長編シリーズ小説 『花巡る暦』 もくじ
長きにわたる武家の時代が終わり、元号を明峙と改め、帝を頂点とする新政府が樹立してより、西洋から入ってくる新しい価値観や技術によって世の中は目まぐるしく変わりつつあった。 代々古き神を祀る家の伯爵家次女の咲保は、生まれつき人ならぬモノに好かれる厄介な体質の落ちこぼれだ。家族やモノたちに支えられながら、日々ひっそりと穏やかに暮らそうと頑張っているが、ほぼ引きこもりなのになぜか騒動に巻き込まれたり、たまに誰かが戦ったりもする、少し他人とは違う彼女の、積み重ねる日常の物語。
第一