まだまだ儲かる:中小企業の戦い方
データを用いることで取引先ともフェアに仕事ができるための交渉をする。「もったいない」を見直し、中小企業だけでなく取引先も無駄に気付けば、日本企業はまだまだ儲かる。
アメリカではトランプ大統領からバイデン大統領への政権が交代した。
パリ協定にも復帰し、ESG投資はますます勢いを増していくだろう。
そうなると大企業や中小企業関係なしに、環境・社会・ガバナンスにも益々配慮していかなくてはならない。
武州工業は、環境・地球・人に優しいものづくりの会社をミッションに掲げ数々の賞を受賞している。
・ 地域未来牽引企業 ・ スマートファクトリーAWARD2018 ・ 環境文明21「環境力大賞」
・ 日本でいちばん大切にしたい会社 審査員特別賞 ・ 東京都功労賞 など
“まだまだ儲かる”とは、言い換えれば“儲けられないのは何故なのか?”を見直す事である。
中小企業は取引先と、フェアで仕事をしていただろうか?
そもそも中小企業は、自分たちがフェアではない事に声をあげられない環境だったのではないか?
1. 武州工業のフェア
人に優しいものづくりの会社の活動として、社内においてもフェアになるような取り組みを行った。具体的には、2012年~2016年のアタックv65の5か年計画での「ES:従業員満足度を上げる」という施策である。
・ 期末賞与(利益は折半)
・ 給与体系の見える化
・ パート社員から希望者全員を正社員へ
・ 時短勤務の導入
いまでは、8.20体制と共に
環境・社会・ガバナンスを配慮する取り組みとして高く評価されている。
2. 検査工程の見直し
スーパーで「曲がったキュウリは嫌だ。」「形の悪いナスは嫌だ。」と過剰に選んではいないだろうか?
武州工業のパイプ部品も同じである。
製品の”傷がないか”を見つける従業員は、”より良いものを選びたい”と思う日本人のマインドだからこそ、外観検査を過剰にしてしまうのだ。
武州工業ではかつて、部署の33%の社員が検査に携わっていた事がある。
・ 傷を見つけないと仕事にならない気がする
・ 形状や大きさは本当に大丈夫だろうか
過剰検査の結果、忖度をしてしまい同調圧力に負けてしまう。
この問題を、自社開発のインライン画像検査を取り入れることで解決した。ストレスのかかる仕事を機械にまかせ人間は人間のやるべき仕事に専念することができる。
3. 生産性見え太君
製造しながら生産状況をデータ化する事で、改善につなげている。そのためのツールが自社開発の”生産性見え太君”である。
スマートフォンの万歩計機能の3軸センサーを使い、自分が決めた目標のペースメーカーとして使用できる。
また停止理由を入力し、その改善を行うためのツールとして活用できる。 武州工業では生産性見え太君を利用し、2割生産性を上げた。
● 目標値に対してペースメーカーの役割
赤:遅い 青:丁度いい 緑:速い と目標数が可視化して表示される。
● データ化する事で改善に繋げる
品質確認・材料交換・機械故障など、機械が停止した際は理由を入力する。(停止理由は自分たちで設定する事もできる。)データ化された情報をもとに、改善を行っている。
コロナウイルスで製造業の稼働も危うい中、「もったいない」を見直し全体最適のために行動を始める。そうすれば、中小企業だけでなく取引先も無駄に気付き日本企業はまだまだ儲かる!と思っている。
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