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カフェにおけるトイレの存在について
前回、飲食店についてのアンケートで重きを置く第1位が「トイレが綺麗かどうか」というデータがあり、でもそれは「まやかしである」という話をしました。
しかしもちろん「トイレは重要」であることに間違いはありません。
今回はこの「トイレに対する取り組み方(?)」のような話になります。
まずはなんといってもマイナスポイントを徹底的に排除する、つまり不潔要素をなんとしてでも取り除く、これがまず最低ラインでここから全てが始まります。
まずはトイレ及びその周辺はシンプルな構造にしておくことです。
シンプルというのは、例えば便座カバーやトイレットペーパーホルダーのカバー、さらに床部分がカーペットといった「被せモノ」をしている場合、そのカバー布部分をよっぽど頻繁に洗浄しないのであればそれは「付けてはいけない」ものとします。
手軽に拭けるというのがポイントなので床は凹凸の少ない平面であることが掃除のしやすさに繋がります。
あとこれは私の場合ですが、トイレクイックルを私は物凄くよく買います。
拭いたあとそのまま流せるのはやはり魅力で、シートは贅沢にどんどん使い捨てています。
さらに現在では世の中に「こすり洗い不要」の洗浄液や入れておくだけのタブレット洗浄等いろいろと出ていますが私は結構見境なく買って使っています。
トイレ清掃はいつするのか?といいますとそれは自分自身が利用した時その都度がいいと思います。
ファミレスやファストフード店のトイレに入ると時間帯ごとにスタッフのサインがしてあったりしますが、あのように時間で区切って清掃しているわけですから個人店のトイレが1日に1回で良いわけがありません。
換気扇は営業中ずっと点けっぱなしでいいと思います。
芳香剤等うんぬんの前にまずは消臭です。
コーヒーの粉が多く残るカフェはこれを使わない手はありません。
私はアイスコーヒーやコーヒーゼリーを作った後に出る粉(この二つはサイフォンではなくペーパードリップで大量に作るため大量に粉が残ります)を別容器に移し、夜帰る時にトイレ内に設置して帰ったりしています。
珈琲文明のようなコーヒー専門店はもちろんですが、カフェにおける1日のコーヒー粉の残量たるや物凄い量であることはやり始めたらすぐわかることで、1日のゴミのうちのかなりの部分をコーヒーの残り粉が占めているはずなので、もはや無尽蔵にあるものといえますので消臭効果のあるコーヒー粉を使わない手はないのです。
換気や消臭が終わったらそのあとに芳香のことは考えればよくて、芳香剤のポイントはとにかく「ほのかに香る」ということで、あまりドギツい感じのものは好みがわかれるため、またはその芳香により具合が悪くなる人もいたりするためあまり派手にしないほうが良いでしょう。
さて、クレンリネス面はこのへんにして、次に今回のメイン「トイレというものの存在意義」について述べたいと思います。
トイレの存在意義はもちろん「用を足す」ことかもしれませんが、お店にとってお客様にとってのトイレというのはズバリ「店側からの数少ない情報発信の場」なのです。
私はよく「お客様のことを放っておくことがサービス」と言っています。
でもそれは同時にお店側で伝えておきたい事などを発する機会がないとも言えます。
そんな時にお客様がどうしたって独りにならざるを得ない瞬間がトイレタイムであります。
そこに何か書かれていれば否が応でも目にしてしまうというのは実は凄いことだと思います。
ただし気を付けていただきたいのは、だからといってあれやこれやいろんな告知やチラシをベタベタ貼るのは禁物です。
心を落ち着かせるためにはまずシンプルであることが大事です。
かつて飲食店とはまるで遠い関係性の学習塾の教室長を私はやっていました。
富士山の麓にあるヤンチャな生徒が多い教室に赴任したときにトイレが壊滅的に汚かったんです。
「教室の汚れは心の汚れ」という標語が悲しくなるほどでした。
私が勤めていた学習塾のグループの他の教室のトイレは汚くはないまでも壁には塾のポスター(CMでタレントが起用されてたりする有名な塾でした)だの「お友達紹介キャンペーン」だののチラシが貼ってあったりしました。
私はその真逆をいき、トイレ内の照明を蛍光灯ではなく暖色系のものに替え、額の中に入れた絵画を間接照明で照らしたりしてそれこそカフェやホテルのトイレみたいにしました。
他に「誰にも言えない悩みや怒り悲しみがある場合はぜひ紙にその思いを書いてみてください、書いたあとは捨ててしまっていいのでとにかくまずは書きだしてみてください」というメッセージをトイレにだけ書いて貼っておきました。
塾のトイレだからといって塾の宣伝チラシやポスターなんか貼っても生徒の心は晴れやかになんてなりません。
かといって教室長である私が生徒一人一人と日々向き合う時間もそんなになかったので色々と考えた結果がこういうことでした。
さて、ここではもちろんザ飲食店、カフェでのトイレの話です。
店主である皆さんはお客さまに対して何を発信したいでしょうか。
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