【長崎1人旅】池島と軍艦島の廃墟を巡る(ぽんぽこ聖地巡礼)
はじめに:離島の廃墟に魅せられて
1泊2日で長崎に行ってきました。きっかけは、ぽんぽこちゃんねるの2本立ての動画「【弾丸】廃墟好きが行く!グルメに絶景!1泊2日の長崎旅行が最高すぎました。【池島】」と「【世界遺産】ついに念願の軍艦島に上陸しました!!!【長崎旅行 後編】」です。
1本目の動画では、一部のエリアで廃墟化が進んでいるものの現在でも100人ほどが住んでいる有人島である「池島(いけしま)」が紹介されています。2本目の動画では、かつて人口密度世界一となるも現在は無人となっている人工島である「軍艦島(ぐんかんじま)」が紹介されています。いずれの島も石炭の採掘が盛んになったことで人が集まり、主要なエネルギー源が石炭から石油に変わったことで人が離れていった島です。石炭採掘のための建造物、鉱業会社の従業員やその家族が住んだ集合住宅、島民の生活を支えた公共施設や商業施設が残っています(もちろん崩壊したり撤去されたものもあります)。
離島の廃墟というものにワクワクした私は、自分の目で実物を見てみたくて旅に出ました。
ぽんぽこちゃんねるの動画に出てきたスポットの見出しには🍃マークを付けておきます。
1日目:池島を巡る
池島を巡る日です。朝の便で東京から長崎へ行きました。レンタカーを借りて、池島への船が出ている港の一つである「神ノ浦港」に向かいます。なお、ぽんぽこさんはおそらく「瀬戸港」から高速船に乗ったのではと思います。どちらの港を使うかは池島へ行く時間と帰る時間で決まってきます(参考:船の時刻表)。
ピアリッチ:カレーと揚げ物
途中、テイクアウトのお店「ピアリッチ」に立ち寄り、カレーライスと鳥のからあげ1個を買いました。車で数分のところに「文化の森公園」があり、そこで食べました。天然のスツール(ただの石)に腰掛けて緑に囲まれながら食べるご飯は最高でした。カレーは「こういうのでいいんだよこういうので」という感じで良く、からあげは揚げたてで少し甘みがあって美味しかったです。
神ノ浦港:池島への船が出る港
神ノ浦港(こうのうらこう)に着いたら、待合室にある窓口でフェリーの券(420円)を買って乗船します。待合室のホワイトボードに池島の人口が書かれていました。ぽんぽこさんの動画から1年弱が経っていますが100人ほどをキープしています。
池島:有人の離島×廃墟🍃
出港して30分弱で池島に到着です。到着してすぐコミュニティバス(100円)に乗って十数分で島の奥にある「神社下」のバス停に向かいます(参考:バスの時刻表)。私のセンスで大まかに4つにエリア分けした池島の地図を載せておきます。
①奥エリア:ウェルカム廃墟🍃
神社下のロータリーに着くと、早速8階建ての廃墟がお出迎え。その反対側ではアパートを見下ろせました。
おそらくこの近くにお酒の自販機があると思うのですが探し忘れました。無念。
8階建ての住宅は反対側に周り込むことができ、反対側の道は4,5階くらいの高さにあるので、住宅の5階に通じる通路もあります。
少し港方面に進んで丘を上がると展望台がありますが閉鎖されていました。残念!
②施設エリア:今と昔の交差点🍃
神社下から寄り道せずに行くと5分もかからないところに学校と食堂があります。食堂は2023年3月末をもって閉業しました。シャッターが降りていて中を見ることはできませんでした。エサを与えている人がいるようで、猫がたくさんいました。
学校は校舎の時計が止まってました。現在の生徒数に対して大きすぎる建物と敷地。普段どこで授業を受けたりしているか気になりました。教育用に設置された信号機は健在です。
学校から先に少し進むと公民館があり、鉱山救助隊の装備が展示されている他、当時の生活ぶりや、島の発展がわかる資料が展示されていました。
さらに少し進むと、ボウリング場や喫茶店などがあります。ほとんどは閉業していますが、日用品店らしきお店は開いてました。おそらく炭鉱体験のツアーだと思うのですが、ガイドの内容が遠耳に聞こえてきて、休みの日に海を渡って買い出しに行くとか、Amazonの荷物は届くとか、島民の生活事情を知りました。携帯も繋がります。
③住宅エリア:暮らしの名残🍃
最も寄り道できるエリアが炭鉱住宅跡だと思います。時間をかけようと思えばいくらでもかけられます。エモっ!と思った写真を載せていきます。
④炭鉱エリア:産業の名残🍃
住宅エリアから地図の右端の道を通って港に向かいました。右端の道に限って言えば、途中で工場や倉庫が見えた他は、ジブローダーのあったところまで草木に阻まれて何も見えませんでした。しかし、海がよく見えて景色がきれいでした。港をぐるりと囲む道に出るといろいろなものがありました。個人的エモ写真を載せていきます。
帰りは進栄丸という船(370円)に乗って神ノ浦港へ向かいました。進栄丸は天候によっては欠航するとのことで、多少風があったので身構えていましたが、就航していました。船内は、定員は12名ですが、成人がゆったり座るなら6人くらいかなという広さで、靴を脱いで座布団に座ります。私の他にもう1人乗客がいました。ちなみに、万が一欠航したら17時発の瀬戸港行きのフェリーにのり、瀬戸港から神ノ浦港までバスで行こうと考えていました(参考:バスの時刻表)。
かにや 銅座本店:おにぎり専門店🍃
神ノ浦港から長崎新地中華街に移動しました。せっかくなので中華にしようかと迷いましたが決めきれず、動画で紹介されていた「おにぎり専門店 かにや 銅座本店」に行きました。満席だったので少し待ちました。おでん、おにぎり、五島うどんを注文し、おでんはすぐにきました。大根の味のしみっぷりが良い。テイクアウトもやっているので、おにぎりが出てくるまでは結構時間がかかりました。おにぎりはお米がいいのか本当に美味しかった。時間を巻き戻せるならうどんの代わりにおにぎり2個追加してました。
カンデオホテルズ長崎新地中華街:天空のサウナ🍃
ホテルの提携駐車場になっているリファレンス銅座パークに車を停めました。裏手にある歩行者出口を出てすぐ目の前が「カンデオホテルズ長崎新地中華街」です。実は神ノ浦港から直接ここへ来て一旦チェックインしてから歩いて「かにや」に行きました。このホテルに夜景の見える露天風呂があることは動画で知っていましたが、調べたところサウナも付いていることがわかりました。夜景の見える露天風呂があるということは、夜景の見える外気浴ができるということ!ぽんぽこさんが泊まったときは7000円らしいですが(当時まだまだコロナ禍)、今回は3倍の値段でした...。でもでも、明日に疲れ残したくないし、翌朝行く予定の喫茶店「異人館」が近いし、ホテル予約サイトのポイント貯まってて使えるし、サウナ入れるってことは実質数千円割引で考えるべきでは?全てを加味すると自分のOKラインよりちょっと高いくらいだな?(謎理論)ってことで泊まりました!
浴場への飲み物持ち込み不可、ロウリュなし、サウナマットの替えなし、サウナ室のキャパ3人くらいでしたが、これらのマイナス要因を補って余りある快適空間でした。更衣室には給水器があり、サウナ室は90度強でしっかり暑く、サウナ利用者がそこまで多くないので並ぶことはありませんでした。サウナ室のガラス窓は覗き見防止のためか、すりガラスのようになっていて、夜景はハッキリとは見えませんが、ぼんやりと街の光を眺めながら聴くBGMのピアノが心地よかったです。水風呂に浸かって外にでると、よくあるプラスチックの椅子があり、椅子に座ってぼやけた夜景を視界いっぱいに眺めながら外気浴ができました。3周して露天風呂にしばらく浸かってから最後にもう1周してしまいました。
整って体中がふわふわしたまま布団に入ったらすぐ眠りに入ることができましたし、すごく静かで、ベッドも寝心地がよくて、もう最高でした。
2日目:軍艦島を巡る
軍艦島を巡る日です。ちなみに、軍艦島は通称で、正式名称は「端島(はしま)」だったりします。チェックアウトして荷物を車に置いてから歩いて朝ごはんを食べに行きました。
異人館:喫茶店🍃
動画で紹介されていた喫茶店「異人館」に入り、モーニングのトーストを注文しました。旅で不摂生に傾きかけた五臓六腑に野菜が染み渡ります。焼きたてのバタートーストも香ばしかった。トルコライスやミルクセーキといった、旅行者に嬉しいラインナップも扱っていました。
グラバー園:西洋文明の入り口🍃
グラバー園付近の駐車場まで車で移動しました。本当は「松が枝ターミナル 駐車場」に停める予定でしたが、まさかの国際クルーズ客船の入港日で、使用禁止でした。「本田ガレージ」に停めました。
エスカレーターで一番上まで登り、順路の1つ目のスポットにVRアトラクションがあったので体験しました。機材は、古いものが故障したのでQuest2に刷新されたばかり、とのことでした。VRならではの演出は少ないのですが、十数分のナレーションと映像でグラバーさんのことを大まかに把握できたのでよかったです。
グラバーさんの影響力が大きすぎる。三菱グループやキリンビールと関係していたり、鉄道を初めて日本に持ち込んだり(長崎は鉄道発祥の地)。発祥関連で言うと、長崎は発祥し過ぎている。西洋料理、ボウリング、国際電信、などなど調べるといっぱい出てくる。グラバー園は、オシャレな西洋建築と調度品がある、くらいの認識でいましたが、歴史込みで見ると時代と時代の結び目みたいな所だと思いました。
Cafe X:カフェ
11:30過ぎに、ちゃんぽんを食べようとお店に行くも満席、別のお店でトルコライスでもと思いましたがまた満席で困りましたが、次の目的地である「軍艦島デジタルミュージアム」に併設カフェ「Cafe X」があったので行きました。2023年3月にオープンしたばかりだそうです。オレンジジュースとカステラサンドイッチを注文。カステラにハムと卵とレタスを挟む大胆さ。カステラの甘みと具材の塩気の相性が良かったです。軍艦島ツアー参加者は10%オフでした。
軍艦島デジタルミュージアム:予習🍃
軍艦島ツアーとして利用したのは「軍艦島コンシェルジュ」です。「軍艦島デジタルミュージアム」で軍艦島ツアーの受付を済ませ、館内で軍艦島の予習をします。壁一面のスクリーンに映された当時の写真を見ながら解説を聴いたり、タッチパネルで史料を見たり、軍艦島の3Dスキャンモデルをマウスで動かして眺めたりしていたらすぐに集合時間になりました。ミュージアム内をくまなく見るなら1時間は必要かも。プレミアム席にしたので館内で集合し、船まで引率されました。
軍艦島:無人の人工島×廃墟🍃
出港から40分ほど船内でガイドを聴いて過ごします。プレミアム席の人は出港後、後方外にある屋根付きの席に移動できます。面白いうんちくがずっと続くのであっという間でした。
軍艦島付近にくると船は軍艦島を一周します。この時プレミアム席の人は先頭のデッキに移動できます。視界を遮るものがなくてすごくいい。左右のどちらにいてもいいように、船の左右を変えて写真タイムを設けてくれます。
その後はいよいよ接岸です。前の団体の上陸を待ち、割とすぐ上陸できまし
た。軍艦島に上陸できるかどうかは運だと聞いていたので、上陸できてよかった!
上陸後はあまり自由度はないです。ガイドしてくれるスポットが3箇所あり、ガイドを聴いたら次の場所へ進むという具合です。このガイドが本当に面白いしわかりやすい。軍艦島のエピソードには世界一とか日本初とかが多く、経済的にも潤っていたので異常値の宝庫となっており、知れば知るほど面白いです。軍艦島の構造物を見て圧倒されるだけでなく、当時の軍艦島に住んでいた人たちの日常を詳しく知ることで見え方が変わりました。軍艦島には無機質でいかついイメージがありましたが、今では温かみのあるイメージに変わりました。
出島:鎖国期の貿易拠点🍃
帰港後、出島にある長崎内外倶楽部レストランでミルクセーキを食べたかったのですが、まさかの貸切。出島の公式Twitterアカウントを見ると、よくあることみたいです。時間があったので予定よりも隅々まで探索しました。出島には一度来たことがあったのですが、それから現在までの間に復元建物が増えていて、出島も進化していることを知りました。
幸楽:長崎ちゃんぽん専門店
帰り際に、空港付近にある長崎ちゃんぽん専門店の「幸楽」でちゃんぽんを食べました。満足。
おわりに:現地で感じた情報量の違い
絶対に行こうと思っていた池島と軍艦島。どちらも巡れたことに達成感を感じ、両日とも天気に恵まれたことが嬉しく、特に軍艦島については上陸できたことに感激しました。
現地に行ったり実際に体験すると、情報量が全然違うと感じます。意外なことに惹きつけられるし、頭が冴えて見聞きする内容も吸収しやすくなる。そうして「知っていること」がその場で更新されることにより、見たもの・見るものがリアルタイムに「なんだかすごいもの」「価値や意味のあるもの」として感じられるようになっていった、そんな経験をした気がします。
旅は終えたけど、旅を通じて興味のスイッチが入り、学びはむしろここから始まるのかもしれません。
楽しかった!また行きたい!