600字で綴る⑥「鯉は海を泳ぐべからず」
「お前はなんで泳げないんだ、もっと真剣にやれよ」、そう責められているのは鯉。鯉といっても海に迷い込んだ鯉である。そんな鯉は言う。「ボクが悪いんだ。もっと背びれをつかってのびのびと泳がなきゃ…」。泳げないのは当然である。鯉は淡水魚。海では泳げないのである。にも関わらず、鯉は海を選び続けた。息苦しさを感じていながら…▶サミュエルの言葉「天は自ら助くる者を助く」は、挑戦者のバイブルである。才能や置かれた環境ではなく、自身の努力次第で夢は叶う。これは間違いない事実だ。数々の先人がそれを証明してきた。ただ、サミュエルは「人は全知全能の神だ」と言っているわけではない。人間には叶えられないことがある。諦めでは決してない。人には「叶えられること」と「叶えられないこと」があるのだ。鯉であるのなら、海を泳がなくていい。これは逃げではない。これは「逃げではない」のだ。▶「自分の心に耳を傾け続ける」ということ。それだけは妥協するべきでない。社会の雑音や他者の"優しさ"がそれを掻き消したとしても、その声を探し続けるべきだ。ジョブズも、チャップリンも、「自分の気持ちに嘘をつけなかった正直者」である。他者に耳を傾けてもなお、他者の声に支配されるべからず。一度きりの人生は紛れもなくあなたのものであり、あなたが在るべき場所は、あなたの「心」が決めるべきである。
※補足すると、鯉が海で「泳ぐべきでない」と言っている訳でも、「泳ぐのを諦めろ」とも言っていません。「泳がなくてもいい」と言っています。言いたいこと伝わったかなぁ。
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