推論の技術とは?
自身の考えを言語化することに苦手意識を抱えていました。
アウトプットするためには、「インプット→プロセス→アウトプット」というステップを踏む必要があることを学ぶ機会がありましたが、自身に足りないのはプロセスだと気づきました。
インプットした知識をアウトプットするための思考プロセスが不足していると。
思考系の本を読み漁りましたが、特に参考になった著書が「推論の技術」。
自身の整理を兼ね、ポイントを整理します。
①推論力が必要な背景
推論力とは、「未知の事柄に対して、筋道を立てて推測し、論理的に妥当な結論を導き出す力」と本著では定義づけています。
人生を振り返ると、暗記系や方程式を用いた計算、教えられたことを実行することは得意としていました。
共通点はやるべきことが明確であることでしたが、未知の事柄に対してどう対処すべきかということを考える力が低い(そもそも考えることをしてこなかった)という壁にぶち当たりました…
根性論も大事ですが、正解が存在するわけではないビジネス社会においては、「仮説を立て検証し結論づける」という一連のサイクルをまわす方法論が必要であることが、推論力が必要な背景です。
②推論とはどういうことか?
推論について、「雲雨傘」というフレームワークを用いて本著では紹介しています。
雲:空がくもっている(前提)
↓
雨:雨が降りそうだ(推論)
↓
傘:傘を持っていくべきである(結論)
起こっている事象をどう解釈するかが、推論のポイントです。
また、推論の手法として、帰納法と演繹法という方法も併せて本著では紹介しています。
帰納法とは、列挙した事実から共通点を発見し、結論付ける考え方。
演繹法とは、ルールや法則に事実をあてはめ、結論付ける考え方。
上記ではなかなかイメージしづらいところもありますが…、PDCAを回す際に帰納法はよく使う手法でした。
振返り及び対策を講じる際に、「起こっている事象を列挙→抽象化し課題を分類→課題に対する解決策」というステップで整理することが多いです。
抽象化する際に共通点を整理し、大体3点の課題に分類しますが、このプロセスが帰納法の考え方に該当していました。
③提案に必要なのは期待と納得
自身の考えをなぜ言語化したいのか?言語化したい理由はいくつかありますが、一番のポイントは自身の提案が受け入れられる状態をつくりたいためでした。提案対象は顧客だけではなく社内も対象です。
提案時に、提案を受ける側に立つとどうなっていれば成功だと言えるか?成功の理想像は、期待と納得を抱く状態を作ることです。
期待:効果がありそう(過去の常識を覆せるとインパクトが大きい)
納得:うまくいきそう(スケジュールややるべきことも明確で現実的であり、実現可能性が高そう)
やりたいこと(How)のみが先行してしまうと、期待度が低くなります。やりたいことは分かったが、なぜする必要があるのか(Why)?他の方法論ではだめなのか?(What)と
期待度を高めるためには、起こっている事象から問題点を抽出し、問題を解決することのメリットを整理する必要があります。
やるべき背景(Why)のみが先行してしまうと、納得度が低くなります。やるべき背景は分かったが、本当にうまくいくのか(How)?と
納得度を高めるためには、やるべきタスクとスケジュールを明確にすることが大事ですが、可能であればスモールスタートしてみることがポイントです。
簡易的に取り組みを実行してみて、成果が検証できると、期待度だけなく納得度(現場で取り組める)も高まり提案が通りやすくなります。
私は、社内提案時には、可能な限りスモールスタートによる検証を事前に実施しています。事前検証することにより、社内提案の通過率は大きく上昇しました。
アウトプットを高めることがビジネスにおいて重要ですが、インプット量を増やすだけでなくプロセスを見直すことによりアウトプットを高められることを体感しましたので、シェア致しました。
https://note.com/businessstyle_01/n/na3f87d90207c