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強くて優しい人事組織になるためにやってきたことと、まだまだ道半ばな話

当社の人事組織は、各機能において挑戦すべき課題がたっぷりとあるので胸を張るのもまだまだです。とはいえ、素敵なメンバーが揃ってアウトプットを重ねてupdateを続けられていると感じています。

先日、HR Buddyというコミュニティの勉強会に登壇することになり、私がDMMの人事組織づくりでやってきたことを10分程度でコンパクトにシェアする機会をいただきました。

音声書き起こしサービスのRIMOを使ってみたかったこともあり、当日の内容を加筆修正しつつnoteでも残しておこうと思い書いています(なので口語っぽい箇所が多くあります)。

組織づくりや採用,制度,マネジメントに悩みがある方に少しでも参考になれば嬉しいですし、もし相談をいただくことあらば全て反応したいと思っています。遠慮なく連絡ください。
twitter:@_eijiro

はじめに

1社目は100人規模で採用OS/コンサルをやって、2社目は20,000人規模で人事担当をしました。いま3社目がDMM.comで国内グループ3,000人ぐらいの組織で人事責任者をやっています。一番重要なのが赤字でボールドの "サウナと日焼けと筋トレが好き" な人間ということでよろしくお願いします(なにが

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サービスは40超、会員数は3,000万人超、売上2,200億円超です。グループ会社も多くあるのですが、私は主要法人であるDMM.comとDMM GAMES(※2020年4月10日付でEXNOAに商号変更済み)の人事責任者を担当しています。

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本編_組織づくりのためにやってきたこと

本コンテンツを通してこんな状態になっていたら嬉しいと考えています。紹介するのは人事組織の話ですが、どの組織であっても共通で通用しうる内容だと思います。自分がやるのか、自組織のリーダーを支えるのか、それぞれの置かれた状況があると思うので、必要に応じて活用して頂けるとありがたいです。

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取り組んできたことのうち主なものがこちらです。それぞれ個別にこのあと説明していきます。

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最初は、組織体制の刷新についてですね、私が入社した頃は人事の各機能がいろんな部署に点在している状態でした。機能の配置については、絶対の良し悪しがあるわけではなく「事業成長に確かに貢献する人事機能を実現するためにどう配置させることが望ましいか」を考えて、分散するか統合するか、あるいは中間の落とし所を模索するのか、企業によって解が異なって然るべきだと思います。

当時の当社では、リード文章に書いているように質を揃えて向上することが必要と判断しました。最初は正直すこしガタガタしましたがしばらく歯を食いしばって実直に向き合って馴染んだかなと思います。

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次に、ミッションビジョンバリュー的なものを設定することについて、これは必須だと考えています。DMMの人事においてはミッションとビジョンとスタンスという纏め方をしています。バリューではなくスタンスにしたのは、バリュー=価値感+行動というニュアンスよりも、より行動に直結する表現で望ましい振る舞いを認識してもらうことが重要と考えたからです。

こうして、自組織に必要なメッセージを取捨選択して、就任3ヶ月前後くらいに発信できるとよいと思います。期待値を明文化して責任者の頭の中を出来る限りオープンに自らすすんで発信する、その検討過程まで含めて透明にした方がいいというのも付け加えておきます。

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加えて、MVVのような綺麗なものではなくても、責任者自身の大切にしている考え方も明文化します。また、自組織つまり私でいうと人事組織の活動がどんな意味を持って連関していて事業成長に対してどのように価値が繋がって影響を及ぼすのか、みたいな、自分はこう考えているよっていうことです。

下記の画像内にあるビヘイビアガイドラインに関しては、図に書いたりとか分かりやすく噛み砕く方がいいかなあとか考えたりしました。でも、長くなったとしても多少の思考や表現のバリ取りが甘いとしてもそれ含めてテキストで表現する方がディテール含めて伝わるだろうと考えて文字文字した仕上がりになっています。

自分がやりがちな仕事の振り方、仕事を任せる側として暗黙で持ってしまいがちな期待値の水準、承認作業を行っている頻度、などを示しておくとメンバーが少しでも安心して働きやすいんじゃないかなと。仲良しこよしじゃなくて建設的な摩擦も安心して起こすことができるための素地を育みたい思いもあります。

なので、人事部への新規入社者が発生したら、こんな情報をまとめてあるページのリンクを送りつけるわけですね、それを一緒に見ながら30分ぐらいあーだこーだ説明したり意見交換して読んで、咀嚼するまで何度かmtg設けて雑談と共に会話するみたいな。対象者からは情報量多くて大変って聞きますw

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そして、自分の言葉で周知をとにかく繰り返しましょうと。自分の場合は、スラックでchつくって週報という形で投げています。to人事メンバーで「こういう人とこんな話をしたよ、こう考えたよ、ビジョンとスタンスの論点と同じだよね」など折に触れて繰り返します。

繰り返し繰り返し発信しようぜと、もはや当たり前に言われているけど、実際howはどうすんのと、受け手が受け取りやすいようにシンプルに自組織に既に根付いているコミュニケーション手段にどう乗せるかって感じですね。

これ例えば、新任のマネージャーに人事から手法をちょっと共有して、トンマナとか分かったりすると勇気付けられますよね。組織を纏めていくことに効くので、人事担当が遠慮せずに部署責任者に対して手法をシェアしていくのは結構有効かなって思ってます。

個人的に外部の方をメンタリングすることあるのですが、その時にメンティの方へ共有/説明するとありがたがってもらえて実際に実行に移していること多いので、初期アクションとして的を外し過ぎない手段の一つかなと思います。

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続いて、1on1でキーマンと問題把握をしましょうという話です。
自分が人事責任者として就任したときに全員と1on1をしました。相手を理解するのは前提ありつつ、自分自身のことを理解してもらわねばと結構強く思っていたので自分の職歴書を説明しちゃったりみたいな感じでした。振り返ると、もうちょっと幅広い話題で、働く上での想いであったり問題意識みたいなものを最初から問いかけて拾えばよかったなって思ってるとこです。

で、その時に問題意識に対しての解決策を会話するような場面が出てくるんですけどアドバイスだけを提供するようなスタンスは絶対にNGです、勿論ミクロな指示をしちゃうのもNGです、自分が善意であるとかは関係なくてただ単に風呂敷広げて問題を聞くくせに助言をするだけで手を動かさないやつになっちゃうんですよね。

メンバーは問題意識を持っているけども日常では解決行動まで出来ていない事柄を教えてくれているわけです。それに対してこちらが汗をかいて踏み込んで実際に手と足を動かして結果的に無駄になっちゃってもいいから具体的なアウトプットを持って相手へ貢献する行動を早期に示すことが重要ですね。

また透明性の観点ですが、そういった動きについても週報だったりで、話したことやっていること思っていることをセットにして開示する。繰り返すことで何者か分からんぞという存在だった自分に、少しずつ言行一致感が出て、やっとこさ信頼に足るかもしれないぞと思ってもらえるんですよね。
繰り返して開示するっていうのは、本当に手間なんです。でも、達成したい目的に近づいていくためにジワジワ効く重要な取り組みだと思います。

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これですね、早くやっとけばよかったなって思ってる目標管理の運用です。ここ半年〜1年ぐらいですね、期初に目標を設定した後に、4週間単位で「何が進捗したか嬉しかったか楽しかったか課題だったか」「次のアクションどうするか」っていうのを、自分とリーダー全員で振り返ってます。

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金曜:進捗・喜び・楽しさ・学びを聞いて承認しあって
月曜:次のアクションをシビアに自らコミットする

この運用の仕方、有名なOKR本にそのまま書いてあるんですけど、私はMBO-SのSelf Controlを組織として仕組み化するイメージで運用回しています(OKRかMBOかっていう概念論争はマジでどうでもいいですが)。

当日、まずはみんな書き出します、そのあと無言で黙々と読んで気になったところにコメントを残します。コメント部分を中心に拾って会議を進行していくと、単なる情報共有ではなくて、短い時間であっても密度の濃い議論や意見交換になりやすいんですよね。おすすめです。
参加者が成熟していかないとなかなかなじまないので最初しばらく滑ると思います。リーダーがこの取組の番人になって心折れずに継続するのが大事です。

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ちなみに、こぼれ話でこれは失敗したっていうやつです。ホワイトボードに付箋を貼って、各チームの目標と人事部目標は繋がってるぜというのを示したのですが、なんかもう貼ってあるだけで、何の影響もなかったなとw
やはり、実施と改善機会とレポートの一式が揃っていないと大体の施策は骨抜きになっていきますね。

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色々とお伝えさせていただきました。所属組織での自分自身の権限範囲とか実際問題あると思いますが、ミニマムで実行可能な影響範囲でいいので、素早く試行錯誤してみるということがめちゃくちゃ重要だと思っています。

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私自身も当社もまだまだ多くの挑戦があります。
頑張るぞ。

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