美術館、展覧会に行ってきた小話9つ【最近のエモ活】
アートや美しいものを見るのが大好き。相変わらずせっせと美術館や展覧会に通っている。気づけば結構行っていたので、展示を見て感じたこと&思ったことを放出するね🤞
というわけで、ここ最近のエモ活を振り返っていくね😌
(エモを)求めよ、さらば与えられん🤞
Ask, and EMO will be given to you.
▼最近観た展示
ルイーズ・ブルジョワ展@森美術館
まだまだよく分からない現代アート。
だけど、ハライチ岩井のエッセイを読んでいると、岩井は現代アートを「新しく考えた何かを表現をする大喜利」と見て楽しんでいた。
どうにも見たくて仕方なくなって行ってきた。
六本木にいる巨大蜘蛛ママンの作者、ルイーズ・ブルジョワの展覧会。
セクシャルでグロテスクなものや、底知れぬ恐怖を覚えるものも結構多い攻めた展示だった。
今回の展示会のタイトルがコレ。
地獄から帰ってきたところ
言っておくけど素晴らしかったわ
タイトルからしてパンチが効いている。こんなラノベありそうだな…?と思うのが止められなかった。攻めたキュレーターがタイトルを付けたんだろうか。
が、ブルジョワ本人がハンカチに刺繍した言葉を見てほしい。
直訳すると「地獄に行って帰ってきた。言わせて、それ(地獄)は素晴らしかった。」
多少の和訳の言葉選びはあるものの、意味はブルジョワの言葉そのもの。パンチの効いたタイトルはブルジョワご本人のものだった。
入り口には「性的、暴力的な表現があるから気をつけなはれや!」な注意書きが。
彼女の言う地獄がなんだったのか、それが素晴らしいってどういうこと…?と思いながら展示を見る。
ブルジョワの作品を見ていて否応なしに意識させられるのが女性性、男性性、母性。
ブルジョワは幼い頃に、父親が自宅に住み込みのお手伝いさんと数年にわたって不倫し、母親が黙って耐える屈辱的な姿を見ている。
この地獄的な出来事から女性性や男性性、母親という役割について考え続け、作品にしていった。
赤色、黒色、性的暴力的なモチーフのダークな展示が続いたブルジョワ展だけど、終盤の展示ではテイストが変わった。
生涯、解放されることなくトラウマに向き合い続け、作品を作ったブルジョワ。
自身の家庭の歪みから受けたショックな出来事や自身も母親になって抱いた気持ちが混ぜこぜになって、家族を守る愛と攻撃性を持った母親の大きな蜘蛛のママンに至ったんだなぁと理解したよ。
イマーシブミュージアム@新宿
私が美術館通いを始めたキッカケはコロナ禍で友達と会いづらくなり、海外旅行にも行けなくなり、休日が暇になったから。
そんな美術館通いを始めた序盤で、葛飾北斎、モネ、ゴッホの有名どころに出会って好きになった。
美術館通いを続けているうちに、いいなぁと思っていた浮世絵が、綺麗だなぁと思っていた印象派に影響を与えた関係だと分かった時は衝撃だった。
そんな浮世絵と印象派の繋がりがテーマのイマーシブミュージアム。
絵画を飾るわけではなく、名画をデジタル化してプロジェクションマッピングするタイプの没入系展覧会。
絵画を並べるだけでは比べられない見せ方で、人気どころのゴッホ、モネ、北斎、歌川の作品の共通点を探すような構成になっていて面白い。
見たまま描くのが正解だった西洋絵画の世界がカメラの登場で変わり始めた頃、「写実的表現と全く違う日本の浮世絵、しゅごい…!」と衝撃を受けたのがジャポニズム。
そんな浮世絵が印象派に影響した様がボンヤリ見てもよ〜く分かる構成だった。
私の推し富嶽三十六景の太鼓橋が、推し絵画であるモネの太鼓橋の背景の睡蓮の池と重ね合わされるのがアツかった。
北斎の橋がモネの睡蓮の池に掛かる、モネの太鼓橋が日本の川に掛かる夢のフュージョン。絵画を並べるだけではできない、デジタルデータだからこそできる見せ方。楽しい。
葛飾北斎もモネも、まさか未来でフュージョンするとは思わなかっただろうな。
イマーシブミュージアムは本物の絵画は見れないけど、デジタルだからこそできる新しい見方ができる。歩き回らずに見られるのも楽だし、予定の合間に行くと癒されていいなぁと。
面白そうなやつがあればまた行きたい!
呪術廻戦展@ヒカリエ
いよいよ完結ということで開催された呪術廻戦展。あの戦いの舞台の渋谷ヒカリエで展覧会が開催されるなんて、聖地巡礼と兼ねられてすごい。
芥見先生が構想していたストーリーが没になって、その設定を引き継ぎつつ構成を練り直したのが呪術廻戦。没になったストーリーのネームが展示されていて結構似ている部分があった。
良い設定を考えても物語の構成が良くないと漫画として成立しないってこと。厳しい…!
ストーリーに関して芥見先生が「キャラクターがうまく動いてくれた」とコメントしている部分が結構あった。
死滅回遊は読んでて複雑すぎて着いていけなかったんだけど、「死滅回遊の展開は反省」と芥見先生もコメントされていた。
呪術廻戦はあと2巻で完結。終わっちゃうの寂しいなぁ。
ここまで買った。29巻と最終巻は2巻セットでクリスマスに出るみたいね。
デキリコ展@東京都美
美術館通いを始めてから、気持ちが「知らないからやめておこう」ではなくて「知らないけど行ってみよ」とか「知らないからこそ行ってみよ」になった。もちろん知ってても行くんだけど。
仕事をしているとどんどん特定の業界に詳しくなっていくので、つい仕事で知らないことがあると恥ずかしくなったりする。
けど、趣味で美術館通いやピラティスをしていると世の中に知らないことがあるのを思い出せる。
今から知れることがいっぱいあるのは楽しみだな、と知らないことに対しておおらかな気持ちでいる。
そんな感じなので、「誰か知らないけど、ポスター綺麗だし行こ」で行ってきたデキリコ展。
ピカソと同年代の画家のデキリコ。
歪んだ遠近法や現実には存在しないマネキンの生き物でちょっと怖いような不安な気持ちになる他に感じたことがない感覚になった。
これは形而上絵画というらしい。ピカソも熱狂したとか。
ポスターからイメージしてたデキリコらしい形而上絵画って実際はデキリコの一面でしかなかった。
ルネサンスやバロック絵画や印象派から影響を受けたものもあれば、舞台衣装もあれば、自身の切り開いた形而上絵画を再発見してみたりとか、色んな面を持った人だった。
マティスもそうだったけど、絵画の巨匠って晩年まで作品や作風を探求して、新しいものへの興味や向上心が絶えない。すごいなぁ。
三十代も半ばになって、人生の設計、特に仕事をしない老後に私は何するんだ…?みたいなことを考えることがある。
気持ち次第では老後と呼ばれる年齢になってもアクティブにいられるんだなぁと明るい気持ちになれる。何が巨匠たちを老後も創作に向かわせたんだろう。モチベーションが気になる。
トリエンナーレ
トリエンナーレといえばずいぶん昔、小学生の頃に母親に連れられて行ったのが最後。
あの時はデッカいバッタがインターコンチネンタルホテルに留まっていたのだけ覚えている。
横浜美術館がリニューアルオープンする一発目がトリエンナーレということで、行ってみた。
バッタみたいなインパクトのあるドデカい展示はなかったけど、広いエリアにわたって大量の展示があって巡り甲斐があった。
一日で巡ったんだけど、作品が多すぎ&会場も広すぎで結構消化不良になった。量的に多い上に、質的にもテーマが重たい作品が多くて、あまり噛み砕けなかったなぁ。
エントランスには王蟲の殻みたいなナニカが浮いている。ビフォアを知らないけどリューアルしたての美術館は綺麗。
が、綺麗で快適だなぁ、と癒されないのは会場に不安なら大きな声が響き渡っているから。
ブルルルルルルルルとか、ズロロロロロとか、シュシュシュシュシュシュバーーンンとか、何なのか分からないけどずっと声がしていて落ち着かない。
どういうこと??と解説を読むと、「この音が聞こえたらこうやって逃げる」と判断するために、ウクライナの人々はロシアから飛んでくる敵機の音を覚えている。それを聞かせてもらっている動画だった。
AIに代替されないようなスキルが要るのはそりゃそうなんだけど、AIに人が仕事を奪われて貧しくなるのはなんか違う気がする。人が豊かになるためのAIじゃなかったのかい…?という疑問が湧いてきた。
こんな感じで、社会派な思想をアートにぶつけている感じの展示がてんこ盛りに続くので、私は消化しきれなかったし、忘れてしまったものも多い。
その他、ふらっと寄った展示
その他、ふらっと入って「なんかよかったなぁ」というフンワリとしたいい気持ちをもらった展示たち。
新宿伊勢丹
物欲の魔境、新宿伊勢丹のギャラリーでやっていたこちら。
国立科学博物館の常設展
近くに行ったらものすごく軽い気持ちでサラっと一周してる。運動にもなるし日にも焼けないし、あちこちに面白いものがある博物館ウォーキング。
デザインハブ
六本木に行ったついでに行ってみたミッドタウンのデザインハブ。
ひらがなが勝手に動き出す動画が楽しくてずっと見てた。
こういう楽しい動画で幼稚園児の時にひらがなを覚えたかったなぁとも思うけど、動くイメージが着きすぎて柔軟な頭だと形を覚えられないかもなとも。
東京都美
東京都美でやっていた。散歩がてら何か分からずに入ってサラッと出てきたので何か分からないままのこちら。
何か分からなくても、目の前にあるものが美しいのって変わらない。解説とか関係なく目の前のものと向き合って、美しさを楽しむのも一つの鑑賞の仕方だよね。
まとめ
最近のエモ活を振り返ったよ。
最近のエモは
・六本木の大蜘蛛、母親だったんだな
・デジタルでアートの新しい見方
・現代アート、大量摂取で消化不良を起こす
・ふらっと展示を見るのは楽しい
でしたっ!
これまで見る経験を積んできたアートとハイブラが繋がって嬉しい。世界の解像度に奥行きが出た感じ。これからも好奇心に従って色んなものを見て経験していきたい。是、エモ活也。
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