コントローラー
胸底に転がっていた
こんがらがった有線の
黒いコントローラーを握り締め
色の剥げたBボタンを
いくら連打しようとも
手は肯定を掴み
足は受諾へと向かって
笑い顔でぬるぬるする左スティックも
上を押せば下だし
でも左右の選択肢はないし
だったら十字ボタンと
親指ぎゅっと重ねれば
へこんだまま戻ってこなくて
修理など
最初から受けつけてもおらず
新品どころか
サードパーティ製すら置かれていなくて
捨てることも
買い換えることもできずに
このくたびれたコントローラーを
ミシミシいわせながら
今日も使い続ける
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