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運命の5月29日「エルサレム」
文学ラジオ第53回の紹介本
「エルサレム」
ゴンサロ・M・タヴァレス
木下眞穂 訳
河出書房新社
ポルトガル文学
ポルトガル最重要作家の代表作にして、狂気的な一冊。精神病院の記憶でつながる登場人物たちは、運命の5月29日に向かっていくつもの物語の中で交差します。この構成がすごい。結末もすごい。ラジオではネタバレ無しで紹介しています。
精神病院が舞台の一つで、「恐怖の歴史」の研究もあったり、愚かな人間もたくさん出てきます。救いようがない世界の暗黒に満ちた小説ですが、怖い話ではないので、気になった方はぜひ読んでみてください。
本書のあらすじ
五月二十九日、夜明け前。死病を患うミリアは痛みのあまり通りへ飛び出した。時を同じくして、自殺しようと窓から身を乗り出すミリアの元恋人、娼婦を求めさまよう精神科医の元夫、父親を探す少年と、獲物を探す元兵士。彼らの暗い運命は、誉れ高きゲオルグ・ローゼンベルク精神病院の記憶につながっていく……。世界約50カ国で翻訳される現代ポルトガル最重要作家による、狂気と怒りと愚かさを残酷に描ききる圧倒的代表作。
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