯ずつその都度シングルオリジンの豆の量を測ってから、そのシングル専用のミルで挽いて、最後に各種のコーヒー粉を混ぜ、それをペーパーなりサイフォンンなりプレスなりで抽出する」というものです。
一般的なブレンドの方法というものは、シングル各種をそれぞれ焙煎するのはそうなんですが、その後です。個人店レベルだと「大きい缶に入れてシェイクする」、大手の店舗や焙煎会社では「豆をかき混ぜる専用の装置」があったりします。
仮にブレンド比率が、
ブラジル(4):コロンビア(3):グアテマラ(2):モカ(1)
としましょう。
そしてこの配合比率をきっちり量ってから混ぜる。一見良さそうではありますが、これ、細かい話をすれば、いくらしっかり混ぜたところで必ず混ざり具合のの不均衡は生まれます。本当に性格なブレンド方法とは、先に述べた方法、つまり、各種銘柄の一杯あたりの比率を守り、各種銘柄の最適なメッシュ(挽き目)で、粉にしてから最後にそれぞれを混ぜる。
つまり一杯あたり全国平均は10gとされているので、その都度、ブラジル4gコロンビア3gグアテマラ2gモカ1gを量って、ブラジルならブラジル専用のミルで挽き、それぞれの粉になってからいよいよ混ぜる、ということです。ミルの内部にも微量に粉は残ってしまったりするので、その銘柄専用のミルを使用することがブレンドとしての純度を高めます。以上、およそ考えうる最高に純度の高いブレンドコーヒーのつくり方です。
なるほど!とか思った人いますか?
「これこそが究極に正確なブレンド方法なんだからこういう手法で出そう」と思ったかた、さっきも述べましたが、おそらく第一号です(特にミルまで各種銘柄と同じ個数用意するというところまで入れたならば)。
強烈なアピールになるからやってみよう!と思った人いますか?
ちなみに私はやりません(笑)。
正確な根拠を今から述べますが、ここからは本当に暇でどうしようもない人だけ読んでください(読まなくても本当にいいです)。
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