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#46 「今、顎が危ない」報道から35年経った話
「顎関節症(がくかんせつしょう)」と言う疾患を知っているだろうか。
専門書的な言葉で書くと、顎関節症は、顎の関節や咀嚼筋に痛みや機能不全が生じる症状がみられ、口を開閉するときに違和感や痛みがあったり、耳の下あたりから音が鳴ると言った特徴を持つ。
僕の顎関節症は、突然発症した。
それも、今から遡ること35年も前の話だ。
高校の体育の授業の一環で行われたスキー合宿に参加していたときのこと、朝、起床の時間に目覚めると、口を開けたくても開けられず、「あーあー、くちがあが・・な・・い、あが・・ない・・」などと言うしかない状態になっていた。
指を口の中に入れ、強引に開こうとしても自分の力では何ともできない。涙目になりながらも大きく開けようとすると「ゴキッ」と音がして今度は閉じられなくなった。口を閉じられないのは、口が開かないよりも苦しい。
何とか閉じられたものの、右耳の下あたりに違和感が広がり、気になって気になって仕方がなく、スキーどころじゃなかった。
帯同していた保健の先生に話そうか一瞬考えたが、この山奥から1人で帰郷させられたり、親が迎えに来ることになったら面倒に思い、先生には言わなかったし、言えなかった。
その日の就寝前、明日の朝は今朝のようなことにはならないよう「神様」にお願いしてから寝たのだが、翌朝その願いは脆くも崩れ、前日の朝と同じ状況だった。
折角のスキー合宿もこのせいで全く楽しむことができず、おいしいはずの料理もおいしくなく、楽しいはずの友だちとの色々な話も楽しむことができなかったように記憶している。
自宅へ帰ってきてからすぐ母に相談したが、症状や深刻さをわかってもらえなかった。母も、この子は一体何を言ってるんだろうと思ったに違いない。
しかし、ここで奇跡的なことが発生した。
何と、スキーから帰っきた数日後、テレビ朝日の「ニュースステーション」が「今、顎が危ない」というタイトルで「顎関節症」を特集したのだ。
新聞のテレビ欄で放送されることを知ったのか、ニュースをみていたらたまたま放送していたのか覚えていないが、久米さんが『今日の特集は、「今、顎が危ない」』とコールして特集が始まったと記憶している。
その番組を見てすぐ、近所にオープンして間もない歯医者へすぐに駆け込んだのであるが、ここで2つ目の奇跡。
診察台の上で「ニュースステーションをみて来た」ことを先生に話したら、なんとその歯科医は口腔外科が専門で「僕もそれ見てたよ」と返してくれたのだ。
藁をも縋る思いでその歯医者に行った僕は、ニュースステーションでもやっていた「手術」をして早く治したかったのだが、医師からはまずオーソドックスな治療である「マウスピース」を勧められ、それを作ることになった。
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ここで「顎関節症」について簡単に触れておこう。
まず、顎関節症の主な症状(僕が体感している症状)は次のとおりだ。
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この症状は多分、殆どの患者さんが体感しているものだと思う。
兎に角、耳の下のあたりにいつも鈍痛が走り、頭痛がしている。
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図が大きくなり過ぎてしまったが、この部分がマジでやばい。
もうほんと、、これが治癒してくれたらどんなに人生が明るくなるだろうか、という感じだ。
こういった症状で、身体にどんな影響が出ているか、これが重要なところだが、僕の場合はこんな感じだ。
35年間、ずっと。
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兎に角、集中力が続かないので、勉強や仕事で集中しないといけないときはガムを噛むなどしてガクガクが気にならないようにわざとしている。
また、肩こりなど他の部分にも影響していて、ほんと、辛い。
顎関節症の原因には次のようなものが挙げられるそうだ。
しかし、どれがとは決められず、原因と思われるものを除去したとしてもそれで治るかと言えば、35年もの間罹患している僕からすると絶対に治らないと思うし、物理的な「手術」を施すしか治癒する道はないのだろうと思う。
精神的ストレス
歯ぎしり
かみ合わせ
顎への衝撃や怪我
悪い姿勢
炎症性疾患
話を元に戻そう。
「ニュースステーション」で「顎関節症」という疾患があることを知り、開院したばかりの歯医者へ飛び込んだ僕は、藁をも縋る思いで「マウスピース」を作成した。
そして医師に言われた通り、夜寝るときのみはめて寝るという生活が始まった。
しかし、結果はすぐには出なかった。
出ないばかりか、他の歯が虫歯になって治療したことによりマウスピースが合わなくなってしまうということが高校時代だけで3回もあった。
その度に作り直していたのであるが、高校卒業とともに転居することとなり、結局その歯医者へ行くことがなくなってしまったのだった。結局、マウスピースも歯に合わなくなって、着けるのをやめてしまった。
一年浪人生活を送った僕は志望校には入れず、仕方なく滑り止めで合格した大学へ入学したが、浪人時代も「顎関節症」にはいつも悩まされていた。
予備校の授業や、図書館で自習をしてても集中力が続かなく、頭痛や肩こりもあって頭に入らない。自宅で勉強していても、イライラを紛らすためか、知らないうちに始まる貧乏ゆすりを家族に注意されたりもした。
そんな中、大学生になったばかりの初夏に、口腔外科がある都内の大学付属病院へ行ったときのことである。
当時は今より「かかりつけ医」の制度が声高に叫ばれているわけではなかったが、それでも「紹介状がなく」「初診」の場合は、「診療される順番が遅くなり」かつ「医療費が高くなる」ということが言われていたが、兎に角、大病院で診てもらえば何とかしてくれるかも、という思いでお茶の水まで出かけていった。
しかし、ここの診察は兎に角「酷かった」としか覚えていない。
数時間も待ったのに「1分」も診てくれなかったし、何のアドバイスも何の解決もしてくれなかった。
この後、僕は「顎関節症」のことで歯科や口腔外科へ一切行ったことはない。35年間ずっと、悩まされ続けている。
今年の冬、メジャーリーガーでレッドソックスの吉田正尚選手が「顎関節症」の手術をしたと知ったときは死ぬほど羨ましかったし、逆にそんなお金も時間もない自分に腹が立った。
はぁ~、今日のnoteの終わりは何て書いて終わろうか・・・
これだけの記事を書くのに、今日もたくさんガムを食べてしまった・・・。
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