鹿鳴館:ろくめいかん #267 辞書の生き物
鹿鳴館
明治時代に、諸外国の賓客をもてなす社交の場として設立され、社交外交に使われた施設が「鹿鳴館」です。西欧の文化を取り入れ、日本が一流国になっていることを示す目的もあったようです。
ではなぜ「鹿」が鳴いているのでしょうか。
由来は中国の「詩経」にある詩の一節です。
「呦呦(ゆうゆう)たる鹿鳴、野の苹(ひょう)を食(は)む。我に嘉賓(かひん)有り、瑟(しつ)を鼓(たた)き笙(しょう)を吹かん」
意味は以下の通りです。
「やさしい声で鹿が鳴き、野原の草を食べている。私のところにお客があり、琴や笛を奏でて歓待する)」
賓客を歓待したという詩になっており、それを鹿の声が象徴している情景ですね。
お客をもてなし、「しかと」してなくてなによりです。