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10年以上も企業の人材育成をサポートしてきた経験から、わかること、正確にはわかってしまうことがあります。

「研修受講者が嘘をつく瞬間」がわかってしまうのです。

企業研修などの現場に立つと、講師は受講者に感想を求めたり、行動変容を期待する問いを投げかけたりします。仕事柄、これは当然のことです。すると受講者はたいてい、このような回答をすることになります。

「◯◯を意識したいと思います」

「◯◯◯を実践してみたいと思います」

企業研修の参加者は大人であり、ある程度の知性があります。文字通り「大人」の回答をすることがほとんどです。講師の期待する言葉を、教科書通りに、講師に返します。結果、アマチュアな講師はこれらの言葉に満足し、いい学びが提供できたと誤解してしまいます。

しかし少なくとも私は違います。これらのセリフが本音なのかどうか、あるポイントで判断しています。そしてその判断基準に、実はかなり自信を持っています。

私はどこで判断しているのか。実は受講者がこのようなフレーズを言う際、言い切る瞬間の視線がそれを教えてくれます。

受講者は自分の本音をわかっています。おそらく実践しないだろうなと思っていること。本気でそう思っていないこと。自分が嘘をついていること。当然ですが、自分でわかっています。

だから最後に言い切る瞬間、相手(講師)の目を見ることを無意識で躊躇ってしまう。結果、発言の最初から途中までは私と目を合わせて話していたにもかかわらず、言い切る瞬間になると講師と目を合わせることから逃げる(視線を逸らす)のです。

「思っていない」ことを「思っています」と言い切らなければならないから。

これは経験で感じ取ったもの。数学的(科学的)なエビデンスがあるわけではありません。そもそも私は学者や研究者ではありませんし、仮にそんなことを研究して結果が「正しい」となったとして、だから何なのだという感情が残るだけな気もします。何より、「嘘」とはその人の心の中だけに存在するものですからね。

もし研修講師をされている方、あるいは教育関係者の方、あるいは企業で管理職などをされている方などで、指導相手の「嘘」に興味?のある方は参考になるかもしれません。この内容を信じるかどうかは、あなたにお任せします。

確かなことは、企業研修の受講者は平気で「嘘」をつくということ。それを前提にしていない講師はアマチュアであること。プロなら最低でもその嘘を見破る術を持っていること。

まあ、こんな記事を書いている暇があるなら、受講者に「嘘」をつかせないような研修を提供するための努力をするべきだと思いますが。



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深沢真太郎 ビジネス数学・教育家 作家(35冊/小説・ビジネス書・教育書)
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