辞書の生き物 #386 尻切れトンボ
尻切れトンボ
やりかけた物事が途中で終わってしまい、最後まで続かないことを表す慣用句です。
そのまま読むと、尻尾がちぎれたかわいそうなトンボのように思われますが、ここでのトンボは生き物のトンボではありません。
草履(ぞうり)には足を引っかける鼻緒がありますが、V字型ではなくU字型の鼻緒の物はその形から「トンボ草履」と呼ばれていました。
一方、カカトの部分がない短い草履は「尻切れ草履」と呼ばれていました。
この「トンボ草履」と「尻切れ草履」が混ざって「尻切れトンボ」へとつながり、尻尾、つまりお尻や最後がないことから、中途半端で終わることを意味するようになったようです。
このコラムも「尻切れトンボ」になっていないことを願います。