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日々〜どうにかなるのかとか思いながら結局「なんとかなるっしょ(笑)」と思ってる自分がいる〜
ソレは突然やってくる。
「あ、これ進研ゼミで見たやつだ!」みたいになんか変な感じでやってくるのだ。
うつである。
諸事情あってまだ専門機関にかかってはいないのだが、多分うつである。
割りかし軽快に書き出している為、多分軽度なのでは?と楽観視してはいるのだが、やってきた時にはガチめに「どうなっちゃうんや自分…」と思った。今は笑ったり楽しくおしゃべりしたりできるが、ヤツは発作的にやってくる。
とある日、普通に仕事に行き、いつものように昼食をとっていた。おにぎりをモグモグしながら午後の仕事について考えていた時…突如、何の前触れもなく、涙がぼろんぼろん溢れ出した。
その場にはそこそこ人がいた為、自分も驚きを隠せないままトイレに駆け込んだ。とりあえずおさまるまでトイレにいよう。
…アカン、止まらん。
しゃくりあげて、むせても止まらない涙。なんか知らんがヤバい。
トイレからひょこっと顔を出し、ラッキーなことに通りかかった同僚を呼びつける。
目を丸くして「どうしたの!」と言われたはいいものの、説明がつかなくて「わかんないんス…」というだけの私。中々の混沌っぷりである。
「なんか悩みでもあるの?」
そんなの、みんなある。
私は人に相談ができない。溜め込むタイプだ。大事な話ができない。人生アラウンド30にして、ここで爆発したのである。やっとこさ同僚に絞り出した言葉といえば、
「もう、全部嫌になっちゃいました。」
これに尽きた。
そう言った途端、頭が真っ白になって何も言えなくなってしまった。優しい同僚は上司に伝えておくから、落ち着くまで待ってるよと私にティッシュを渡してくれた。優しい。返事をしようと思ったが、思わぬ事態が起きる。
二の句を告げぬ。否、声が出ないのである。
喉が締まって発声できない。掠れた声で、ちょっと休ませてください、とトイレから更衣室に逃げ込んだ。
言葉が出なくなった次は、茫然自失の去来である。
真っっっっっ白なのだ。入学式を終えた高校生くらいに真っ白のキャンバス。涙が出ていた時は、「こんなに泣いて午後の仕事どうすんだ」とか、「休憩時間が終わっちゃう」とか色々考えていたのに、突如訪れた白い世界に私は戸惑うこともできなかった。泣いたから、というのもあるが、私は更衣室で膝を抱え、石像のように動けなくなってしまったのである。
何分くらい経ったのだろうか。上司が更衣室のドアを叩き、泣き腫らし体育座りをしながら呆然とした私を見てギョッとして、大丈夫じゃなさそうだね、と隣に腰掛けた。
私ははぁ、と中身のない生返事をして虚空を見つめる。この時の会話を全く覚えていない。今日は帰っていいよ的なことを言われ、またはぁと返事をして真っ赤な目を見られぬように人目を避けながら車に飛び乗った。
うちに帰り、私はこの日何度目かの呆然タイムである。指先でさえ動かせない。心配した家族に返事をしたくとも、頭に浮かぶ文字がバラバラで紡いでいくことができない。
ご飯を無心で食べ、声が出ないのでチャットで家族と話した。幸い文章を書こうと思うと画面に映し出されるので、喋ることなく脳みその文字をしたためることができた。
妹がしばらく休んだ方がいい、というか仕事しけないっしょそれじゃ。というので会社に1週間程お休みを頂いた。
仕事を休みながら、ぼーーっとしている。何をしているんだろう自分は、と思いながらぼーーーっとしている。比喩でもなんでもなく、ぼーっとしかできないのだ。
しかしぼーっとしていると泣きそうになるので、誤魔化すためにずっとゲームをしていた。ゼルダの伝説のブレスオブザワイルドを初めからやり直した。
裸にこん棒と鍋のフタというしっちゃかめっちゃかな装備で草原をかけめぐる。楽しい。私もこの世界に居たいなぁと思いながら朝から晩までハイラルを駆け巡った。ライネルは初期装備では倒せない。こちとら獣神の弓が欲しいのだ。
仕事を休んでも、声が出ることはなかった。
掠れた小さな声で最低限の会話をした。無意識にバカみたいな音量で歌うこの私から、歌が消えた。
その間、何度も職場に行き、今後について話し合いの場を設けてもらった。ちっっさい声で無表情のまま泣きながら話す姿を見て、店長も「こっちからはそういう言い方はできないけど、退職を勧めるよ。しっかり休んで治さなきゃ。」と悲しそうな顔で呟いた。
はぁ。つら。なんやこれ。ぱおん。
そのまま退職届を出し、逃げるように退職した。その後発語障害は1ヶ月程続いて、やっと人並み程度に喋ることができるようになった。未だに話す際には言葉が上手く浮かばず、沈黙することもあるがそれでもかなり喋ることができるようになった。
「よくわかんないけどつら〜〜〜い(笑)」みたいな感じが24時間続く。夜眠るのが怖い。数時間後が怖い。何故か身体中が痛くて、ラジオの周波数がギリギリ合っていないような、砂嵐のようなフィルターが常にかけられているような日々だ。
退職してしばらく経ったが、あの時上司を呼んでくれた同僚や、仲の良かった先輩にも何も言えていない。まだ言える元気と勇気がない。情けないやら申し訳ないやらで萎縮してしまう毎日だが、とりあえず心が元気になるまで、なるべく人との交流を避けたいと思っている。
はぁ、久しぶりに頑張って文章を書いた。客観的に見ると、凄く自分が哀れな生き物に見える。
だが今は甘受するしかない。
ぱおん🥺と思いながらゆるゆる生きよう。