映画ワンダーランド3:『テジュの森 森の外へ』
③AIテジュと現実テジュの対面
CA業務でバルセロナへ飛ぶジョンインに
「自分も行く」と空港にやってきたテジュ。
「あなたは行けない、
まだ病気がよくなっていない」と
逃げようとするジョンイン。
ワンダーランドサービスの端末が鳴り
「誰」とテジュに追い詰められて
ジョンインは、
禁断の「AIテジュと現実テジュを会わせる」という行動にでます。
ワンダーランドサービス社の
ヘリ(チョンユミさん)とヒョンス(ウシクくん)が
「本人同士が会うと、エラーが起こる場合があるんです」
「亡くなった記憶は(AIに)あってはならない」
と話しているように
これは容易にしてはいけないことだと思うので…
(事前に説明はなかったのかな🥲
そんなことも軽々と乗り越えてしまうくらい、
きっと追い詰められていたジョンイン)
この時のボゴミテジュの表情も、すごいです。
驚きと、自分の存在自体が揺らぐような混乱。
まっすぐに自分を見るAIテジュに
自分が消えそうな気持ち。
一度に押し寄せてきて…
見ているこちらも飲み込まれます。
一度は飛行機に乗るものの
その先にあるものを短時間で悟り、
バルセロナには行かずに飛行機から降りるテジュ…
個人的に、最愛の瞬間がこのシーンです…
ボーディングブリッジから戻って
追いかけてきたジョンインを振り返ったテジュの表情…
…
この時の表情を、私は最大級に愛します。泣。
悟り、悲しみ、あきらめ、
少しの怒り、ジョンインの幸せを願う残された愛。
全部が入り混じった表情で
「気を付けて行ってきて」
と言うテジュは、微笑んでいるのでした…泣
静かに、聡く、混乱の中でも芯を見せて
ジョンインから離れたテジュを見たとき
ああこの人がテジュなんだと、
明るくおしゃべりなテジュでは無くなってしまっても
この姿が今のテジュなんだと思いました😢
ジョンインも感じたものがあったはず。
(それがAIテジュとの離別につながったはず)
飛行機が飛び去るのをベンチに座って見送る
ボゴミテジュの横顔のなんと美しいことか…
瞳に悲しみが溜まって、透き通って…
言葉が尽きません。
冴えなさを見せてきた現実テジュであり
悲しみの中に佇むのだけれど
その姿が本当に美しくて
夕日のように悲しげに輝いて
本来の彼、本来あったかもしれない未来
そして彼の不運を
胸いっぱいに受け止めました。。。
④AIテジュとの離別
飛行機から降りたジョンイン
(たぶん帰国後)
ワンダーランドサービス社のヘリさんに電話をして、サービス終了を依頼します。
最後にお願いがあると言って…
何かはすぐに分からないのですが、
ずっと後に描かれるシーン。
船外にいるAIテジュが
そっと宇宙船から手を放し、
地球へと落ちていきます…
ここでのボゴミテジュの表情も本当にすごくて…
やっぱり微笑みながら…
「ジョンイナ、今、家に帰るよ…」
家に…帰るって…どこに😣
帰れるわけがないよ…
体一つで地球に落ちていくテジュ…
ここでも落ちていく不安感とともに
ジョンインを想って微笑むテジュがいます…
終わりを知るAIテジュだと思います。
確かにずっと宇宙にいたままでは
ジョンインの気持ちがおさまらなかったかもしれず、
地球に帰す、というお願いをしたのかもしれないけど
現実テジュと対面したAIテジュはきっと
何かを感じたと思うのです。。。
それこそ自分が、作られた存在だと気が付いたかもしれない。
AIテジュの設定どおりともいえますが、
ジョンインを愛し、ジョンインだけに尽くしてきたAIテジュ。
どのAIにも終わりがくるサービスではあるけれど、
感謝や離別の悲しみは、AIとの間にもあると思いました。
風に吹かれるジョンインは
彼のことをAIだと割り切れているのかな…
AIテジュもいとおしく思う気持ちもあるよね…
ジョンイン…😢
⑤運動場でのジョンインとテジュ
実は④と順番が前後していますが、
やはりこのシーンを最後に。
思い出の運動場で話をする二人。
なぜワンダーランドを宇宙の設定にしたの、と聞かれ
「自分が考えられる一番遠い場所、
そこにいる気がして」
と答えるジョンイン。
会いたい気持ちがものすごく強くなっても
絶対に会えない場所。
宇宙ならあきらめざるを得ないし
テジュの大好きな場所でもあり。
そんな気持ちを聞いて
微笑む現実テジュでした。
歩き去ろうとするテジュが、
もう一度ジョンインを振り返ります。
唯一無二のジョンインをもう一度見たいテジュ。心を定めてもう一度歩き去ります。
過去テジュを思い出すジョンイン。
懐かしくて幸せであたたかい思い出。
だけど大好きだった姿とともに
思い出したことは
「僕はもう要らないな。
僕なしで頑張れ、元気でな、病気をせず…」
冗談で言った過去テジュのこんな言葉が
頼ってきた過去テジュから自分を切り離すのですね…
涙があふれて
現実テジュを追いかけて
後ろから抱きしめます。
ここでのボゴミの演技の話はXで教えてもらいました。
それは本当に私もそう思います。
だってお互いに唯一無二の人だから。
感情を我慢せず、そうやって伝えてほしいと思ったし、若いふたりだから尚更
こんな場面では
たくさん感情を出して良いと思うから…
ボゴミがまた泣いて、
伝わるテジュの心をインタビューから…
この後二人がどうなったか、は
視聴者に任せる、ということですが
どうなることも、あるだろう、と思います。
テジュの病状が良くなっていくことも
うまくいかないことが続いて疲弊して別れてしまうことも
あらゆる可能性があって良く、
それが二人の人生だから…
ここで影を落とすのは事故の存在であり、
もうAIではありませんね。
*終わりに*
ボゴミがこの作品の公開前に
たくさん考えてほしい、と言っていたこと
ちょっと考えていることが違うかもしれないけれど、たくさん考えてみました。
(どちらかというと映画が
ぱっと理解できなかったので
たくさん考えたのですが…)
「今いる現実もワンダーランド、
今一緒にいる大切な人に、
気持ちを伝えることを忘れないで」
(ちょっと言葉が違うかも)
とも言っていましたね。
そういった点でも
日々後悔のないように生きているつもりです。
たくさん考えた結果…
私は日々悔いなく生きることで、
AIサービスは使わなくて良い、と思いました。
母と10年ほど前に死別しましたが、
母をAIで再現しようとは思わないのです。
突然の死別だったので、
お別れまでの時間もほとんど無くて
とても恋しい瞬間もあるけど
後悔もあるけど
母が死ぬ前に
「(私のことを)心配していない」
と言った言葉が、私を支えているからだと思います。
私に、自分の子供だけど
もうあなたを心配していない。
ボゴミが言うように、
信頼という愛を、
伝えてくれたからかなと思います。
ボゴミのシーンは
全体で見れば半分より少なかったのだけれど
こうして書いてみると
たくさんの演技で
心を残してくれたのだと思いました。
ありがとうございます。
書くことで、ようやく少しは
考えもまとまり
映画ともテジュとジョンインとも
向き合えた気がします。
映画ワンダーランド
パクボゴムさんのことについて
たくさん書きましたが
タンウェイさんとコンユさんのことも
いつか書きたいです。
お読みいただき、ありがとうございました。