【小説参考資料】  第五話 軍鶏群

現在、花巡る暦シリーズと題して、一話完結型小説の第五話までnoteさんで公開させてもらっています。ファンタジーと言いつつ現実とリンクしている部分もあるので、第四話同様、参考資料として紹介しておきます。
以下、外部リンクになります。


 第五話では、内容上、物語の年代をはっきりとさせました。明治三十六年の師走に設定しています。
 時代背景をはっきりさせたことで、色々と調べることも多かったのですが、一番の問題は、暦の他にも『この頃には何がなかったか』でした。
 ファンタジーなので、そこまで調べる必要はあるのか悩むところですが、大雑把ではありますが、『この時代はだいたいこんな感じだったらしい』程度で時代考証を合わせてあります。
 飛行機の初飛行については、グスターヴ・ホワイトの二年前の説もありますが、有名なライト兄弟の方を採用しています。

・ 東京路面電車

この辺はマニアな方の方が詳しいですよね……路面電車、かわいい。


・ 花柳界



 この辺も色々あって、これ以外にも調べてみて「へぇ」と思いました。
 軍人さんの赤坂贔屓って、やはり、花代が関係してるんでしょうね。
『鴨川踊り』的なことをするために、かなり頑張ったみたいです。
 余談ですが、一度、機会あって『都踊り』の方を拝見したことがあるのですが、芸妓さんたちの体幹の良さには、目を見張るものがありました。
 綺麗よりも、『すげーっ!』でした。


・三河の陰陽師 ・ 将門公首塚と北斗七星


 これは、今回調べてみて初めて知りました。
 三河に陰陽師がいたのかぁ……。
 戦国時代の戦では、神仏や呪いに頼るのが一般的だったことを考えると、
 徳川家康の出身が岡崎であることからも、有り得なくはないですね。

 将門公の首塚関連については、民俗学関連では有名すぎる話です。
 検索をかけると逸話が山ほど出てきます。
 移転しようとして、何人亡くなったことやら……


・ 徴兵制度


 現実にはこの頃、あまりにも変更が多すぎるし地方によっても差異があるようで、難しすぎてこれに関してはかなり適当に書いているんですが、明治以降、とにかく多くの人を従軍させるために、なりふり構っていなかった感があります。
 代人料については、明治22年の改正後の値段にしてあります。


・ 貨幣価値



 昔の貨幣価値を現代に当てはめるのは難しいのですが、一銭がだいたい二百円から二百五十円ほどだった、という説が一般的らしいです。
 上記サイトでは一銭=二百円ということでしたが、ただ明治時代は長く、この頃は不景気だったこともあり、この話では、一銭=二百五十円で計算しています。
 


・ トマトケチャップ


  

 前に調べた時に確かにラベルに『トマトケチョップ』の文字が書かれたボトルの画像も見かけたんですが、ネットの広大な海に呑まれたかなんなのか、再度さがしても見つかりませんでした。無念。
 カゴメさんの歴史は、面白かったです。
 トマトが入ってきたのは、江戸時代。
 やはり、トマトケチャップを作るために参考にした製品を、主人公と同じ年に購入されています。


 同年、横浜の清水屋さんが、国産第一号のトマトケチャップの製造販売を始めたそうですが、物語では京橋の明治屋さんに買いに行った、という設定なので、ハインツ製の輸入品としています。
 西洋野菜云々に関しては、調べきれなかったんですが、関東だとやはり、外国人居留地のあった横浜の鶴見区で盛んに作られていたようです。

 余談ですが、淡路島の玉ねぎが有名ですが、本格的に作られ始めたのは、大正に入ってからのようです。


・ 屋島寺・蓑山大明神とその伝承


 お遍路、四国八十八か所巡りの第八十四番目札所屋島寺境内内に、蓑山大明神はあります。
 noteさんで記事にされている方もいらっしゃいますね。
 オチとした伝承は、実際に残っているものです。
 小豆に化けて……ですが。
 松谷みよ子先生による出典本は廃版になってしまったんでしょうか、ネット上では古本しか出ていないようです。

 荒俣宏先生と小松和彦先生の対談本。
 こちらでも上記本の内容が少し紹介されていますが、こっちも廃版っぽいですね。
 読み物として、とても面白い本なのですが……。
 とかく、民俗学関係の本は、出会ったときにすぐに買わないと手に入らなくなるのが辛いです。

 
 簡単な内容でしたら、こちらで検索ができます。

 国際日本文化研究センター 怪異・妖怪伝承データベース

 
 妖怪研究第一人者の小松和彦先生が監修されています。
 あらすじ程度の簡易な内容ではありますが、民話を含め、実際に伝わっている話が検索できます。
 日露戦争で検索すると、物語に出した話以外にも、沢山出てきます。
 いや、ほんといつもお世話になっています。


 読んでくださって、ありがとうございます。