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​キラーメニューの作り方

「話題にされたり、取材に来てもらったりするためには他にはないオリジナリティある商品が必要です!」とかなんとかで済ませてるコンサルやハウツー本は本当に多いです。

「そんなことはわかってるけどどうやってそれを思いついて商品化するかがわかんないから困ってるんだよ」という人に対し、私なりの答えをこれからズバっと述べますね。

まず、近所に実際にありとても繁盛しているパン屋さんの話をします。

そこのパン屋は「コッペパン」に特化しているお店です。

「コッペパン」というと個人的には「給食で出てくるパン」というイメージで、庶民的でおそらく値段は安く、そのためあまりハイクオリティのものは期待もしていません。

おそらく多くの人も同意見だと思います。

そこに敢えて「コッペパン」を使って、そのコッペパンの中に入れる具材をいろいろと選べて(コロッケやハンバーグの他に粒あんマーガリン等の甘味メニューもあります)、注文が入ってからその具材をコッペパンに挟むという形態です。

この「注文が入ってから挟む」というのもポイントで、手間はかかりますが絶対に作り置きのものよりも美味しくなります(とはいえ、作り終えるまでにそんなに時間をとっている場合でもありませんが)。

調理現場も見えるので詳細を言いますと、コッペパンは円形(給食に出たような長い楕円形ではなく丸い形です)で、いわばハンバーガーのバンズのように使用しています。

ここから私の考えですが、ここで挟むパンを普通のパンにするとそれはサンドウィッチと呼ばれて終わり、一般的なバンズであればそれは単にハンバーガーと呼ばれ終わります。

このようなパンにした時点で競争相手競合他社が激増します。

Subwayやマックその他多くのチェーン店と比較しての勝負となってしまい、そこで味、価格等、いわゆるコスパで消費者に考えられてしまうとほぼ勝ち目はありません。

ところがサンドウィッチでもハンバーガーでもなく「コッペパン」とした時点で一気に競争相手が勝手に減ります。

このように商品にはその「組み合わせの妙」だけで突然オリジナリティを持つキラーメニューに化けることがあるのです。

おそらくコッペパンの原価というものはパン全体の中でも安いほうでしょう。

この時点で粗利を確保できるので得ですが、ここで重要なのはその安いパンだから原価が浮いてラッキーと捉えるよりも「コッペパンを他の割高の原価のパン並みに原価をかけて圧倒的なコッペパンにする」というほうがヒットしやすいのです。

もうひとつ全く違う商品の例を出します。

それは「かき氷」です。

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