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腹痛

子供が小さい頃、子供は、食べる加減が分からなくて食べ過ぎてしまうか、はたまた、消化器官が未熟なせいか、度々おなかが痛くなった。

特にインフルエンザや、高熱の出る伝染性のウィルスにかかった後、
ものすごい腹痛にみまわれて、ウィルスを排出し(?)
その後快方に向かうということがよくあった。

長引く腹痛は、とてもつらいものだけれど、
お腹を温めてあげると比較的、痛みが和らぐので、
お腹が痛いと言ってトイレに入りだしたら、
湯たんぽを作って(お腹にあてるように)、
トイレに持っていってあげるということを私は、よくしていた。

風邪による腹痛は、不思議なのだけど、
夜間に起こることが多いような気がする。
高熱を出すのもたいてい、晩から深夜にかけてだ。

子供が腹痛で、トイレで「お腹が痛い!」
「ああああ!」と叫んでいる。

寝ていた私は、その声に気が付いて飛び起きる。
「大丈夫?お腹いたいの?」と声をかける。

トイレの目の前の部屋で寝ている同居人は、完全無視だ。

私は、別の場所に寝ているのでトイレからは遠い位置にいる。
でも、あれだけ大きい声で痛みを訴えていたら、びっくりして起きる。

同居人は、こういった痛みを訴える声や、ガラスを落として割れる音、
何かにぶつかって痛がる声、こういった緊急時の声や音に対しても
完全に無視をする。

自分が行ったところで、痛みは変わらない。
自分が行ったところで、起きてしまったことは、
変わらないから、と思っているのだと思う。

もう、同居人が、かけつけて来ないのは分かっているけれど、
そして、心配もしないし無関心なのも分かっているけれど、
分かっていても、その度に私は、傷ついてしまう。

同居人が、そんな人間味のないロボットだったとしても、
もし仮に、同居人が苦痛で倒れていたり、
痛みで大きな声をあげていたら、私は、心配するだろう。

人間の心を持つ自分、心配する自分が大嫌いだ。
 
 
読んでいただいて、ありがとうございます。
毎回、愉快な話ではないですが、
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よい1日をお過ごしください。

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花鳥風月空
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