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不登校の要因

文科省が2023年度の不登校に付いての調査結果を発表したという記事が11月1日の毎日新聞1面に掲載されていました。それによると小学生では13万370人、中学校では21万6112人の子どもさんが不登校で、昨年に比べて15.6%増え、過去最高だったそうです。

調査結果では、不登校の理由について、学校生活に対してやる気が出ない、本人の不安・抑うつという項目が1番と2番になっていました。

しかし、3面に掲載されている滋賀県でフリースクールをされてる方のお話では、フリースクールに通ってきている子どもさんたちは、皆元気で意欲に溢れているそうで、この調査結果に疑問を感じておられるとありました。

そもそもこの調査のもとになったデータは、学校の教師が記入したものです。

保護者や本人に不登校の理由を確認することが推奨されているものの、現実には教師は忙しくて確認は取れていないことが多く、文科省自身も、調査結果と保護者や本人の認識とにズレがあることを認めているとありました。

つまり、この調査結果は実際の現場で起こっていることとはかなり乖離していて、何が不登校の本当の要因なのかはこの調査ではわからないのです。

では、何が本当の要因なのかについて、同じく3面に、子どもの発達科学研究所の和久田学さんが詳しく述べておられました。

私自身大変勉強になりましたので、少し長いですが引用します。

『学校教育が現在の社会とかけ離れていることが、影響している可能性がある。現代において多くの子どもは、秒単位で変わる動画を楽しみ、自宅に居心地の良い居場所がある。そういう時代に学校に行くモーチベーションは何か。集団で同じことを学ぶ学校教育は昭和時代のまま放置されており、学校を辛く感じる子どもが増えるのは当たり前と言える。不登校というのは教育と子どものミスマッチで、子どもが悪いわけではなく、多様性を認める今、さまざまなニーズのある子どもに合った教育を提供できない学校の問題ととらえるべきだろう。』

毎日新聞11月1日3面


もちろんこれがすべての要因ではないと思いますが、今までのように、個人の要因だけでなく、今の学校のあり方そのものが不登校の大きな要因になっているという視点を学びました。

この記事を読んで、わたし自身が支援学校に在職中経験した不登校の子どもさんのことを想い出しました。

他県の支援学校から転校されてきて、程なく不登校になった子どもさんでした。

何度も家庭訪問をして、お母さんや本人とお話をしましたが、教師や友だちに対する不満は全くなく、ただ家にいるほうがいいと本人が言っていました。

今になって思うと、お母さんの実家はおじちゃんおばあちゃんもいて、自分だけの大きなお部屋もあって、それまでお母さん、弟と住んでいたアパートと違って居心地が良かったんだと思います。

在職中、何度も自分の力が足りないと、自分を責めたりしましたが、この記事を読み、少し救われた気がしました。

今不登校でお悩みの方、ご家族の方、学校の先生方の中でご自身を責めておられる方がいらしゃいましたら、私のようにこの新聞記事で少しでもお気持ちが和らぐといいなと思いご紹介させていただきました。