家庭菜園が終わります2021~秋とトンボと私~
※今回の記事はトンボ(昆虫)の写真が出てきます。苦手な方はご注意ください。
秋。
というか、もう冬みたい寒くなったので、私は重い腰を上げて庭の家庭菜園スペースを片付ける事にした。(そういえば、キュウリとミニトマトの家庭菜園メモを書いてなかった。今度noteにまとめます。)
●すっかり収穫を終え、枯れに枯れ果てたキュウリ。
●まだ実がなっているものの、気温が下がってからほとんど赤くならないミニトマト(下の方は枯れ、全体的にうどんこ病発症)。
●もはや木のようにモリモリに茂って固くなった青じそ&バジル。
これらを引っこ抜いて、ゴミ袋にポイします。ちょうど草木を無料で回収してくれる日が近いので、早急に…
「よし、やるか!!!」
── と、畑に近付いた瞬間 ──
ブブブブブブブブブ!!!!
下から変な音がした。
音のする方を見ると、
足元にトンボ。
「…何だオマエ!!!!」
声に出てた。
閑静な住宅街でひとり叫んでしまった。
(ご近所さんに聞かれていない事を願う。)
めちゃくちゃびっくりした。
地面にとまっているトンボが、ものすごい勢いで羽ばたいていた。でもちっとも浮かない。それなのにトンボは羽を動かし続ける。
ブブブブブブブブブ…!
ど、どうしたんだ。君。
まさか、死、しぬ…のか?苦しいの?
そう思っていると、トンボは急に動きを止めた。
死……………?!
…んでなかった。トンボは首を傾げたり、手で頭をかいたり(?)している。
あれ?どうした…
もう飛べないのか。君…
………。
いや、トンボを観察している場合じゃ無い。野菜の引っこ抜き作業をせねば。
根っこがかたくて、なかなか引き抜けない。スコップで根をザクザク切りながら作業したが、手強い。特に青じその生命力、舐めてました。すみませんでした。
20分後
なんとか全部引っこ抜けた…作業に没頭して、トンボの存在をすっかり忘れていた頃。ふと足元を見ると、さっきのトンボがいるではありませんか。
あぶなっ!踏み潰すところだった…
20分前から全く移動していないトンボ。
というか、私の足がこんなに近くにあるのに逃げないという事は、たぶんこの子はもう元気がない。
(こんなに近くで写真撮っても、逃げない。)
きっともうすぐ死んでしまうんだろう。
死ぬ前に見る風景が、こんな手入れをしていない庭で申し訳ない。
君には家族がいるのだろうか。
誰かと子孫を残せたのだろうか。
畑の支柱にとまっている君を見て、子ども達が「捕まえるぞ!」と言ってはしゃいだり
たまに君たちが2匹で仲良くつながって飛ぶのを見て、「仲良しトンボだ!」と言ってみんなで喜んだり
家の壁に何匹もとまって、日向ぼっこ(?)しているのを見て「面白いね~」なんて言って、秋を楽しませてもらってきた。
ありがとうね、トンボ。
君がここで死を迎えるなら、私はその骨を拾おうじゃないか。
……死ぬ瞬間って、どんな事を思うんだろうなぁ。
それとも、何も思わないのかな。
私には分からない。
分からないけど、『死』を意識する時に私は自分の祖母の事を思い出す。
最期に水を飲んで、すうっと眠るように亡くなった祖母の姿が忘れられない。
トンボも最期は苦しくないと良いなと思う。
………。
何で私、こんなにセンチメンタルなの?
秋だから?秋が私をそうさせるの?
だめだめ。作業せねば…
引っこ抜いた野菜をゴミ袋に入れていると、『スイッ』と私の目の前を何かが横切った。
「あ、、、とんぼ…?」
慌てて、さっきまでトンボがとまっていた地面を見ると、どこにもいない。
…あの子、飛べたんだ。
トンボと出会ってから約30分。
飛ぶ力を溜めるために、地面で休んでいたのか。
君は一体どこに行ったんだろう。
踏まれそうになる危険を冒してまで休んで、行きたいところがあったのかな。
もっと素敵な、良いところに飛んでいったのかな。
そうだったら良いなと思う。
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オチとか無くてすみません。
秋が私を詩人にさせていると思う。
トンボ、達者でな!!!
【2021年10月下旬】
いちごとアスパラ以外の野菜を全て片付けた。今後は数日にわけて土を掘り起し、大きな根っこを取ったり、虫の幼虫(何の虫か分からなくて怖い)を見つけ次第捨てたり、牛糞堆肥などを混ぜ込んだりする予定。たぶん。
トンボに思いを馳せる、センチメンタルな日でした。