テクノロジーを使い「労働力人口の減少」に立ち向かう〜北海道札幌市・BPO事業会社の事例〜
内閣府のレポートによると、2019年以降で労働力人口が増加している地域は南関東と近畿だけであり、その他の地域では減少へと転じています。
(出典:『072 地域における人手不足問題』令和5年6月30日|マンスリー・トピックス - 内閣府)
「働き手が少なくなる」ことを前提に、どのように事業を運営していくのかは、日本のすべての事業者にとって避けては通れない課題です。
この課題に「地域企業を支援する立場」から取り組んでいる企業があります。
今回は、事例インタビュー取材のこぼれ話として、BYARDを始めとしたテクノロジーの力を活用しながら、地域発で「変化」へ挑む人たちの話をご紹介します。
導入事例インタビューの本編はこちら👇
「このままでいいのか」という危機感
株式会社AZUREの代表取締役COOである熊谷さんは、数多く企業の経理部門を支援してきた経験から次のような危機感を抱いていたと言います。
変わらなければいけないと思っていても、実際に変わることは難しい
人は変化を嫌う生きものという話を聞いたことがあるかもしれません。
人の心理にはさまざまな「バイアス」がかかっています。たとえば「現状維持バイアス」が働くと、どんなに優れた新製品を手に取ったとしても失敗を恐れる気持ちが勝り、取り入れることに抵抗感を感じる、といったことが起こります。
2008年に日本で初めてiPhoneが登場したとき、多くの人は「スマートフォンなんて はやらない」とガラケーを使い続けていました。電車で周囲を見渡せば「スマートフォンを触っていない人が珍しい」という2023年の今からは、想像もできない光景です。
(参考:本当にiPhone 3Gは“失敗した”のか:神尾寿のMobile+Views - ITmedia Mobile (2008年10月9日))
オランダの社会心理学者、ヘールト・ホフステード博士の研究によれば、日本人は「未来の不確実なものごと」を回避し、過去からの慣習を重視しようとする傾向が、世界のなかでもとくに強いと言われています。
(参考:異文化理解のフレームワーク「ホフステードの6次元モデル」(4)不確実な未知の出来事に対する対処法:不確実性の回避)
今までのやり方を変えたり、新しいものを取り入れたりすることへの抵抗感・嫌悪感は、私たち誰もが自然と抱いてしまう感情なのです。
人を動かすには「力」が必要
人が感情で動く生きものである以上、それを動かすためには相応の「力」が必要であると、AZUREの代表取締役CEOである鶴田さんは語ります。
経済産業省が「DX認定事業者」に対しておこなった調査からも、とくに中小企業においては、役員以上の人物が改革の旗振り役を務めていることが分かります。
影響力を持った人を巻き込み社内の「力」を駆使する
トップダウンでなければバックオフィスの現場は変わらないとすると、現場からボトムアップで改善をおこなっていく方法はないのでしょうか。
経営学にはいくつかのヒントがあります。
ハーバード・ビジネス・スクールのジョン・コッター教授は、上司が部下をマネジメントするだけでなく、部下が上司をマネジメントするという「ボス・マネジメント」の考え方を示しています。
また、スタンフォード大学のジェフリー・フェファー教授は著書『影響力のマネジメント』(2008年、東洋経済新報社)のなかで、組織のなかに存在する3つのパワー(公式の力・個人の力・関係性の力)を利用することを説いています。
上司を動かす、という観点ではBYARDの別の事例が参考となるかもしれません。
AZURE様と同様、コンサルタントとして外部から企業を支援しているTECO Design様では、BYARDを使い現場が取り組んでいる業務を可視化し、上司の理解を促すことで、業務改善の足がかりをつかんでいらっしゃいます。
変わるための「覚悟」を持つ
AZURE様は地域企業が「変わる」ための支援をするのみならず、自らも会計事務所という伝統産業のなかで「変化」を起こそうとしています。
熊谷さんは強い「覚悟」のもと現在の事業を始めたと語ってくださいました。
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