脱兎の勢い:だっとのいきおい #160 辞書の生き物
脱兎の勢い
勢いがあり、極めて速い様子を示す慣用句です。
「脱兎」は、逃げていくウサギのことで、非常に速いものをたとえています。
肉食獣から逃げるウサギは時速70km以上のスピードがだせると言います。まさに脱兎の勢いは素晴らしいものがありますね。
また、ウサギは強い後ろ足でジャンプもしますしジグザグにも走って逃げていきます。生き残るために強靭な後ろ足を発達させました。
由来は孫子の兵法で、「始めは処女のごとく、後は脱兎のごとし」とされています。戦いの最初の方は弱々しく見せかけて敵を油断させ、あとで一気に素早く攻撃する作戦を指す慣用句です。
始めはたいしたことはないように見せ、あとで一気に実力を発揮することのたとえとしても使われます。
新婚当初はおとなしく初々しかったお嫁さんが、だんだん鬼嫁になっていくという状況に使うのは間違った用法です。
今年の干支「ウサギ」にちなんでスタートダッシュとはいかなくても、脱兎のごとく、だんだんスピードアップしていきましょう。
本年もよろしくお願いいたします。