辞書の生き物 #378 虎落笛:もがりぶえ
虎落笛:もがりぶえ
冬の激しい風が竹垣や棚(さく)などに吹きつけて発する笛のような音を「虎落笛」と呼びます。
「虎落:もがり」は、割った竹を組んで作った垣根のことで、古代中国で、虎避け(トラよけ)として設置されていました。
虎が落ちると書きますが、落とし穴のようなものではなく柵のことでした。
北風など強い風がこの柵を通る際に「ピューピュー」と音を立てます。
この風の音が笛の音のように聞こえるため「虎落笛」でと呼ばれています。
強い北風が発生させる音ということから「虎落笛」は、俳句では冬の季語になっています。
「虎落笛」は竹垣に限らず、電線を揺らす風でも起こりますので、都会でも聞くことができます。
東京都では電柱を地下に埋めるプロジェクトが進んでいます。
そのうち都会では「虎落笛」が聞けなくなるかもしれません。