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『Think Smart 間違った思い込みを避けて、賢く生き抜くための思考法』 〜自分を過大評価しすぎている私たちへ〜
『Think Smart 間違った思い込みを避けて、賢く生き抜くための思考法』を読了。
私はある時期から、未来の私に期待するのをやめた。
未来の私と言っても、何年も先のことじゃない。
明日とか1週間後とか、もっと近いことでいうと30分後とか。
しかも期待の中身は、日常の細々とした用事程度のことだ。
例えば体重管理とか。
ここ数年、自分でも体重管理はよく出来てると思う。それも、未来の自分に期待しなくなったからだと思う。
以前は、明日は食べ過ぎないようにしよう、とか、今日食べ過ぎたから明日運動しよう、とか、体重に関わる行動を私は未来の私に託していた。もちろん、未来の私はその期待に応えられなかった。そしてまた懲りずに思う、明日こそはと。
じゃあ今はどうか。
今は「どうせ未来の自分は食べちゃうし飲んじゃうだろう」と思うようになった。で、どうせ食べちゃうんだろうから、ちょっと今から運動しておこうって、先にウォーキングしたり軽いワークアウトをしたりする。そうすると、食べる時には「せっかくさっき運動したんだから、食べ過ぎると(消費したカロリーが)もったいないな」と思ってセーブするので、体重もキープできる。
そんな、未来の自分に期待ばかりする私たち。
明日の、1年後の、10年後の自分は、想像の中ではたくさんのことを成し遂げている。明日にはできるって思い込みが、そう思わせる。そして結局は判断を間違えて後悔する。
体重オーバーくらいのちょっとした後悔くらいはいいけれど、そんな思い込みのせいで、私たちは時に大きく人生を間違えてしまうこともある。
本書では、そんな私達の思い込みによる間違いを、これでもかというくらいに事例をあげて、淡々と打ちのめす。
前書では、「私たちひとりひとりはそんなに大したことなくて、可能性は生まれた時にだいたい決まっていて、世界なんか到底変えられない。」と教えてくれた著者が、今回も「だいたいあなたは自分を過大評価しすぎている」って教えてくれる。
でも、そんな思い込みが世界を変えることだってあるので、若い人にはオススメしないが、人生も後半に差し掛かったのに、どうもいつまでたってもなんだかうまくいかないっていう人は、一度読んでみるといいかもしれない。
毎日を穏やかに暮らしていくためのアドバイスが目白押しな、とびきりじゃない、地味で普通な人生を送る私たちのための一冊。