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忙しくても暇でもどちらも嬉しいと思える職業

私がお店をやっていて良かったなぁと思うことのひとつに、「忙しくても暇でもどっちも嬉しい」ということが挙げられます。アルバイト及び大多数のサラリーマン(歩合給ではなく基本給メインの人)は、「暇だと嬉しい」人は多いはずです。また会社役員をはじめ組織の代表者は「自分の会社が忙しい」ことはもちろん嬉しく、これはお店を経営しているオーナーももちろんそれは間違いなく、おそらく例外はないでしょう(雇われ店長や仮面オーナーは除く)。

しかし、これは私が個人的によく思うことなのですが、「暇でも嬉しい」のです。しかもとてもとても嬉しいのです。もちろん程度の問題はあります。月を通せばしっかり黒字になっていて、お店が本当の意味で軌道に乗っていることが大前提の話ではあるので、これからお店をやろうとして危機感不安感たっぷりの人にとっては、何を贅沢なことを!と叱られるかもしれませんが、日々の営業の中でこうした、「忙しくても暇でもどっちでもすごく嬉しい」という感覚は、やはり独特なものだなぁと思います。

ひっそりとした店内で一人何かの作戦会議をしてみたり、自己の心の深淵を覗きに行ってみたり(大袈裟?)、はたまた本当にただボーっとしたり、こうした内省的活動というものがとても大切なことであり、かつまたそういうことに喜びを見出している人はきっと私だけじゃないと思います。

よく接客業に従事する人は「人との出会い、ふれあいが醍醐味」といい、人づきあいが好きで語らうことが好きな人が接客業に向いていると言われます。もちろん、そういう側面は大いにあります。しかし、もうひとつ個人的にはそれに勝るとも劣らないほどに向いていると思っているタイプがあります。それは、「孤独が好きな人」です。

あ、まぁ「孤独(も)好きな人」くらいには表現変更しておきましょう。

一人でお店をやっていると、日々の営業の中で「死んだみたいに誰も来ない時間」が結構あるものです。お客さんがずっと来ないのはもちろん全てにおいてよくないのですが、来ない時間は必ずあり、その際に、むしろそういう時間も喜んで味わうことが出来る人が店舗営業者には向いていると思います。

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