ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの最初のレコードを聴いた誰もがバンドを始めたのは本当か
ヴェルヴェット・アンダーグラウンドというロックバンドが1967年に出した1stアルバム、ご存知ですか? マニアックなバンドなのでもしかしたら知らないかもしれません。こんなジャケットです。
正式にはこの時はThe Velvet Underground & Nicoというグループ名なんですが、なぜかAndy Warholという人の名前が書いてあって、メンバーの写真がどこにもなく、バナナなんです。面白いですね。このバナナ、シールになってて、はがせるんです。面白いですね。こんなペースでは話が始まらない!
このアルバムについて語る時、毎回引用される有名な言葉があります。それは「ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのレコードはあまり売れなかったが、レコードを買った人は皆、バンドを始めた」というものです。何それ、かっこいい……。
つまり、売上ではなくその後への影響力という価値観で判断した場合、どれだけこのグループが偉大か、という話です。ワタシはこの言葉にかなり影響を受けています。作品は売上だけが指針ではない!という精神を、この言葉から受け取りました。そうしたバンドの実例として、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドは自分の中で特別な存在になりました。
しかし誰が言ったのか?とか、真実なのか?とか、そういうことを何も考えたことがなかったんですね、そういえば。なので調べてみたら、なんと、この言葉はブライアン・イーノの言葉だった!のです。知らなかった……。「ローリング・ストーン」の2016年のインタビューでこう答えています。
ブライアン・イーノがルー・リードに会った時に「アルバムは3万枚しか売れなかったが、その3万人全員がバンドを始めた」と話した……。そうだったのか、という気持ちと、「それどういうシチュエーションだよ?」という気持ちが膨らんできました。こうなると初出が気になります。もうこれは調べるしかない!
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2001年以降に雑誌等に書いた記事を全部ここで読めるようにする予定です(インタビューは相手の許可が必要なので後回し)。テキストを発掘次第追…
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