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役小角の蕎麦(未完)(Culture)
スーパーサイア人?超人?
謎多き山岳宗教の開祖、役小角。日本最古の呪術者。
彼が修行のため信濃の山岳へ入った際に村人たちにもてなされ、
そのお礼に、いつも持参していたそばの実を渡したそうです。
それがまぼろしの「入野谷在来種」。
それを大事に育て、十年掛で復活。
それが実り、幻のそばの実から作った「入野谷そば」が伊那市内の蕎麦屋に出回ることとなりました。
日本最古の呪術者が持参していたそばの実。
持参していたと言うことは、修行中、道中、口にしていたに違いない。
と言うことは、役小角を超人足らしめたそばの実からできた蕎麦をぜひ食べてみたい。
ふと思い立ち長野県南部にある伊那へ蕎麦の旅へ出ました。
新宿から高速バスで3時間ちょっと。伊那市に到着。
駅前は閑散としており…商店街もシャッターが下され、寂しげ。
この日は日帰り予定で、帰りのバス時間まで3時間少し。
この様子では、お蕎麦食べてから帰りのバスまで、時間を持て余してしまいそうと不安になる。
ひとまず、駅から徒歩でいける蕎麦屋を探そうと観光案内所を探すが見当たらず。
駅近くの交番へ行き、尋ねると、親切に色々な観光マップをくれた。
徒歩10分圏内。マップを見て「亀」を目指す。
しかし残念。やってなかった。よく確認すると夜開店のお店だった。
続いて第二候補の「こやぶ」を目指す。
看板が出ていた。やっと幻のそばに会える、心躍る。
店内はテーブルとお座敷。いい感じ。
お店の方に「入野谷そばありますか?」
と聞いたら、
「まだ入野谷は出回ってないんですよ。この辺は10月後半かな」
とのこと。
ショック。
普通にもりそばを注文。
伊那そばは行者そばと言われ、つゆに、辛味大根おろしと焼き味噌を入れて食べるのだそう。
こやぶは2枚で一人前。
一枚目は、店員さんのアドバイス通り、何も入れず、つゆだけで食す。
お蕎麦はやや太め、しっかりした色。
美味しい。
コシがあって噛むと蕎麦の香りと甘味が口に広がる。
二枚目は、辛味大根おろしと焼き味噌を入れて食す。
うん、これも美味しい。くせになる。
入野谷そばは食べられなかったけど、大満足のお蕎麦でした。
そして、入野谷そばへの期待が高まる。
今回は残念だったが、食べ比べができるから良しとしよう。
さて、帰りのバスまで2時間もある。
コーヒーでも飲もうとシャッター商店街をぶらつく。
と、ポツンと開いている雑貨屋さんを発見。
オーガニック商品などを置いている可愛らしい雑貨屋。
店の外で陳列していたお店の方、私のカメラを見て、
「写真撮ってるんですか?」
気軽に声をかけてくれたお店の方にお蕎麦の話をすると、色々教えてくれた。しばし、おしゃべり。
そして隣に古書店を発見。本を物色。掘り出し物を見つけた。
時計を見る。あれ?すでに1時間も過ぎているではないか。
コーヒーが飲めるカフェを探す。
駅の近くのカフェへ。
「何の写真撮ってるんですか?」気軽に声をかけてくださる店主。
「蕎麦です」と私。
そこで、入野谷そばが食べられなかったことを話と、入野谷そば情報やおすすめのお蕎麦屋さん情報を教えてくださった。
入野谷はお店に確認してから行った方がいいとのこと。なるほど。
おすすめのお蕎麦屋さんは「壱刻」と「梅庵」。次回絶対行くと心に決めた。
美味しいコーヒーを飲み、ぼんやりしていると、あっと言う間に帰りのバスの時間になった。
立ち寄ったエリアは広くなく、立ち寄った店もわずかだったけど、
とても濃く充実した時間を過ごせた。
なんと言っても、出会ったみなさんがとても親切に声を掛けてくださったのが印象的だった。
こちらはお土産。
古書店で買った三冊、それぞれなんと100円。
りんごは雑貨屋さんで購入。
伊那市の無農薬農園で採れたりんごで「皮まで食べられますよ」とのこと。
早速帰りのバスでまるごと齧る。とても美味しかった。
さて、来月リベンジの旅へ。