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神田神保町「おもしろ同人誌バザール」体験記

「インディーズ本」「情報系同人誌」を売る人・サークルが集まる「おもしろ同人誌バザール」に参加した。実は、春に秋葉原で開催されたバザールが初参加で、今回の神田神保町の回は、2回目ということになる。

春の時は、終了後、あわただしく盛岡に行ったこともあり、あまりこのイベントについて振り返ることもしなかった。今回は、ブースの両どなりの方々とも結構話したり、来ていただいたお客様ともは割によく話したりしたこともあり、いろいろ考えることもあった。せっかくなので、それを書き残してみようかと思う。

入場料1000円のイベント。それもあって、来場される方の熱量が高い印象。ベルサール神保町の2フロアー・3部屋に300以上のブールが出店。午前11時の開場と同時に、通りに来場者があふれた。

「情報系同人誌」というカテゴリーがあることを今回初めて知った。よく考えると、私が製作して販売している「日本で食べられる中東料理ガイドブック」もそのカテゴリーに入っているといえる。そういう意味では、「おもバザ」とは親和性があったのだと思う。

ブースに来ていただいた方々は、文学フリマなど他のイベントに比べても、もともと中東に関心を持っている人以外の割合が高かったような気がした。「一度旅行で中東に行きたい」とか「中東あたりの料理を食べてみたい」と話している人たちもいた。

一方、販売されていた同人誌の「コア度」はすごいものがあった。一見・一読して、作者の対象へののめり込み具合がはっきり分かるものが多かった。それが文学フリマなどとの最大の違いかも知れない。

両隣も個性的な方だった。徳島県三好市の「三芳菊」という日本酒を応援する同人誌を作っている方で、その「三芳菊」への愛情の強さはすごいものがあった。(下のインスタエントリーは、三芳菊酒造のもの)

もう一方のお隣さんは、戦中・戦後に使用された「ヒロポン」という興奮剤についての同人誌などを販売していた林山キネマさん。

本業漫画家で、アメーバブログの有名ブロガーでもあり、コミケにも出店されているそうだ。ブース前は常にお客さんでにぎわい、林山さんのトークが明るく面白いこともあり、横でそのやりとりを聞いているだけでも楽しかった。

じっくり、というわけにはいかなかったが、他のブースも一応、ひととおり回った。特に印象に残った同人誌は、青森県の津軽地方の神社の鳥居に飾られている鬼の人形を追いかけたもの。青森県はそれなりに訪れているが、そうした習俗があることを知らなかったこともあり、興味をそそられた。帰宅してから調べてみると、青森県の自治体などがそれなり紹介はしているようだった。

とはいえ、青森県や東北地方に暮らしてているわけではない一人の人間が、実際に津軽を歩いて、鬼人形を写真におさめ、解説もする同人誌を、しかも2冊作った、ということに感動した。

ZINE・同人誌イベントの特色などを分類・整理した同人誌を販売している方もいて、「なるほどな~」と思った。私自身これまでいろいろなイベントに出店してきたが、当然ながらそれぞれに特徴があり、どれが自分に合うイベントなんだろう、と考えることも多いからだ。

コミケ、文学フリマに代表される、ZINE・同人誌イベントの巨大化現象。さらにはイベント数の急増など、この「業界」の変化は目をみはるものがある。その全体を俯瞰して、解説したり分析したりする、本格的な解説者の登場(すでにいるかも知れない)が待たれている。

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