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数学で「X(エックス)」を使う理由 〜「理解力」を理解するための最重要事項〜

引き続き、理解力について探究を続けています。

私はこれまで、理解というものには「第一の理解」と「第二の理解」というものがあると提唱してきました。

第一の理解とは何か。詳しくは以前の記事で表現しておりますのでご参照ください。


今回の記事はあなたがこの「第一の理解」を(まさに)理解していることが前提になります。ご興味ある方は、誠に恐れ入りますが私の過去の記事は目を通しておいてください。

いよいよここからは「第二の理解」なる領域に入っていきますが、そのためにはどうしても押さえておかなければならないポイントがあります。このようなテーマがお好きな方はきっと、「ああやっぱりそれね」と思うことでしょう。そうです。あれです。

「抽象」

私の提唱する「第二の理解」を(まさに)理解していただくためには、どうしても抽象という概念をしっかりわかっておく必要があります。とはいえ難しい話は誰も歓迎しないと思われます。究極までシンプルに、本質だけを抽出し、あなたにお伝えするつもりでいます。

今回のテーマは、なぜ物事を理解するためには「抽象化」が必要なのか、です。

その謎を解くカギは、以前に書いたこちらの記事の中にあります。

特に下記の言及が極めて重要になります。抜粋してみました。

「わかる」とは、「同じ」と「違う」に分けていくことです。つまり理解の基礎は「比較」にあります。

たとえばテーブルの上に何か物体が置いてあります。あなたはそれがリンゴだとわかります。なぜリンゴだとわかるのかというと、あなたの脳にある情報と比較し、「同じ」と「違う」に分けていくからです。分けていった結果、あなたの脳にあるリンゴという情報とテーブルの上の物体が「同じ」だと認識します。だからあなたはその物体をリンゴだとわかるのです。

もしその物体がヒャブリングリアーゼ(架空の何か_笑)だとして、あなたの脳にある情報すべてと比べて「違う」となるなら、あなたはそれがヒャブリングリアーゼであることがわかりません。

同じなのか違うのかを判別していくこと。それが理解することです。

たとえば「半径5センチの円の面積をどうやって求めるのか」を理解している人がいたとします。もしその人物が「半径10センチの円の面積をどうやって求めるのか」を問う問題を目の前にしたら、おそらくすぐに答えることができるはずです。なぜなら、「半径10センチの円の面積をどうやって求めるのか」という問題は、「半径5センチの円の面積をどうやって求めるのか」という問題と(表面的には違うけれど)まったく同じだからです。

同じだと認識できたとき、人はそれを「わかった」と解釈する。

いよいよ本題です。抽象化とは、とても大雑把にいうなら、共通する特徴を抜き出すことです。抽象化の「抽」は抽出するという意味です。具体的には異なるものだとしても、それらの共通する概念を抽出すること。それが抽象化なのです。

たとえば次の2つを比較してみてください。

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