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大人数のお客様を取りこぼさない
先日の投稿で「カウンターを制するものはカフェを制する」という趣旨のことを書きました。
私がよく言う「絶対失敗するカフェの方法」の代表格の中に「大箱で始めてしまう」がありまして、小さな店舗スペースでどうにかして席数を確保するためにはカウンターの存在は必須であります。
でもこれまた口酸っぱく強調してきていることですが、「狭すぎる箱で始めてしまう」こともまたそれと同等或いはそれ以上に危険であり、そもそもワンオペで運営しようとしている人にとってはやってしまいそうな可能性が高いのはむしろこっちの「狭すぎる箱で始めてしまう」ほうであります。
「カウンターだけの10席に満たないお店で常連さんを相手にきめ細やかなサービスと高品質なメニューを提供する」という志は良いと思うのですが、それは「小料理屋」とか「1年前から予約でいっぱいになる寿司屋」とかならそれは大いに有りです。
それらとカフェは単価が圧倒的に異なります。
そんなわけで「大箱でやる」はおそらく最初から皆さん頭にないでしょうからくれぐれも「狭すぎる店、席数が少なすぎる店にはしない」というのをぜひ頭の中心に置いておいてください。
今日お伝えしたいのは特に「複数人数のお客様を取りこぼすな」という話題です。
2人組のカップルや友人での来店というのはとても多いですが、3組以上のお客様も実は結構いるものです。
小規模個人店カフェの中には「3名様以上の団体様はご遠慮願います」としてあるお店も見受けられますが私からすると信じられません。
皆さん、まず深く分析したりしなくても良いので瞬間的に考えて「6名1組のお客様が一気に来た」のと「1名のお客様が立て続けに計6名来店」した場合、どっちが大変そうでしょうか?間違いなく後者ですよね。
「いや、作業効率とか人数や売上の問題じゃなくて、うちは少人数3名以下のお客様に限定することでお店の(静かな?)雰囲気を保ちたい」という考えの店主もいるかもしれません。
しかし、それで毎日毎日しっかりと集客が出来て売上が立つのであれば良いのですが、おそらくそのようなお店は集客、売上共に厳しいはずです。
少人数がいいとか大人数が悪いとかそういった是非の問題ではなく、カフェという単価が極めて低い業態は「老若男女全方位的」に広くお客様を網羅させることが大事で、そういった「全方位的」の中には「独り客」もいれば「2人客」もいるし、さらに「大人数客」だって存在するわけで、みすみす「複数客を半ば放棄する行為」なんて私からすると愚の骨頂であります。
静かな雰囲気を保つためには騒いだら注意すればいいだけですし、例えば小さなお子様連れのファミリーが「子供は大丈夫でしょうか?」と訊いてきた場合は「もちろん大丈夫ですよ」と私は言い、そこで「子供は騒いだりしても大丈夫でしょうか?」と訊かれた場合は「騒いだら注意いたします」とシンプルに答えています。
それで帰ってしまうファミリーもいますが、騒がない子供だっているわけで、少なくともこちらのスタンスとしては「全方位ウェルカム」でいることです。
さてそれでは「大人数のお客様を受け入れるためには」という話に移ります。
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